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    hesikirihasebek

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    hesikirihasebek

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    さっきのやつの続きです。

    #タケミチ愛され
    lovedByTakemichi

    加え、今だタケミチに殴られ続ける男だけとなった。
    「タケミっち。どけ。」
    今だ男を殴り続けるタケミチの後ろに立ち、ボソリと呟くマイキー。しかしタケミチには聞こえていないのか、今だ目を見開き、ただ目の前の男を殴り続ける。とっくの昔に意識はもうない。顔面もほとんど原型を留めていない。
    「マイキー。待て」
    ドラケンがマイキーに向かってこえを張りあげるが、マイキーにも声は届かない。
    「タケミっち、落ち着け」
    「タケミっちそれ以上やったらそいつ死んじまうよ」
    三ツ谷とパーちんがタケミチに向かって叫ぶ。それすら聞こえていない様で、今だ殴り続けるタケミチに、三ツ谷とパーちんは後ろから抑えにかかるが、肘で振りほどかれ、そのままの勢いで2人とも飛ばされる。
    「タケミっちマイキー何してるタケミっち止めるぞこのままじゃそいつ人殺しになっちまうぞ」
    ドラケンの声はやはり2人には届かない。
    地獄のような空間に周りの隊員は微動だに出来ずにいた。
    しかしそんな中声を上げたのは千冬だった。
    「場地さん場地さん」
    「…千冬、うるせぇ。」
    場地の声にやっとマイキーも反応を示す。
    「場地さん喋っちゃダメです絶対助かりますから」
    「…オマエ、何言ってんだ?」
    「場地さん…大丈夫ですから…」
    「は?俺は大丈夫だけど?気失うくらいお前も良くなってんだろ。」
    そう言ってムクリと起き上がろうとする場地に千冬が待ったをかける。
    「場地さん起き上がっちゃダメですじっとしててください」
    「だからさっきから何言ってんだよ」
    「場地さん、刺されたんですよ」
    「はぁ刺されたー何言ってんだテメェ」
    「いや、あの男に、刺されたんですだからじっとしててください」
    「だから刺されてねーって。見てみろよどこも血出てねぇから」
    そう言ってさっさと立ち上がった場地に千冬はもちろん周りの人間もピシリと固まるがなるほど確かに、刃物が突き刺さったように破れた真っ白なばあの特服には、小さな血痕はあれど刺されたような大量の出血は見られない。
    「つかお前、オレよりアイツ止めねーとやべーんじゃねーの?」
    「…あ、相棒」
    どうやら刺されたと思っていた場地は本当に刺されてはおらず、ピンピンと今も元気そうだ。その早い展開にタケミチ以外の全員が首を傾げる。と、同時に場地に言われてもう一度視線をタケミチに戻す。タケミチは未だ男を殴り続けたままだ。さっきまでキレ散らかして周りの声も耳に届いていなかったマイキーですら、場地の様子にスっと頭が冷えたようで、先程とは打って変わってタケミチを止める為に動き出す。
    しかし、いくら声をかけようとも、動きを封じようとも、タケミチは止まらない。
    このままだと本格的に相手の生死がマズイ。
    皆に焦りが見え始めた頃、また1人、タケミチに近づく者がいた。
    タケミチの正面にずっと座って、今だ男を殴り続けるタケミチの腕を掴む。
    「タケミチ。ごめん。もーいいよ。」
    今まで何をしても止まらなかったタケミチの腕が、ぴたりと止まった。
    「…」
    「ごめんね。タケミチ。大丈夫。大丈夫だから、一旦戻っておいで。」
    「…かずとら、くん。」
    タケミチにやっと届いた声は、一虎のものだった。
    「うん。タケミチ、ごめんね。でも、もう大丈夫だから。」
    「…ばじくんが…」
    「場地ももう大丈夫。ほら、見てみ。」
    一虎が指さした方に向かってタケミチがスっと視線をあげる。そこにはニカッと笑って場地が立っていた。
    「タケミチ。お前のおかげで助かった」
    「…へ?」
    「これ、ケツポケットに入れっぱだったワ」
    そう言って場地がガサゴソと取りだしたのは、交通安全のお守り。少しだけ刃物の傷が着いてしまっている。
    「それ…」
    「結成記念の、お守り…」
    「場地。オマエ、ずっと持ってたのかよ…」
    「るっせぇよ。」
    そう言った場地がお守りの中からさらに取りだしたのは、六角ナット。
    「…ナット?」
    誰かが口に出した疑問に対して答えたのは一虎の笑い。
    「ハハッ。もしかして、それにあたって刺さんなかったのか」
    「みてぇ…」
    「マジでタケミチのおかげじゃんスゲーなタケミチ」
    「…ほ、ほんとに?ほんとに刺さってないの?」
    「ほんと。お前のおかげ。ありがとな。タケミチ。」
    「…よがっだ」
    そう言って泣き出してしまったタケミチを、一虎がぎゅっと抱きしめた。
    「おかえり。タケミチ。」
    「…ただいま。いつも、起こしてくれて、ありがと…」
    「お前だからここまでしてやるんだからな」
    タケミチと一虎が抱き合っている様子を、創設メンバーは目に涙を貯めながら見守っていた。しかしそんな暖かい雰囲気もつかの間。遠くから聞こえるのはサイレンの音。
    ギャラリーは灰谷兄弟やガリ男の号令で直ぐに解散した。
    東卍も、いち早く反応したドラケンがすぐさま声をかける。
    「東卍もここで解散だ」
    「場地一虎話は後だ取り敢えずずらかるぞ」

