ありふれた絶望私は毎日、自分の部屋の隅で蹲る。荒い呼吸を整えている余裕もない。部屋の外からは怒号が聞こえてくる。
「あなた!またパチンコで全部使ったでしょ!!」
「うっせえな、てめぇに言われる筋合いはねえよ!!」
何度こんなことを、聞かされ続けたのだろう。やめてなどと言って、止まるような人じゃない。
怖い、怖い、怖い。痣まみれの腕をぎゅっと握る。
ぎぃ……と扉が音を立て、自室に誰かが入ってきた。顔を上げた途端に、頬に煙が出そうなほどの強さで殴られる。
「さっきからその息がうるせえんだよガキ!!」
耳鳴りがなるような怒鳴り声が部屋に響く。泣いてしまいそうになるが、ここで泣くとまた殴られるのを分かっている。必死に涙をこらえた。
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