その7「 ヨレンタがポトツキ&コハンスキと出会う」 ポトツキと呼ばれる初老の男は、ヨレンタをじっと見た。
彼の目は冷たいようでいて、どこか温かさを含んでいるようにも見えた。
ヨレンタは必死に心を落ち着けようとしたが、体は震えが止まらない。
「名前は?」
ポトツキの問いかけは簡潔だった。
「ヨ、ヨレンタ……」
震える声で答えると、ポトツキは少しだけ眉を上げた。
「ヨレンタ、君はここで何をしていた?」
どう答えるべきか迷った。
嘘をつくべきか、それとも正直に話すべきか。
しかし、彼らの雰囲気は、下手な嘘を見抜くような鋭さを持っていた。
「……逃げていたんです。」
ヨレンタは意を決して答えた。
「追われていて……森を彷徨っていたら、小屋を見つけて……ここにたどり着いたんです。」
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