    2005年10月31日東京卍會150名VS芭流覇羅300名。
    この類を見ない大抗争は、東京卍會の勝利。
    後に血のハロウィンと呼ばれることとなった。

    ______________________

    「で?オマエらがなんで東卍抜けるとか急に言い出したか、しっかり話してもらうからな。」
    お馴染みの廃工場に集まったのは伍番隊の隊長、副隊長を除く幹部たち。
    全員が見つめる先には真っ直ぐに前を見る場地と一虎がいた。
    「なんでもクソもねぇ。気に入らなかったから抜けただけだ。オマエらが苦労してオレらを取り返しても意味ねぇよ。オレらは自分の意思で東卍を辞めた。戻る気はねぇ。」
    マイキーの問いに真っ直ぐそう答えたのは場地だ。
    「オマエなぁ、もう意地はんなくていいって。」
    「うるせぇ。千冬もタケミチもオマエらも、勝手に決めつけんな。オレらは自分の意思で抜けたんだ。」
    頑なにそう言い張る場地。しかしそんな場地の主張に終止符を打ったのは、やはり日頃からの尋問で言質を取るのには慣れているタケミチだった。
    「じゃ、なんであのお守り持ってたの?」
    「ヴッ。」
    「オレらのこと嫌いになって、東卍のこと嫌になって抜けたなら、あんなのさっさと捨てればよかったじゃん。東卍の事嫌いな奴にとって大した価値なんてないでしょ。なんで肌身離さず持ってたの?」
    「す、捨て忘れただけだ」
    「わざわざ芭流覇羅の特服に入れ替えてまで持ってたのに捨て忘れたさすがに無理あるっしょ。」
    「…」
    確実に逃げ道を塞ぐタケミチの尋問に、馬鹿な場地は太刀打ちできない。言葉を詰まらせて目線を逸らす場地に、フッ吐息を吐いたのは一虎だ。
    「稀咲を、探りたかった。」
    「おい、一虎」
    「もういいだろ。場地。これ以上は俺らだけじゃ無理だよ。」
    「…」
    「一虎、どーゆーこと?」
    マイキーの問い掛けに一虎が続ける。
    「俺と場地は稀咲が芭流覇羅と繋がってると踏んでた。その証拠を掴みたくて芭流覇羅に潜り込んだ。」
    「そんなの、オレらの仕事ですよね?」
    「千冬の言う通りだ。本来は特務部隊の仕事。俺らが噛んだらややこしくなることは俺も場地もわかってた。だけど、稀咲相手なら話は別だと思った…アイツは、危険すぎる。パー。8.3抗争の前、オマエは稀咲にナイフを渡されて、長内を刺すように唆されてたよな?」
    「…確かに、ナイフを渡してきた奴はいた。でも、ずっと俺に背中むけてて、暗かったのもあって顔まではよく見えなかった。」
    「オレもパーちんくんにその話は聞いてた。けど、なんで一虎くんがそれを?」
    「…パーにナイフを渡して、長内を刺すように唆したのは稀咲だ。場地がその現場を見てた。」
    「え」
    「パーの角度からじゃ見えなかっただろーな。でも、オレもちょうどそこを通り掛かって、相手の顔をハッキリと見た。あれは稀咲で間違いねぇ。」
    「東卍に稀咲が入ってきてすぐ、場地の様子がおかしかったからオレが無理矢理聞き出した。誰かに相談するのは俺が止めた。人を使って人1人殺そうとするようなやつだぞ。ガキの喧嘩の範疇超えてる。そんな奴を東卍の、ましてタケミチと千冬の敵に回したくなかった。」
    「「…」」
    「俺はもう東卍には戻れない。でも、場地は戻してやって。」
    一虎の告白に誰もが黙る中、一虎の言った一言に今度は場地が食いついた。
    「はなんで急にそんな話になんだよ。」

