幸せのかたち 映写機の回るカタカタと乾いた音。
スクリーンに映し出されるモノクロの無声映画。
古い映画だ。
美しい女性と人ならざる者の禁断の恋。
随分昔に観た時は何故異種族に惹かれるのか、何故障壁を超えてまで添い遂げようとしたのかドには分からなかった。
人ならざる者は寿命は長いが太陽に嫌われ、人は太陽に背こうとしてもその命は短い。
辛いだけだろう。
例え想いあっていたとしても。と。
──子供だったのだな、と思う。
今ならわかる。
どうしてこの映画の二人が苦難とも思える道を選んだのか。
仕方ないことなのだ。
愛してしまったのだから。
「…ところで、ねぇ?退治人君?」
「ん?」
「…何してるのさっきから。」
「あ?聞かなくても分かるだろ。」
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