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    seionyuu_d

    @seionyuu_d

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    列車組と穹の話し合い書くシリーズなのか版

    ジョブ "車掌"のパム、"ナビゲーター"の姫子、"護衛"の丹恒、"なんでもできる"……せっかくだし、役職名っぽく言うと"賢者"のヨウおじちゃん。それからなにより、"勇者"のウチ!列車一行改め勇者一行は、今日も星々を救う旅を続けているのだ!
     そんな勇者の旅路に遂に新しい仲間が加わることとなった。体内に万界を破壊する力を宿した彼は、彼は、え~っと、彼は…………う~ん…………。

    「ねぇ、アンタの役職ってなんだと思う!?」
    「は?」
     列車のソファで寛いでいたところ、突然投げ掛けられた質問に穹は面食らう。
    「役職ってなんだ?なにか列車の業務を担当して仕事しなきゃいけないのか?」
    「あ、違う違う!そういうのじゃなくて、ウチらの役割を漫画とかのポジションに例えて言うとなんだろ?みたいな。あ、アンタにはRPGとかの方がわかりやすいかな?」
    「あー、なるほど」
     RPGのようなものだと言われて穹は漸くなのかの質問の意図を理解する。つまるところ、適正ジョブ(役職)ということだ。そういえば彼女は自分をモチーフにしたweb小説を書いているらしかった、今回の質問もその一貫だろう。
    「そりゃ勇者じゃないのか?俺、主人公だし」
    「ダメダメ!これはウチの為の物語なんだから、勇者も主人公もウチだよ!」
     当たり前のように口から出た提案はこれまた当たり前のように却下された。手厳しい。
    「じゃあなんでも良い。主人公以外よくわかんないし」
    「なんでも良いは一番困るんだよ~!も~!」
    「……」
     つい面倒だな、と思ったのは内緒。
     とはいえ彼女のweb小説でしか自分を知らない人にとって小説内での役職がそのまま自分のイメージになるわけだからなんでもは良くないか、そう考え直して少し真面目に考えてみる事にする。
     ゲームに当て嵌めると現在のパーティー構成は勇者で防御支援のなの、騎士で前衛アタッカーの丹恒、司令塔の姫子、それから賢者のヴェルトさん、だと思う。編成としては回復が薄いと思うが、俺が出来るのは精々探索中に応急手当くらいでパーティーの回復役としては心許ない。
     なによりヒーラーってガラではない、それならまだパムの方がヒーラー向きだと言える。話し掛けるだけで全回復してくれる宿屋みたいな感じだ。
     確かに、なのが悩むのも納得の難しさだ。俺ってこんなに扱いづらかったのかと少し落ち込みながら打開策を考える。難しいのは勇者と役割が被ってるから、勇者は大体汎用性が高くて、ステータスが平均的に伸びて、優秀で、でも育成によっては器用貧乏になりがちで、それから…………、あ。
    「良いの思い付いたかも」
    「え、なになに!?ホント!?早速教えてよ!」
     興味深げにずずいとこちらに顔を寄せるなのにフフン、と人差し指を上げながら穹は得意気に言葉を放った。
    「ズバリ、ライバルだ!」
    「……ライバル?アンタが?」
     思いの外しっくりこない役職になのかは首を傾げる。その反応に穹は解ってないなぁと掲げた指先を左右に振った。  
    「まず、主人公のなのは記憶喪失の美少女で開拓を愛する者である……ここまでは良いな?」
    「そうそう、その通り!だけど、それがウチとアンタがライバルになるのとどこに関係あるの?」
    「そして、俺もまた記憶喪失の美少女で開拓を愛する者である!似た背景を持つ登場人物がなるエモい関係性はただひとつ!――――そう、ライバルだ!」
    「なるほどー!?」
     ぽん、と手を叩いてなのかは納得する。けれどすぐ疑問が浮かんだのか首を傾げた。
    「でもでも、ウチとアンタは仲悪くないけど?ライバルキャラって基本仲悪いのがお約束じゃない?ケンカばっかだけど相性抜群!指摘すると二人ハモって仲良くない!って叫んでくる感じの」
    「そういうライバル関係は確かに多い……けど、一緒に旅しながら切磋琢磨するライバルだってあるはずだ。俺となのはそのタイプのライバルってことだと思うんだよな。ライバルであり、相棒でもあり、掛け替えのない仲間!そういう感じのさ。物語的にも絶対そっちのが盛り上がるって」
    「うーん、なるほど……!言われてみればそうかも!」
     今度こそしっかりと納得したのか、なのかはこくこくと頷いた。
     それに確かに、言われてみればしっくりくるのだ。
     自分達はかなり共通点が多い。いろんなものに興味があるのもそうだし、いろんな人と話したいのもそう。なにより同じ記憶喪失だ、これと同じ悩みを共有できる人なんてなかなかいない。とても似ていて、一緒に切磋琢磨して強くなっていくべき存在。それは確かにライバルとか、相棒とかの枠組みだろう。
    「よーし、じゃあ今日からアンタはウチのライバル役ね!アンタの活躍に負けないように、ウチだって全宇宙で活躍しちゃうんだから!」
    「ふふん、銀河打者に負けない格好いい銀河の名乗りを考えておくと良い、我が好敵手よ……いずれ正面からぶつかり合うその時までにな!」
    「えー、なにそれ、中二病っぽい!もっと王道な台詞ないわけ?」
    「このタイプも結構王道だろ。うーん今は思い付かない……また考えとく」

     …………かくして。
     ウチ達勇者一行は新たに"ライバル兼相棒"の穹を加えて、この銀河を開拓する旅に出たのであった!
     次に開拓するのはもしかしたらこれを読んでいる君の銀河かもしれない。ウチらの旅は、まだまだこれからなんだから!
     
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