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    koji_033

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    koji_033

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    探偵パロの裏話など。
    ガンガンネタバラししてますので、まだ本編を読んでいない方はそちらを先に読んでね。

    燐ひめ探偵パロ裏話この度は拙作を読んでいただきありがとうございました!
    お話の裏話的なものをまとめてみましたのでお暇な方はお付き合いくださいませ。

    【話の前提について】
    大前提の話ですが、怪盗R=天城燐音で“R”は“りんね”のRです。ヒメルは一応怪盗の正体は知らないという設定なので、作中ではヒメルの前で“燐音”という名前は出していません。ヒメルは“天城”としか知らないということですね。名前も知らない男と寝るなんて…えっちだな…。
    ヒメルは3階建てのアパートに住んでおり、1階がシナモン、2階が探偵事務所で3階が自宅です。黒うさぎのイナバさんと二人暮らし。
    この建物はヒメルの所有で、ローンの返済に追われているという裏設定があります。なので割と仕事は選ばない感じで…。

    【暗号について】
    今回私が書いた話は盗品の在処を推理している間に要くんが目をつけられてしまうというものでしたが、要くんのくだりは後付けでした。探偵パロを書きたい!と思って始めたものの肝心の暗号がちゃんと考えられるかが最大の問題だったので、まず最初にどんな暗号にしようかなということを考えて、そこから話を膨らませていった感じです。
    とは言え最初にあったのは「女神像から何歩…みたいな暗号だったら、それっぽい数字のヒントが出せれば暗号らしくはなるかな」くらいのものだったので、プロット時点では「何かいい感じの謎解き」程度のことしか書いておらず、いよいよ暗号を考えないと話が進まないな…という状況になってからようやく考え始めました。
    そうして出来上がったのが下記の暗号です。

    “遠き地より来たり 救世の女神

    かがやける庭 ゼラニウムの園
    羽根を畳みて見つむる先に 矢の如く光は射す
    野を駆ける四匹の獣は 狂歌に合わせて踊り
    狩る者の白き尾に二対の翼が続けば
    いちの龍が昇った先で吉兆を得ん

    白亜の塔に二度斜陽の満つるまでに
    彼の地へと至れ
    そこに汝真に望むものぞ有り”

    そもそもなんで女神像かっていうと、謎解きと言えば女神像だというイメージがバイオ(ゲームの方)で染み付いていたので…笑
    そして女神と言えば教会、教会と言えば巽だな!ということで暗号の答えを“風早の教会”にしました。後は文字の頭をつなげると“かぜはやのきょうかい”になるように、且つ文章として成立するように言葉を繋げていきました。答えが先にあってそこに合わせて言葉を集めてきたので、使える言葉の制約がある分逆に作るのは早かった気がします。
    ただ、話を膨らませるためにもやっぱりなんか一捻り欲しいよなと思って、いきなり“風早の教会”を正解として出さずに初めはどの教会のことかは分からないということにしときました。正直ゼラニウムがかなり強引だったので、読者の方にはもしかしたらすぐに“かぜはやのきょうかい”って分かっちゃうかな…という心配もあり、一生懸命それっぽいこと言って誤魔化しましたが。警察は介入しにくいとか国際問題がどうこうとか、国がごちゃごちゃだとか色々…。話を複雑にすることで、実は単純な暗号をなんとか隠せないかな、みたいな。全文公開する前に一度冒頭の部分だけを公開しましたが、その時は暗号部分は公開範囲からわざと外しました。じっくり考えられると答えがバレちゃうと思って…。そのおかげで燐ひめ探偵パロなのに燐音が登場しなくなってしまいましたが…。燐音のシームレスな合流シーンはお気に入りです笑

    ちなみにヒメルが“風早の教会”と気付かなかったことや風早の教会に行くのを後回しにしてたのは、やっぱりヒメルと言えば巽嫌いじゃなくっちゃ、というアレです。嫌いな理由は特に考えていませんがやっぱり要くん関連でしょうか。要くんが推理に参加しているシーンで“教会”の単語が出た時にヒメルが教会の話題から話を逸らしたのは、要くんに巽の話をされたくなかったからです。それと、天城が「要ちゃんがいた方がいい」と呟く場面がありましたが、あれは要くんがいれば嫌でもその内巽の教会が話題に上がるだろうということで、暗号が解けなくても正解に辿り着きやすいからという理由です。後日の兄曰く、巽の教会を避けていたのは別に巽を意識していたわけではなくただ遠かったから、とのこと(嘘)。
    あと、要くんが最初に女神のことをお兄ちゃんだと言ったシーンはなんかこじつけれそうだったので書きました。要くんのポンコツ推理とか可愛くない?と思って。一生懸命兄の役に立とうと頑張る要くんかわいいよ…だから早く起きろ……要……ウッ………。

    暗号の最後を“そこに汝真に望むものぞ有り”としたのは、最初この暗号を考えた時に、辿り着いた先に天城(=ヒメルが真に望むもの)がいるとかそういう風に出来たら洒落てるかしらとか思ってこうしたんですけど、結局それは活かせませんでした。一応本編では暗号を解いた先で要くんと会えてますが。
    暗号まわりはこんな感じで、暗号に合わせて色んなシーンや設定を盛り込んでいきました。書いてみて分かりましたが、推理ものの推理シーンってめちゃ書くのむずいですね…一番の肝なんですが…。書き始めた時は、推理シーンはシナモンではなく実際に教会へ行って推理している風で書いていたんですが、収拾つかなくなったので推理自体はほぼシナモンで完結させちゃいました。現場に行かせるとその場の描写とかも細かく書かないといけないので…推理小説書ける人って凄いっすね。

