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    Si__Vales_Valeo

    またお話書き進めてます〜4万字くらいになりそうなので前後編にするかな…と考えてます。
    複数ページにしたいのでアップはpixivになると思います。

    とか書きましたが、短いお話書いたのでこっちにupします。

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    Si__Vales_Valeo

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    ポカぐだ♀ です。
    クリスマスイベント、これで終わりなの?終了の時間、不穏じゃない?ということで、イントロダクションになるかもしれないお話を書きたかったのでした。
    イベント終わる前の今しかアップできないですからねっ!
    このお話じたいはほのぼのです。
    クリスマスマーケットのグリューワインの話、エモくて好きなんですよね。

    #ポカぐだ
    pokaguda

    ポカぐだ♀ / ほのぼの / クリスマス・マーケットへ行こう! なお話トントゥたちの工房を訪ねてみたところ、そこで魔物の襲撃から工房を守っていたのはテスカトリポカとウィッツィロポチトリだった。

    ラップランド……今回の特異点を訪れているのはサンタ・サーヴァントたちだけじゃないとは聞いていたけれど、テスカトリポカもそのひとりだとは予想外だ。
    だってあのひと、アステカの全能神だし。今はメキシコにもクリスマスは伝わっているだろうけれど、違う文明の……それも侵略者たちのお祭りだ。あんまり気分のいいものじゃないんじゃないかな? なんて思ったんだけど、そんなことは杞憂だったみたい。
    メリー・クリスマス! ってお祝いの言葉ももらったし、彼らなりにこのお祭りを楽しんでいるみたいだ。
    ……とはいっても、なんか、言葉の端々からおカネのにおいがすっごいするんだけど。



    クリスマス、ふつうにたのしいのになぁ。



    トントゥたちの工房に現れる魔物たちを退治して、空のかけらも手に入った。空のかけらは危険なものみたいだし、わたしたちはいったんロウヒの待つ市場へと戻ることになった。
    今回見つかったかけらを彼女に預け次第、再びかけらを探しに特異点を巡るつもりだ。

    テスカトリポカとウィッツィロポチトリにこれからどうするの? と聞いてみたところ、彼らは工房から出るつもりはないみたい。
    子供たちへの玩具を作りその余りを用いたビジネスのことを考えていて、とても楽しそうだ。



    一緒に行かない? ……って言いたかったけれど、商売のことで熱くなってるテスカトリポカの顔を見てその言葉は引っ込めることにした。
    だって、いいぜってついてきてくれたらわたしはうれしいけど、無理矢理付き合わせちゃったら悪いし。断られるのもかなしいし。

    それに寒い中ずうっと連れ回すのはからだがツラいかもしれない。寒さに慣れるので手一杯って言ってたし。
    もしかしたら、工房に残るのはここに暖炉があることも理由のひとつかもしれない。
    中南米の神様だものね。寒いのはあまり得意ではないのかも。
    そう考えるとやっぱり、一緒に行こう? って誘わなくてよかったんだよって思えてくる。
    お腹出てる姿で、寒い寒いって震える彼を連れ回すの、申し訳なさすぎるよねぇ。



    今も楽しそうなんだけど、なんだかちょっと、さみしいなぁと思ってしまった。

    いままでのクリスマスもテスカトリポカとはずっと一緒に過ごしてきたけれど、戦闘中に簡易召喚で来てもらうばっかりでクリスマスらしいことをした記憶がない。いつも申し訳ないなぁと思いつつも、体力の続く限り戦って魔力が切れたら還ってもらって、果実をむしゃむしゃ食べたらまた来てもらって戦っての繰り返しだったから。

    せっかくラップランドに来てるんだもの。クリスマス、満喫してほしいじゃない?
    キラキラ輝く装飾で飾り付けして、お菓子とご馳走を用意して。クリスマス間近のまだかなまだかなってワクワクする感じ。楽しんでもらいたいなぁ。



    じゃあまたね。と、さらりとお別れするのは味気なさ過ぎて、つらつらと考えてしまう。
    なにかいいアイデア、ないかなぁ? テスカトリポカもノってくれそうな、もっとクリスマスらしい過ごし方。
    ううんと唸り、頭を巡らせる。なにか閃かないかな? とロウヒが待つ市場を思い浮かべた。

    大きなクリスマス・ツリー。ランプの明かりで装飾が輝く露店。スウィーツの甘い香りと……そうだ、あれだ!
    ピンと閃いて、わたしはテスカトリポカの前にぴょんと飛び上がった。

