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    daihuku_huku45

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    daihuku_huku45

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    いちごたんで書いたけどいちごたんとは?となった。妖バース薬師白さん時空だけど薬師のお仕事もしとらんし、妖バース要素もちょっと!
    🍓誕生日おめでとう!

    7月15日。
    この日は九龍城にとって特別な日である。普段大人しい奴等もバカ騒ぎをしており、今日一日中バカ騒ぎをするから仕事をしない奴等が多くこの日だけは外から客が来る事があまりない。この日を狙って来る奴はいるが、やる事は普段と変わらない。悪意がある者は潰され善意がある者は通される。ただそれだけだ。
    俺も客が来ないと踏んで店を閉め何処かに出掛けようかと思ったが、九龍城住民から盛大に祝われている本人が朝から店じゃなく店の上にある居住スペースの方をノックした事で出掛ける予定は無くなった。
    さすがに今日の主役を家に置いて出掛けるわけにもいかねえし、何処に行くって決めてた訳じゃないからいいんだけどな。
    ノックされるまで寝てた俺は寝巻きの長袍のまま一護を中に通して茶と茶菓子を出した。
    一護が茶と菓子を置いた卓の椅子に座ったのを見て別室に行き身支度を整える。流石にあのまま目の前の椅子に座る事はしたくねえ。
    「白の家にこんな卓あったか?」
    「お前んとこの側近と護衛が持ってきた。俺の部屋を勝手にデコるのやめろって言っとけ」
    王である一護がよく来るからか過ごしやすいようにと絨毯から始まりクッション、卓に椅子と持ち込まれている。次は寝具かとこの前ボソッと言ってたのが聞こえたから本気でやめてほしいとこだ。
    思い出してゲンナリしながら普段着の袍に袖を通し一護のいる部屋に戻れば茶菓子を食べ終わって茶を啜ってるところだった。一護のお茶を継ぎ足し、自分の茶も用意して卓を挟んで目の前に座る。
    「それで、朝からどうした」
    お前を祝いにくる奴がいっぱいいるのに此処に来てたら会えねえだろ、なんて野暮な事は言うつもりはねえが一護にしては珍しい行動だとは思う。
    ジッと眺めてればうーだのあーだの煮え切らない態度をしたが一息つけば睨みつけるような強い瞳で俺を見た。
    「白に、誕生日プレゼントを貰いにきた」
    「へえ、お前がねェ。珍しいこともあるもんだ」
    コイツが何かをねだるなんて天変地異の前触れか?まあ、天変地異の前触れでもコイツが何かを望むなら俺はそれを叶えるだけ。
    椅子から立ち上がり一護が座る椅子の横に跪き、一護の片手を取り男らしくなりつつある手の甲に自分の額を当てる。
    「我が王のご生誕お慶び申し上げます。私がご用意出来るものであればなんなりと申し付けください」
    「…白が欲しい」
    「へいへい。で?」
    額に当てていた手をペイッと投げて再び目の前の椅子に座れば一護はさっきまで俺が居た場所と俺を交互に見て眉尻を上げた。
    「雰囲気!雰囲気ブチ壊れんの早過ぎだろ!」
    「俺等らしくていいんじゃねえの」
    ニヤリと笑ってやれば不満ですという表情で顔を逸らした。
    「本気にもしてくれねえし…俺は白をもらいにきたのに」
    ズズッとお茶を啜る一護は眉間に皺のよった顔なのに悲しそうな顔をして弱々しく呟いた。その内容に本気だったのかと驚いたが、一つコイツ知らないんじゃないかと思い当たる事があった。
    「あ?ああ、お前もしかして知らねえのか」
    「何をだよ」
    「お前俺の鱗持ってるだろ」
    「おう。大事だから御守りに入れてる」
    首元を緩め首の掛かった紐を引っ張りその先に付いた御守りを取り出す一護に、そこまで大事にされてんのかと口角が自然と上がる。
    「自分の鱗を相手に渡す行為は求愛であり求婚なんだって知ってたか?」
    「は?」
    「最初はお前がねだった、そして俺はその数年後もう一枚お前に渡した。これがどういう意味か分かるか?」
    最初の一枚は小さいお前が俺の姿を見て綺麗だから欲しいとねだって渡した物ではあるが、二枚目は俺から一護に渡したもの。
    「お前は俺に返事を返してないのに誕生日だからと俺だけを貰うのか?それはそれでいいけどな」
    王っぽくていいじゃねえか。と笑えば一護は目に見えて焦り出した。おもしれェ。
    焦って頭が回ってなさそうな一護を見ながら温くなったお茶をゆったりと飲んでいたら忙しなく動いていた瞳が落ち着き、コチラに向いた。
    「白が俺を、もらってくれんのか?」
    「お前が良いなら俺がお前を貰うし、俺はお前にやるよ」
    茶杯を置きそう言ってやれば一護のアンバーの瞳から一粒だけ真珠のように綺麗な涙が流れた。
    ほんと器用な事をする奴だな。泣くならもっと泣けばいいのによ。
    「俺はお前の、お前だけのものだ。それでお前が俺のものになるなら覚悟しろよ。お前の我儘も弱音も全部俺のものになるんだからな」
    手を伸ばし一護のまだ柔らかさがある頬を指先で撫でれば、その手に一護は手を重ねニッと太陽のように笑った。
    「上等!お前も俺のものになるなら全部、ぜーんぶ俺のだからな!覚悟しろよ!」
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