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    梨那★

    @aroma9lapis

    blst★シンさんと大牙くん多め…原典絵ちまちま描いてます❄雪花の吉良派で狂いました(´;ω;`)ウッ…

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    梨那★

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    推しが不意に眼鏡してきたら…不意じゃなくても萌死ぬよね/視力悪いの前提&捏造 #腐ラスタ #銀大

    #腐ラスタ
    rotatorCuffStar
    #銀大

    いーすわ、どーせ銀星が送ってくれるんすもん/銀大「ぅぃーす」
    「お疲れ様…」

     シャワーを終えた大牙はポニーテールをひとまとめにしてヘアバンドしてる。服はレストラン衣装から着替えていていつもの私服に変わりはない。変わりはないけど何か違和感がある

    「あれっ…」
    「なんす、探し物すか?」

     探し物と言われて反射的に自分のロッカーを確認する。服はある、持ち物もたぶん無くしたものはない…鏡を見ると店での自分の姿が写っている。髪のセットも申し分ない、手製のアクセもきちんと研いてあるから少し照明が落とされたレストランホールでも存在を示してくれる「銀星の名に恥じない存在感」そう、店でのいつもの自分の姿だ。探し物?あれ…ところで俺は何を探してたんだっけ…

    「違和感…んーっ」
    「見つかりやした?」

     大牙を足元からハイカットスニーカー、ロールアップされたボトム、パーカーと見上げいつもと違うのはシャワー上がりで肩にタオルが掛かっているくらいだ。まだ火照っているのか時折流れる汗を拭いて…あっ!

    「あぁ…なんか違和感あるなと思ったんだよ、眼鏡か」

     俺が眼鏡からコンタクトにしたのは中学から高校に上る頃だったと思う。小さい時の絵本、童話から始まり伝記ものドキュメント…ミステリー、冒険ものから舞台を観に行くようになり今では自ら舞台に立っている。脚本や演出を任されるようになってからは台本を読み解く為にその原典を何冊も読むことが増えた。本との付き合いは今に始まった事ではない当然そんな生活をしていれば視力に影響してくる

    「夜ふかしが祟ったんすかねぇ〜シフト入る前からなんか目が痛くて」
    「結構視力悪そうだな、俺も偉そうに言えるほど良くはないけど」

     今は軽量なレンズで薄いから視力の良し悪しなんて判別できない。以前ならレンズの厚さで視力が悪いのなんて一目瞭然だった。大牙の眼鏡を通して向こう側を見れば随分と景色が歪んで見える

    「そーすねぇ物心ついた時にはゲームしてた記憶すから一日一時間とか言われても守れます?って話じゃねぇですか」

     大牙の猫背はPCに齧りついてる印象だったけど物心ついた時からかぁ

    「ゲームやってたなぁ家にはなかったけど従兄弟ん家行くと遊んでた」
    「従兄弟ん家……友達ん家じゃないのが親近感湧きますわ」

     あのなぁ横槍いれんなよって大牙を見ると眼鏡の位置が下がり気味なのが気になった。よく見るとレンズもあちこちに傷があって随分と前から使用しているものだとわかる

    「年季入ってるなその眼鏡…重くない?」
    「あー大学の時に作ったやつなんで、重さすかそんなん気にしたことねぇすわ」

     鼻当ての留まりが緩いからだろう大牙は何度も位置を上げてるけど思う所に収まらないらしい

    「そんな古いの使ってたら良くないぞ、視力検査したろ健康診断で」
    「かったりぃ〜銀星だってわかるっしょ普段コンタクトなんで不都合ないんすわ」

     この状態でよく言えるなぁコイツ

    「何度も位置直さないといけないくらいズレてんじゃん…不都合だろ」
    「うるせぇ」
    「お前のこと思って…って言ってもお前作り直す気無さそう」

     ニ、三歩下がって大牙にこれ何本に見えるって指を立てて見せる。ロッカーの並ぶ壁面からは大目にみても3mもない。

    「ピィ〜〜スゥ〜」
    「ふざけるなよ、二本じゃないからな」

     きっとぶれて見えてるんだろう乱視も疑わしい。

    「三本!いや一本か…にしても今からじゃ眼科やっねぇですよ」

     首に掛けたタオルをリネン回収のワゴンに投げ入れ、ヘアバンドをロッカーへ無造作に投げ入れた。ヘアバンドを外した勢いでヘアゴムがズレたから大牙は髪を束ねポニーテールを作り直してる。