    「せっかくだから、あとでクリスマス・マーケットへも遊びに来てね。ホットワインがあるから、屋外でも凍えないで済むと思うんだ」

    クリスマスのためのアイテムが並ぶ市場は次の商売のためのマーケティングの参考にもなるだろう。
    お酒は好きだろうし、なによりスパイスたっぷりのあたたかいワインは彼の好みに合いそうだ。バレンタインの時に用意してくれたホットチョコレートもスパイスたっぷりで、からだがほかほかしたもの。
    運搬用のソリに乗せてもらえたら、市場へ行ってちょっと楽しんで、からだが冷える前にまた工房へ戻れるよね。

    我ながらいいこと思いついたと思う。
    そうだよ。わたしたちと一緒に行動しなくても、クリスマス、楽しめるじゃない。

    ……一緒じゃないのは、やっぱりちょっと、残念だけど!



    「そりゃあいい! ここは寒くて敵わんからな。スパイスの効いたワインはからだをあたためるのに最適だろう」

    この提案はテスカトリポカに刺さったらしい。口の端を吊り上げて、大きな口がニヤリと弧を描いた。
    よかった! 提案一発で笑顔を引き出せて、わたしもうれしくなって頬が緩む。
    にまにましているわたしを覗き込んでテスカトリポカが言葉を続けた。

    「その時はもちろん、おまえさんが付き合ってくれるんだろう?」

    「えっ」

    え? でもわたしと一緒じゃあつまらなくない? お酒飲めないし、このロウヒの呪いで小さくなったからだは見るに堪えないって言ってたし。
    ぱちぱちと瞬くわたしをテスカトリポカがじぃっと見下ろしてくる。返事を待っているみたいだ。
    わたしは慌てて胸の前で両手を振った。

    「わたしはいいよ。お酒飲めないし、特異点を解決しないといけないからすぐに旅立つし」

    息抜きがてら楽しんで来てよ。
    そう言うとテスカトリポカはあからさまにムッと顔を顰めた。

    「なんだ。デートのお誘いじゃないのかよ」

    「デ……!? ち、ちがうよ!?」

    溜め息交じりに嘆くように言われて、かぁぁっと頬が熱くなる。

    デートっ!? デートって!!
    そんな残念そうな声出すなんてなにごとっ!?

    都合のいい夢でも見てるんじゃないかと思って、頬を両手で包む。ひんやり冷たい手先に頬の熱が気持ちいい。

    あったかい。
    ……夢じゃないっ!?

    慌てふためくわたしを見下ろし、テスカトリポカは喉を鳴らして笑った。

    「アレはなぁ、親密なふたりがデカいカップ片手に『寒い寒い』って言いながら市場を回る、その時間を愉しむためのアイテムなんだぜ?
    ひとりで飲むものじゃないのさ」

    「へぇ……」

    そうなんだ。知らなかった。
    時間をたのしむって、なんだかおしゃれでロマンティックだ。
    たしかにクリスマスパーティも楽しいけれど、マシュや小さなサーヴァントたちとワイワイ言いながらクリスマスパーティの飾り付けをする時間もとっても楽しい。
    その大人バージョンなのかな?

    ……なんで知ってるんだろう? ビジネスのリサーチかな?

    「じゃあウィッツィロ……」

    「し・ん・み・つって、言ったよな?」

    妹さんと……という提案は、言い終わる前にとげとげしいツッコミに被せられてしまった。
    えぇ……兄弟なんだから親密じゃん?

    首を傾げるわたしにテスカトリポカは何故か呆れ顔を向け、それからんんっと喉を鳴らした。

    「……おまえさんには、スパイスが効いたホットチョコを用意してやる。前に飲んだことがあるだろう?」

    問いかけられてコクリと頷く。
    それを見てテスカトリポカは少し笑った。

    「メリー・クリスマスと言い合って終わりじゃあ味気なさ過ぎる。そう思ったのはおまえさんだけじゃあないって事だ」

    その声も、笑みを湛えた表情も穏やかで。わたしの心はじんわりとあたたかくなっていった。
    何したら楽しいかな? 笑ってくれるかな? っていろいろ考えてみたけれど、テスカトリポカも楽しむことを考えてくれてたなんて、ちょっと、いや、かなりうれしい。

    しかもふたりで、だよっ!?
    ふたりで回ろうって、それデートじゃんっ!!

    きゃー! かっこいい! わたしの神様、スパダリすぎるっ!

