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    棚ca

    @CRtanaaaca

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    棚ca

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    月島えちおねおじさんの濡れた吐息を浴びてえよ

    #鯉月
    Koito/Tsukishima

    鯉月SS 戸を閉めてもザアザアと雨粒が地面を殴る音が聞こえる。鯉登が顔に張り付いた前髪を剥がして、その先端から雫が落ちるのを眺める間に、月島はテキパキと動いた。真っ先に上がっていったと思う頃にはもう戻って来ていて、必要な物を全て持っていた。

    「脱いで、濡れた服はコチラに。コレを羽織ってください。一旦髪だけ拭って、いま湯を用意します」

     まるで鍛錬の一環のような厳格な面持ちで、母のようにアレコレと鯉登を気遣い、様子を確認してくる。乾いた着流しを来た鯉登を脱衣場に押し込む月島はいまだ帰ったときのまま濡れた服を着ていた。

    「お前こそ風邪引くぞ。一緒に入ろう」
    「お気遣いなく、私は平気です」
    「強がるな……と言いたいが、お前は本当に平気なものだから面白くない。クシャミの一つでもしてくれれば可愛げがあるものを」
    「生憎、私のクシャミは可愛くないですよ。さぁ、お一人で気兼ねなくごゆっくり入られてください」
    「私は別に……」

     鯉登は月島の手をとろうとしたが、難なく避けられてしまった。そのクセ、器用に鯉登の服を剥き浴場に追いやろうとする。

    「私が、ゆっくり入りたいんです」
    「二人でもゆっくり入れる……」

     月島のうなじを掴もうした腕はまたひらりとかわされた。振り返った月島が細めた目で鯉登を見据える。

    「それこそゆっくりできないでしょう。ねえ」

     ねえ、の二文字に含まれたあま味に、掠れた語尾に、冷え切ったはずの鯉登の身体がカァと熱くなった。
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    棚ca

    MEMO新刊のあとがきなんですけど、鶴月腐女子ワイのネチョッとした魂が詰まってるのでコチラだけでも楽しんでいただけると幸いです。すぐ「〇〇(推しカプ)は事実で真理」って言うタイプの腐女子を許して…
    新刊あとがき 便宜上、あとがきではありますが、前置きです。鶴月って正史なんですよ。娘を喪った鶴見と父親から虐待されていた月島が、良き指導者と良き生徒という擬似親子をなぞり、二人とも愛する者と結ばれなかった傷を抱えながら戦場で夫婦以上の親愛関係を結ぶ。そこに鶴見は手間隙かけた嘘で月島に鎖を幾重にも巻いている。恋愛と分類するのがかえって躊躇われる重たさですが、特筆すべきはその執着です。
     そもそもで言えば、鶴見が死刑囚の月島を救うために行った偽装工作も大掛かりすぎやしませんか。駆逐艦を持つ将校の子でも第七師団長の妾の子でもない、優秀とはいえただの下士官相手に。月島の有能ぶりに目をつけるのが異様に早いように感じます。死刑囚を釈放させるのも相当な手間だったと思いますし、そのために死体(どこにあった誰のものだったんだろう)を用意して、月島の家の下に埋め、島民の前で掘り起こしている。それを八年越しに明かすために佐渡の人間を用意する。余談ですが、鶴見にここまでされて自己肯定感が下向きに行く月島もある意味才能かなと思います。
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