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    matubahuki_2go

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    ヨ●ンタの空白の25年間の捏造IFです。
    チ。原作のネタバレがあります。

    #ヨの25年間

    その7「 ヨレンタがポトツキ&コハンスキと出会う」 ポトツキと呼ばれる初老の男は、ヨレンタをじっと見た。
    彼の目は冷たいようでいて、どこか温かさを含んでいるようにも見えた。
    ヨレンタは必死に心を落ち着けようとしたが、体は震えが止まらない。

    「名前は?」
    ポトツキの問いかけは簡潔だった。

    「ヨ、ヨレンタ……」
    震える声で答えると、ポトツキは少しだけ眉を上げた。

    「ヨレンタ、君はここで何をしていた?」

     どう答えるべきか迷った。
    嘘をつくべきか、それとも正直に話すべきか。
    しかし、彼らの雰囲気は、下手な嘘を見抜くような鋭さを持っていた。

    「……逃げていたんです。」
    ヨレンタは意を決して答えた。
    「追われていて……森を彷徨っていたら、小屋を見つけて……ここにたどり着いたんです。」
     その言葉にポトツキは目を細めた。
    一方、コハンスキと呼ばれた若い男は苛立たしげに肩をすくめた。

    「先生、こんな話を信じるんですか?もしかしたら、敵のスパイかもしれない。」
    「いや……」
    ポトツキは腕を組み、ヨレンタを頭から足の先まで観察するように見た。
    「この子はスパイではない。ただの逃亡者だ。」

    「どうしてわかるんです?」コハンスキはなおも疑いの目を向ける。

    「直感だ。それに……この目を見てみなさい。
    何かを失い、恐れ、それでも生き延びようとしている目だ。」

    ポトツキは、ヨレンタの顎をつかんだ。
    そして上下の唇を指で開かせ、ヨレンタの歯茎をみた。
    「歯が抜けている……もしかして拷問でやられたのか?」

    「ううっ……!」
    ヨレンタはその言葉に胸を締めつけられた。
    自分でも気づかぬうちに涙が頬を伝っていたのだ。

    「で、君はどこから逃げてきたんだ?」
    ポトツキが再び問うた。

    「……異端審問所から。」
    そう答えた瞬間、二人の顔が変わった。
    「異端審問所だと!?」
    ポトツキの声には鋭い興味が宿った。

    「まさか……、そんな事が。どうやって逃げた!?」

    ヨレンタは拳を握りしめた。
    「異端審問官の一人が、私を馬に乗せて逃がしてくれました……。
    たぶん、彼は殺されました。
    私は……私はただ、生き延びるためにここに来ただけなんです!」

    その言葉を聞くと、ポトツキは深いため息をつき、静かにコハンスキに命じた。
    「この子を連れて行こう。」
    「先生、本気ですか?彼女を信用するのは危険です!」

    「危険であろうと、この子はただの犠牲者だ。助ける価値はある。」
    ポトツキの声には強い意志がこもっていた。

    コハンスキは不満げな表情を浮かべつつも、それ以上反論はしなかった。

    ポトツキがヨレンタに近づき、優しく肩に手を置いた。
    「さあ、立って。私たちと一緒に来るがいい。
    ここにいては、追手に見つかるだろう。」

    ヨレンタは一瞬迷ったが、他に選択肢はなかった。
    彼女は小さく頷き、二人についていくことに決めた。

    こうしてヨレンタの新たな旅が始まった。
    ポトツキとコハンスキ――――謎の二人組とともに歩むその先には、彼女の運命を大きく変える出会いと試練が
    待ち受けていた。
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