    「きゃーっ! マシュー!!」

    ひとりでは耐えられなくてマシュを呼んだ。
    マシュも真っ赤な顔できゃーっ! と叫び、駆け寄ってくる。じっとしていられなくて、ふたり手を繋いできゃーきゃー言いながらぴょんぴょん跳ねた。にまにましすぎて、ほっぺた痛い。



    わたしたちの様子を見てテスカトリポカは呆れた様子で腕を組んだ。

    「しかしその拉げた姿じゃあホットチョコも飲めねぇな。はやく片をつけてこい。
    ……そうだな、日にちを決めよう。クリスマス・イヴに迎えに来い」

    「はいっ!」

    飛び跳ねながら敬礼する。
    締め切りぜったい厳守! そう表情をキリッと引き締めたつもりだけれど、すぐに締まりのない顔に戻ってしまって口角が上がっちゃう。

    わたしとマシュの喜びの舞に再び工房を稼働することができることになったモイたちも加わり、工房は一時賑やかになった。






    「それじゃあまたね! 特異点、爆速で解決してきます!」

    ソリに乗り工房の前に立つテスカトリポカとウィッツィロポチトリへ向かって叫ぶ。
    ふたりは手を振って応えてくれた。

    「よかったですね。先輩」

    隣でにっこりと笑うマシュの言葉に照れくさくなって、へらりと笑って応える。

    「あとでみんなで回ろうね。マシュもアビーも、美味しいものたくさん食べよう? ロウヒも誘って!」

    特異点解決のあと、帰還までしばらく時間があるだろう。女の子たちでワイワイ回るのも絶対楽しいもの。可能な限りめいっぱい楽しみたい!
    わたしの提案にふたりは顔を輝かせた。あれ食べよう、これ買って帰ろうと、話が弾む。

    「クリスマス、楽しみだね!」

    陽を浴びてきらきらと輝く雪原をソリが走る。まだ始まったばかりのかけら集めの旅はまっしろな雪原のように輝いていたのだった。
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    Replies from the creator

    Si__Vales_Valeo

    DONEポカぐだ♀ です。OVER THE SAME SKY最高でした運営様先生ありがとうございました。

    前にテさんがマスターを夜明けの太陽になぞらえる話を書いてたので、うれしかったです。
    https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=20228698

    声だけでテさんの隣にぐだちゃんがいる、身長差があるってわかるの、プロの方はすごいですね。。
    ポカぐだ♀ / ほのぼの / OVER THE SAME SKY闇夜を裂く明るい髪のあとをゆく。

    いつもならば途切れることのない車列は見る影もない。
    街は静まり返っていた。
    カランコロンと、二人分の足音が奏でる小気味良い音だけが闇の中に響いていた。

    夜が一番深くなる時刻。マスターが言うには、この季節ではこの時間が一番過ごしやすいらしい。
    なるほどたしかに昼の焼け付くような暑さは影を潜め、肌を撫でる風も、湿り気はあるがマシなものだ。じっとりと纏わりつくような不快さはない。
    空からも足元からも炙り上げられ、立っているだけで汗をかく日中とは大違いであった。

    オレの国も夏は高温高湿であるため慣れてはいるが、好きかと問われれば否である。不快であることに変わりはない。
    空調が効いた部屋で冷えた麦酒でも飲みつつ、陽炎立つ窓の外の景色を眺めているほうがいいに決まっている。
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    Si__Vales_Valeo

    DONEポカぐだ♀ です。
    季節感度外視ですが、ほのぼのいちゃらぶが書きたかったので書きました。
    寒がって震えてるテさんの耳引っ張って「どう?あったかい?」て聞くぐだちゃん見たい。テさんはサーヴァントだから効かねぇだろとか思ってそうだけど、ぐだちゃんの好きにさせてるといいなと思います。
    ポカぐだ♀ / ほのぼのイチャイチャラップランドの森で過ごすクリスマスももうすぐおしまい。トントゥたちやクリスマスマーケットともお別れだ。
    レイシフトの準備が整うまでは好きに過ごしなさいと新所長からお許しが出たので、マシュやロウヒ、アビーたちと食べ歩きしたり、ツリー用のオーナメントを買ったりして残りの時間を過ごしていた。

    きらきらきれいなツリーを眺めて、美味しい屋台を回って。トントゥたちと歌ったり踊ったりして。
    みんなではしゃいで笑い合って、広場で過ごすひとときはまるでひとときの夢のよう。

    すっごい楽しかったから、つい考えてしまったのだ。
    あのひとと一緒に同じ時を過ごせたらいいのにな……って。



    誰って? もちろんあのひとです。
    子供受けがいいからってオセロトルの戦士の装束姿になったり、せっかくのクリスマスなのにやっぱり商売のことばっかり考えてるひと。
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