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    えくれあ

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    えくれあ

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    ふる〜てぃ〜ずの甘酸っぱく…少し苦い。
    そんな秘密の果実を頬張ってみましょう。

    ふる〜てぃ〜ず“きうい” --ずっと、一緒だった。
     両親が共働きで、遅くまで家に帰ってこないことも多かったことから、彼女は近所の従姉妹の家で過ごしていた。彼女も従姉妹も一人っ子。本当の姉妹のように過ごしていた。
     頭の上で括ったシニヨンに、透き通るようなペリドットの瞳。女性らしい柔らかな体つきだが、とても小柄な彼女は翠緑きうい。王立ポームム女学院の高等部3年生だ。その隣を歩くのは、きういと比べるとかなり身長は高く見えるがその身長は平均的で、くりっとしたコンクパールの瞳に桃色の頬。これもきういと比べるとスレンダーには見えるが、やはり柔らかそうな女性らしい四肢が愛らしい、高等部3年生の桃水ももだ。
     幼少期から今までを共に過ごしてきた2人であるが、学院でも大体一緒にいるために学友からは「夫婦か?」とおちょくられるようだが、案外満更でもないらしい。

    「ねね、きぃちゃん。ちわげんか?ってなぁに?」
    「なに、そんな言葉知ってるの。」
    「んもぅ、馬鹿にしないでよ。昨日言われたんだってば〜。」
    「あ、そう。んー、まぁそうねぇ。喧嘩するほど仲がいいってやつよ。」
    「なーんだ!当たり前のこと言ってたのね。ももちゃんにとって〜、きいちゃんは〜、いっちばんの女の子だもん!」
    「ふふ、ありがとね。」

     天真爛漫なももと、頭脳派のきうい。2人で1つのいいバランスで足りないところは補い合ってお互いを支えてきたつもりだった。きういがひとつ納得の言っていないところといえば身長くらいで、ほぼ1年も違うのに小学校卒業する頃には自分のほうが小さくなっていたのだけは気に食わない。

    「最近喘息はどうなのよ。」

     ももは喘息持ちだった。

    「最近?大丈夫よー!きいちゃんに言われた通りにちゃーんとお掃除もしてるし〜。」
    「ほんとにー?」
    「ほんとだってばー!きいちゃんの意地悪ぅ!」

     ももは1度、きういの前で倒れたことがある。
     小さい頃に家の中で遊んでいた時。少し暴れすぎてしまったようで、ホコリがたってしまったらしい。それを吸い込んでしまったももは発作を起こし倒れてしまった。それまでにももが発作を起こすところは見たことがなかったし、とても苦しそうな彼女の姿がトラウマになってしまったのだった。その後はきういがももに言われた場所に吸引薬を取りに行きなんとか収まったのだが、その時からももよりも少しだけお姉さんであるきういがしっかりしなくてはと世話をやくようになった。

     彼女の笑顔は私が護らなくてはならない。

     両親がいなくて寂しい夜はいつも一緒にいてくれて、ぎゅっと抱きしめてくれた彼女。その桃色の笑顔。それがきういの一番好きな顔だ。

    「また一緒のベッドで寝ようよ〜。」
    「嫌だよ、ももちゃん寝相悪いもん。」
    「けちー!」
    「その前に寮で一緒の部屋でしょうに……。」
    「きいちゃんはちっちゃくて、おっぱいふわふわだからいい抱き枕になるんだもん。」
    「不名誉!」
    「よーし、毎週月曜日はういももハグっとデーに決まりー!」
    「私の意見は?」

     そんなやり取りをしつつ、まあそれも悪くないかと本人は思っているのだからかなり甘いのである。

    「これからも一緒にいてね?ももちゃん1人じゃ寂しい!」
    「急にどうしたの、そんな事しないよ。」

     私がずっと、そばにいるよ。大好きなももちゃん。
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    注意⚠️:架空の団体が登場します。なんでも許せる方向け。
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    「なんだ、ペティ」
    UFORUで珍しく客が途切れ、大した会話もなく2人で食器やカトラリーを片付けていた時に、ペティの呼びかけによってその沈黙が破られる。
    ペティはそのまま手を動かし続けながら言葉を続ける。
    「科場さんは…ペティが黒になるかもしれない、と言ったらどう思います?」
    科場は手を止めた。あのとき…ケンシロウ襲撃の前後で何度も何度も考えたことだ。
    この街では白市民の証明である白市民パスを持っていてもバレないように犯罪をしたり黒市民に協力をしたりしている住民が一定人数いる。それはMOZU内外にもいるため、科場がよく知らないわけではなかった。
    ケンシロウ襲撃の際には、ペティが明確な殺害依頼を科場に出し、それに承諾して実行したため、実行犯は科場であってもペティは共犯になる可能性がある。自分の手を汚していないだけでやっていることは犯罪である。しかし、その犯罪はバレておらず、ペティは未だ白市民として活動している。その前置きがあった上でペティが「黒になるかも」と発言するのには何か深い理由があるのだろうと科場は察した。
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