    「俺は、今回の抗争で2人殺すつもりだった。」

    「「は」」
    一虎の更なる告白に全員の声が重なる。
    「1人は稀咲。芭流覇羅に入ったのは保険だ。もし、稀咲がまじでやべーやつだったら最初から稀咲を殺そうと思ってた。東卍に居ながら稀咲を殺したら東卍の顔に泥を塗る。それだけは嫌だった。
    もう1人は、場地。オマエだ。」
    「は、はぁ?」
    「俺は場地を殺すつもりだった。」
    「か、一虎くん。」
    「タケミチ。オマエに話したことに嘘はねぇよ。でも、やっぱり俺はオマエを危険な目に合わせるくらいなら、場地を殺す。」
    「…」
    「タケミっち、一虎からなんか聞いてたの?」
    「…抗争で、一虎くんが場地くんを殺さなかったら、俺を殺すって脅されてるって…でも、俺が何とかするから大丈夫って言ったじゃん」
    「…ごめんタケミチ。それでも俺は、オマエを失いたくなった。最低だろ。俺。そんなことしたらタケミチが苦しむってわかってる。分かってても、俺は俺の為に、場地を殺すことを選んだ。」
    タケミチの目を真っ直ぐ見てそう告げた一虎に、誰もが何も言えなくなる中、バゴッという音ともに千冬が一虎を殴った。全員が驚く中、千冬が口を開く。
    「さっきから黙って聞いてりゃ稀咲を殺すだの場地さんを殺すだの…ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃうっせぇよ。アンタなんかに場地さんが殺られるわけねぇだろーが。100年はえーんだよクソ虎くんよぉ。」
    「あぁ」
    「大体よぉアンタと場地さん2人きりで稀咲をどうにか出来ると思ったのかよ場地さんはなぁ、生粋の馬鹿なんだぞ」
    「あぁ」
    「ち、千冬」
    千冬のまさかの発言にメンチを切ったのは急にディスられた場地。タケミチが千冬を呼び止めるが、全くもって聞く耳を持たない。
    「稀咲はめちゃくちゃ頭いいんだよアンタよりも何倍もだなのにアンタと場地さん2人で何とかなるわけねーだろーがむしろ場地さんとタケミっち人質に取られてんじゃねーか…大体、壱番隊は揃いも揃ってなんなんだよなんで全部一人でやろうとするやつばっかなんだ何のために仲間がいると思ってんだよ場地さんもですからねオレらの仕事取らないで貰えますつか俺言いましたよね稀咲がヤベェやつだってのはわかったってなんであん時戻ってこないんすかなんなんすかタケミっちもだ一虎くんにそんなやべーこと言われてたんなら俺にくらい言えよ場地さんもタケミっちも命狙われてたんなら人手多い方が明らかに有利だろーがもーばかほんと全員バカ!マジでバカ」
    「「「…」」」
    「千冬の言う通りだな。」
    「ドラケン…」
    「確かに敵を騙すにはまず味方からって言うけどさ、せめて俺らにくらい言っといてくれればよくね」
    「俺はバカだからよくわかんねーけどさ、
    場地もバカだから難しいこと考えねー方がいいってことは分かるぜ。」
    「つかよぉ、いっつも思ってたんだけどさ、オメーら全員オレとアングリーより年下なんだからよ、もうちょい俺らのこと頼れよなな」
    「いや、スマイリーくんタカちゃんよりバカだから今回はお役御免じゃね?ね?タカちゃん。」
    「おい八戒表出ろや」
    「バカ具合でパーちんの真空の脳みそに勝てるわけねーだろーが」
    「いつの間にバカ自慢になってんの…」
    「一虎、場地。」
    いつの間にかわちゃわちゃといつものように戯れ始めた幹部陣の声を遮って
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