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    mitotte_kazu

    @mitotte_kazu

    自機ルガオスとエタバン相手のヴィエラとかよそよその話とかNPCよその話とか置いとく場所。
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    mitotte_kazu

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    せっかくの頭割り開催なので以前skebで描いて頂いた時に嬉しすぎて書き上げてしまった🦍と🐇の短いお話

    #ディンエラ

    絵画「あ、」
     並んで歩いていたヴィエラが呟き、急に歩みを止めた。すぐ気付いたルガディンはどうしたかと彼女へと歩み寄る。そんな彼の裾を引っ張り、見てみて、と街中の一角を指し示す。穏やかな表情のルガディンがミニオンのナマズオを引き連れ、路上で絵を描いていた。風景や街中に目を向け、時折冒険者の依頼を受けてそれに応じた絵を描いているようだった。
    「すごいね」
     目を輝かせ呟いた彼女に頷いて同意する。種族のせいにするつもりはないが、自身の不器用さ故に芸術系統に関してはビエルゴ神も苦笑するだろうレベルの彼には、絵師とも呼べるルガディンが工神にも並んで見えた。すみませーん、と物怖じせず件のルガディンの絵師に声をかける彼女に慌てて駆け寄った。
    「こういうのって、幾らで受けて貰えるんですか?」
     サンプル程度に、と絵師が手にしていたスケッチブックを手渡してくる。ナマズオや絵師をはじめとした冒険者や風景が丁寧かつ細やかに描かれていた。無邪気に話しかけている彼女を微笑ましく思いながら、脳内で彼女の肖像画などが浮かぶ。整った丹精な顔立ちで映えるだろう、描いてもらえたなら一度見せてもらおうなどと考えている内に話が進んでいたようだった。

     いいんですか、大変じゃないですかと気にかける彼女にルガディンの絵師はにこやかに応じている。
    「じゃあ、お願いします!」
     ぱ、と視線をこちらに向けてきた絵師に首を傾げていると、こんな感じで!と彼女が抱きついてきた。どんな感じだ、と更に首を傾げていると、頷いた絵師がしばらくこちらを見つめてくる。その視線と彼女との距離を急に意識してしまい、少し身を引いた。しかしその分すかさず距離を詰められる。視線をどこに向ければ良いかも分からず目を泳がせていると、覗き込むように彼女が顔を上げてきた。笑顔、と口を動かす彼女に無言で首を振る。不満そうに唇を尖らせていた彼女が思い切り頬を膨らませた。面食らったように彼が瞬きをしてる間に、彼女は眉間に尋常じゃない皺を寄せていた。笑わせようとしてるつもりか、と気付いた彼がつい苦笑してしまう。それを見て満足げに笑う彼女に、まぁ彼女が楽しいならそれで良いか、と小さく息を吐いて微笑みかけた。
     完成を告げた絵師の声に彼女が跳ね飛ぶように絵師に駆け寄る。描き上がった絵を見て嬉しそうに歓声を上げる彼女を遠巻きに眺めていたが、名前を呼ばれたので近付いていった。彼女の後ろから覗き込むと、何故か自分と彼女の二人が描かれていた。
    「これ、」
    「間違いじゃないよ?」
     確認したい点に先手を打たれる。動揺のあまり絵を指差したまま絵と彼女を交互に見つめている内に、彼女は絵師に代金を支払い礼を述べていた。

     絵師が退散した後も満足げに絵を眺めるヴィエラにルガディンは小さく溜息を吐く。
    「こういうの、嫌だった?」
     耳を垂らした彼女の問いにいや、と返した。
    「慣れてないだけだ」
     周囲に人気がなくなってきたのを確認してから了承を得て、彼女の手の中から絵を受け取る。密着した二人は幸せそうに見つめあっており、距離感など細かく伝わってきそうだった。
    「彼女に迫られてタジタジなものの体は受け入れてるみたいなやつ、ってリクエストしたら、こうなったよね」
     彼女、と鸚鵡返しをしかけてエターナルバンドをしていた事実を再認識する。そうだったとどこか気恥ずかしくなり後頭部を掻いた彼に、彼女が柔らかく微笑みかける。
    「こんな格好良く描く人だったら、うちのディン描いて貰わなきゃって思ったんだよね」
     エタバン相手があそこのルガディンなので描いてほしいって言ったんだよ、と両手を広げ畳み掛けるような彼女の発言を遮るように、彼が絵を返した。
    「もう充分だ」
     堪能した、と顔を逸らしながら絵を押し付けて来る彼の耳は微かに紅潮していた。もういいの?と確認してくる彼女はこれ以上ない程頬を緩ませており、彼の反応を楽しんでいるのが透けて見えた。小さく溜息を吐き、先程の絵を思い出す。彼女と居る自分はあそこまで幸せにそうに見えているのだという事実を突きつけられたような気がして、微かに口角が上がった。
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    mitotte_kazu