    【事件について】
    2日目、要くんが貴族に狙われちゃうくだりですが、これはヒメルの推理を邪魔するために入れました。ヒメルは今回も盗品を見つけられないという結末にしたかったので、何かトラブルを起こさないとなと。で、前日までのシーンで要くんを警察署にお使いに出したので、そこで挑戦状の存在が貴族にバレる展開にしよう!と思ってあんな感じの流れになりました。小説を書く時は「大体こんな結末にしたい」というのが最初にあって、その結末に辿り着くために今ある状況の中で一番良い感じに持っていける展開ってなんだろうと考えながら話を作っています。なのでその時思いついた展開の内容と、その展開に信憑性を持たせるための補足でどんどん話が膨れ上がっていくわけです(その結果の3万6千字)。
    話は戻りますが、燐音はヒメルから要が貴族に狙われている件を聞いて激おこ。本来は最初の盗み(仏像)だけの予定でしたが、ヒメルの大事な弟に手を出そうとした貴族に正義の鉄槌を食らわせてやろうと不正の証拠を盗み出すことにします(もともとこの貴族は盗みに入るべき相手かを判断するために不正の証拠の存在なんかは予め調べていたという裏設定)。書いてから気付いたけどこの時予告状出してないですね…うっかり。こっそり郵便受けとかに入ってたということで…。
    不正の証拠がばら撒かれるシーンは、イメージとしては群衆の中で空から降る書類の数々…みたいな感じなんですけど、ヘリコプターもないのに空から紙は降らないんだなぁ。そんな現実的な話はともかく、もしこの話が漫画だったら、盗品を見つけたヒメルと要に燐音が合流したシーンで空から証拠資料が降ってくる場面の回想なんか入れたかったなって。ハラハラと音もなく落ちてくる没落街道への招待状、見上げる群衆、話を聞いたヒメルの徐々に事態を悟って消えていく表情…などなど、小説だと表現しきれない部分も描けたらよかったのに、と。描けないんですわ。漫画やイラストを描ける方はすごい……。

    話の最後でヒメルが“斜陽とは没落のことだったのでは”みたいなのことを言っていますが、燐音にはそんな意図はなく、本当にただの“夕日”の意味でした。燐音が自分でも言っている通り、ダブルミーニングになってしまったのは全くの偶然という設定です。書いている私としては没落の意味での斜陽という言葉を使いたいなというのは割と初期の段階から考えていたので、なんとか捩じ込めて満足です。

    何はともあれ事件は一件落着ですが、貴族の没落の件でヒメルが予想外に落ち込んでしまったので燐音くんは若干焦っておりました。怪盗としては、ヒメルが捜査に参加するようになったことで警察と追いかけっこしていた時よりスリリングになったというか、「あいつやるじゃん」みたいな感じでもっとヒメルと勝負するために挑戦状を出すようになった…みたいな感じだったような(この辺の設定は記憶が曖昧です)。いわばあの挑戦状は怪盗から探偵へのラブレター。だからヒメルがそれに応えてくれなくなったら困るわけです。そこはまぁ、ベッドインという肉体言語で解決するわけですが(急にIQ5のような展開)。
    ヒメルが燐音に抱きしめられたくないシーン…腕の感触で正体がわかっちゃうから抱きしめないでって、えっちくないですか??私こういうの好きなのでお気に入りです。ヒメルは天城の正体を知りたくないんですよ…知りたくないと言うか、確定させたくないというか……だって正体を暴いてしまったらもう一緒になんていられませんからね。もうそれって好きじゃん。なのにくっつかない。キェーーーーー好き!!カップリングの2人がライバルとか敵対関係の話のそういうとこが 好・き です。
    なので、ちゃんとそういう終わり方に持って行けて良かったと思います。まとめるの大変でしたけど…ちょっと長すぎたな…。

    【その他小ネタ】
    ・要くんがニキに出してもらった外国のお菓子はハットケーキです。大正時代のハイカラな食べ物といえばこれだよね。要くんってどういうテンションで書いていいかいまいち分かってなくて、なんか幼すぎたかな…と思ったんですが、かわいいと言っていただけて良かったです。巴さんちでたくさん勉強させてもらって良い学校に入ってお兄ちゃんを助けるのです!

    ・“ニキは燐ひめを知ってる”。ますずし先生との設定会議のメモに書いてあったやつ笑
    ニキは燐音とヒメルが寝てることを知っています。最初の一回はお互い酒に酔った勢いで…だった気がする。本編中でも書いてますが、今回の探偵パロのヒメルは生活がだらしない設定なので。あんなに綺麗なのに私生活がだらしないって…エロいやん?(結論:なんでもエロい)

    ・イナバさんは燐音くんが大嫌い。メルメルに酷いことしてるように見えるからとか、大好きなメルメルをとるからとか…そんな感じで。基本はおとなしくてお利口なうさぎさんですが、燐音に対しては凶暴化します。かわいいね。

    その他にも色んな設定たくさん考えたのですが、今回の話では全部は拾えませんでした。設定会議が楽しすぎていろんな設定がどんどん増殖してしまった笑
    はじめての推理ものだったのでちゃんと書けたか怪しいもんですが、楽しんでいただけましたら幸いです。こんなところまでお付き合いくださりありがとうございました!
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