僕が想うよりずっと#1 車窓越しの橙色に瞳を貫かれて、ラウダは思わず固く目を瞑った。
メインシャフトを降下中の一瞬の閃きだったにもかかわらず、夕日の残像が網膜に焼き付いて離れない。視神経を通して強烈な不快感が脳へと伝わり、頭の中が不規則に揺れる感覚がより一層強くなる。
間を置かず胃の底が不自然に引き攣り出した。とっさに両手で口元を押さえる。意思に従わない消化器が肋骨の檻の内で好き勝手に蠢いている。みぞおちから込み上げてくる異物感に、全身がぞわりと総毛立った。
腹の中が落ち着きを取り戻し、喉の奥でわだかまる苦痛が緩和される頃には、体中にじっとりと冷や汗をかいていた。
吹き出た汗が薄手のインナーを突き抜けてカーディガンにまで達している。膝上に置いた買い物袋の下では行き場を失った熱がこもって太腿にまとわりついていた。座席の背もたれの狭間で、柔らかな布地が肌に張り付く感触が気持ち悪い。
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