    PASTヴァレンティオンを満喫している🦍と🐇の短いお話
    贈呈 毎年恒例になりつつある、海都でのヴァレンティオンの催事場巡りに今回も付き合っていた。ヴィエラに付き添っていただけの当初に比べて多少慣れてきたルガディンも、露天を覗き見比べる余裕が出来てくる。
    「これは今年の新作か」
    「そう〜!去年から定番になったこっちも美味しいよ!」
     少しわかってきたと思っていたが、やはり彼女の知識量などには勝てない。真剣な顔で次の店の品定めをする彼女の手から、戦利品の入った紙袋を苦笑しながら受け取った。ありがと、と身軽になった身体で手早く会計をすませる彼女を遠巻きに眺めていた。
    「ここの好き」
     何軒目かを巡っていた時に彼女が呟いた店のチョコレートや包装に見覚えがあった。以前貰ったものだな、と何気なしに視界に入った価格を二度見して、目を剥いてしまう。横に書かれた説明を流し見て、ブランド物のククルビーンを手間暇かけて加工してウルダハで販売している有名店だとようやく把握できた。通りで高価で美味いはずだと1人納得している横で、また真剣な表情で陳列されている商品を吟味している彼女が頷いた。これとこれください、と慣れている彼女の指がチョコレートの上を滑っていく。彼女が選んだ商品が丁寧に包まれていくのを眺めながら、パッケージまで可愛いな、などと思った。
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    mitotte_kazu

    PASTバレンタインなのでチョコ渡す🐇さんとチョコ食べる🦍の短い話
    片割 この海の街にもイベントの余波が来ているようで、浮ついた雰囲気が漂っていた。幸せそうな人を見るのは嫌いではないが、この空気の中独り歩くルガディンはどこか居た堪れなさを感じていた。
    それでもイベントのおかげで普段ならあまり手を出さないようなチョコレートが並んでいる店頭を眺めるのは楽しいものだった。買ったところで勿体なくて食べられないのは目に見えているし、貧相な自身の舌はどれを食べても美味しく感じるのだろう。折角だからと思いつつ平凡な板チョコレートを手に取る。と、掌からチョコレートが消えた。目線を掌から上げるとルガディンから取り上げたチョコレートを興味深そうに眺めるヴィエラがいた。

    「買うの?」
     握ったチョコレートをひらひら翳しながらヴィエラが首を傾げた。まぁ、とルガディンが頷くとふぅんと数回頷いた彼女がそれを棚に戻す。買うと言ってるのに、と棚のチョコレートに伸ばされた彼の手をヴィエラの手が掴んだ。ルガディンが何なんだと困惑している間に人気の少ない通りまで引っ張り出される。されるがままだったルガディンの離された掌にちょこんと小箱が載せられた。どこか見覚えのあるデザインの小箱をしばらく眺めてから、目の前のヴィエラに視線を向ける。にんまりと意味深に笑った彼女が覚えてる?と首を傾げた。ルガディンが数回頷いて開けても良いか了承を得ると、勿論、と微笑まれた。
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    「買うの?」
     握ったチョコレートをひらひら翳しながらヴィエラが首を傾げた。まぁ、とルガディンが頷くとふぅんと数回頷いた彼女がそれを棚に戻す。買うと言ってるのに、と棚のチョコレートに伸ばされた彼の手をヴィエラの手が掴んだ。ルガディンが何なんだと困惑している間に人気の少ない通りまで引っ張り出される。されるがままだったルガディンの離された掌にちょこんと小箱が載せられた。どこか見覚えのあるデザインの小箱をしばらく眺めてから、目の前のヴィエラに視線を向ける。にんまりと意味深に笑った彼女が覚えてる?と首を傾げた。ルガディンが数回頷いて開けても良いか了承を得ると、勿論、と微笑まれた。
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