その8「ヨレンタと、ポト&コハン 2」 ヨレンタは、二人の間に挟まれる形で夜の森を歩いた。
先頭からコハンスキ、真ん中がヨレンタ、最後尾がポトツキだ。
森の奥深くには、夜の静けさが広がっていた。
二人は言葉少なに、ヨレンタの様子を窺うだけだった。
(私、これからどうなるんだろう……。
彼らを信用していいのかしら? 最悪、売春宿に売られるかもしれないけれど、もう、疲れた……。)
彼女の中には、疑念と恐怖が渦巻いていたが、今はただ付いていくしかない。
彼ら三人は、藁ぶき屋根の小屋に戻った。
コハンスキが蠟燭に火を灯すと、室内がよく見えた。
小屋の外見はボロボロだったが、中は意外にも整然としていた。
奥には暖炉があり、煮炊きする大きな鍋が天井から吊り下がっていた。
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