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    daihuku_huku45

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    daihuku_huku45

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    若頭要素のない🍓としょた白くん。
    寝落ちて消してしまったけど、生き残った部分。

    白くて小さい子供が差し出された時、頭が真っ白になった。
    この職業をしてればたまに起こる、見る光景だけど今回は思考が止まった。白い髪が所々赤く染まり怪我や痣が顔にも体にもあるぐったりした子供が親から差し出される。借金のカタにと。
    その子供は、雨に打たれてた俺に傘を差してくれた子で…そこから少し交流を持って、この前ぎこちないながらも笑顔を見せてくれて嬉しかった思い出が塗り潰される感覚に陥った。
    土下座して子供を差し出す奴等を見下ろし、膝をついて床にぐったりと倒れている子供の背に腕を回し抱き上げる。服に隠された部分はどこに傷があるか分からないからと慎重に抱き上げた身体から、赤い液体が滴り落ちた。さっきまで横になっていた場所に目を向ければ赤く染まっていて、白くなった思考は今度は真っ赤に染め上げられる。
    暴力的な感情と、逆に冷え切った部分が鬩ぎ合い子供を手当するのが先だと一歩後ろにいる男に声を掛ける。
    「石田。絶対に、楽にさせるな」
    「分かってるさ。子供をこんな風にした挙句差し出すような奴等を僕が許すとでも?」
    腐った奴等を石田に任せて子供を抱いて先に車に向かう。
    「此処に茶渡君じゃなく僕がいたのが君達の運の尽きだ。まあ、いくら優しい茶渡君でもこんな事する奴等は許さないだろうけどね」
    聞こえてきた冴え冴えと冷たい声に同情も何も湧かない。自業自得の結果だ。


    「シロ」
    初めて会った時名乗ってくれた名前を呼ぶが瞼は閉じたまま反応は返ってこない。息はかろうじてしている状態で、か細く耳を澄ませてもあまり聞こえない。
    「浦原さんを呼んでおいたが、良いんだろう?」
    「ああ、あの人なら安心して診せられる」
    運転している石田に答えながらシロの首筋に手を当てる。微弱ながらも脈を感じられれば安心できる。
    浦原さんは普段はそれはもう胡散臭えけどこういう時は頼りになる。親父と旧知の仲らしく昔から知ってるが、何かを頼んで失敗した事はない。
    だから、シロも大丈夫だ。大丈夫。



    あれから浦原さんにシロを診てもらって、縫う箇所があったが綺麗に縫えたから目立たない程度にはなると言われた。その日から数日熱が出たがそれも治まり、あとはシロの意識が戻れば大丈夫という事らしいが目覚めない。浦原さんによれば心が休息を求めてるんでしょうって事らしいけど、心配になる。
    小さな布団の横に腰を下ろし、布団から出ているシロの小さな手を握って指先で撫でる。ヒヤリと冷たい手を温めるように握ってると、指先がピクリと動いてシロの瞼がゆっくりと開いた。
    「シロ…!」
    「…クロ?」
    俺に目を向け俺が名乗った名前を呼ぶシロに笑みが溢れる。
    良かった、目が覚めた。
    今すぐ抱きしめたい衝動を抑えてジッと見つめる。
    「体はどうだ?どこか怠いとこだったり、痛いとこがあれば教えてくれ」
    「…よく、わかんね」
    いたくないときが、なかったし。
    そう言ったシロに俺の笑顔は固まった。
    ああ、石田に伝える事が増えたな。
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