    「鏡なくても器用なもんだな」
    「毎日っすよ…鏡なんて見ねぇし」

     目を合わせてくれない。当たり前の事を言われて拗ねてるんだ全く。コンタクト着けてるなら眼科くらい行ってるだろ…まさか。

    「お節介なの承知で聞くけどコンタクトにしてから眼科行ったことある?」
    「そりぁあるわっ…そーすね働き始める前に一応検査行っとけってにーさんに言われたんで」

     かれこれ経ってるじゃん。しかも眼鏡に関しては大学の時に作ったヤツみたいだし。コンタクトの処方箋は期限が短い。それに処方箋って眼鏡のと違うからなここはちゃんと視力検査して眼鏡新調させないとな。いやコンタクトの方もかぁ俺じゃどうしようもないな……そうだ

    「なら黒曜に一言いっとくかなぁ」
    「!?ヤッ、ヤメてくだせぇよっっドヤされる」

     へそを曲げて見向きもしてくれなかったのに流石は黒曜だ。正攻法ではないが真っ当な言い分をした所で堂々巡りなのは目に見えている。ロッカーを閉め眼鏡を直し、歩く度ズレる眼鏡を大牙は気にして進む。

    「ちゃんと見えてる?」
    「見えなきゃ帰れんでしょ」
    「だから…送ってくよ」

     俺は大牙から眼鏡を取り上げる。あっと拍子の抜けた声をさせて大牙は視線のやり場を失い下を向いてしまう。

    「度数はどうもできないけど…応急処置な」

     踏み潰したように歪んだ金属を折らないようにそっと元にあっただろう位置に伸ばしてやる。後は大牙に掛け直し正面から左右のバランスを比べて様子を伺う。

    「どう?鼻痛くない?まだぐらつくかな」

     掛けた眼鏡が落ちないかどうか空を見上げたり地面をみて顔を上げたかと思えば左右を振り向いて俺を上目遣いで見つめてきた。

    「凄いすね…直ったわ」
    「直ってはないよ、それやっぱりレンズ重いから直ぐにズレると思うしな」

     いつ空いてる?非番の日、俺もちょうど新しい眼鏡見に行きたかったんだよなとかなんとか一日かけて眼科、眼鏡の見立て、コンタクトも然り。

    「こりゃ大牙に一日付き合わないとな」
    「どっちが…どっちがメインよ?あんたさんヤケに浮かれてねぇーす」
    「そー見える?!でも自分の探すのは簡単だけど大牙に似合うの見つけるのとか新鮮」

     一緒に買い物とか凄く浮かれてしまう。スクエア、ウェリントン?それじゃ無難か、でも大牙にはその辺りが似合うと思うんだけどな

    「メガネ屋の前に先ずは眼科っしょ?」
    「わかってるって、おっ!行く気になったか」

     拳を作って大牙のヤツ徐ろに脇に入れてきたもんだから避けきれなかった。振り向けば頬を軽く膨らませて眉間にシワを寄せていた。攻撃されたのこっちだけど不機嫌な顔を見せてくる。

    「銀星も眼鏡新調するんすか?…なら俺が付き合ってやらんとでしょ、ぼっちはやでしょーよ」

     大牙は勝ち誇った顔でニヤリと今度は尻に蹴りを入れてきた。

    「暴力反対!!それにこっちの台詞だからな」
    「放っといたらお互いぼっちなの変わらんし…予定スッカスカだからっしょ?どーせ付き合ってくれんの」

     マジコイツ悪意あるわ

    「なら非番の日、暫く俺に付き合ってくれる?どーせ暇なんだろ」

    猫のように曲がった背に一発平手でお見舞いしてやった。驚いて飛んだ拍子に大牙の眼鏡は宙に舞う。

    「ぅわっ!?っぶねぇーっっ」

     そこは日頃のレッスンの成果が物を言い落としかけたのを未遂で終わった。

    「ゔっ悪ぃ」
    「鬼ぃ!!」
    「泣くなよ」
    「泣いてねぇし」

     ちょっと涙目になった大牙に罪悪感を感じたのは一瞬でやっぱり放っとけなくて頭をぽんぽんしてた。俺には弟はいないけど居たらこんな感じだろうか

    「泣いたら前見えなくなるぞ」
    「いーすわ、どーせ銀星が送ってくれるんすもん」

     やれやれ機嫌がなかなか直らないなぁ。そう思いながらもう一度、大牙の頭をぽんぽんと撫でた。




    〔おわり〕
     
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