ふる〜てぃ〜ず“マヨ” ずーっと、見ていましたの。
選んでくれたその日からいつも一緒で、他の子たちとは違って上手くお喋りは出来なかったけど、それでも一緒に過ごしてきた。1羽と1人。
1羽は思いを伝えたいと思っていたが、1人が大きくなるに連れて家にいる時間も短くなって、初めて外に連れ出された。
--ああ、マヨはもう要らない子になってしまったのですね。
そう考えている1羽は途端に眩しくなった視界に気を失った。
「マヨ?……わかるかしら?……マヨ?」
「はい、マヨは、大丈夫ですわ。……」
喋れる。あれだけ苦手だったのに。
1羽は……旺橙苺きゃろの愛鳥、マヨは魔法をかけられた。
「有難う存じますわ、お父様。」
「その力で更に活躍してくれ。」
「はい、お父様。」
マヨはきゃろの父であり、ルレギュームの国王に魔法の力を授かったと共に使命を授かった。しかし、それよりもこうやって、きゃろと意思疎通できるのがどれほど嬉しいものか。うっとりとしながら飛び回る。
「嗚呼、こんなにずっときゃろ様といられるなんて……。マヨ、感激ですわ!」
「ふふ、そうですわね。これからもよろしくお願いいたしますね、マヨ。」