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    mitotte_kazu

    @mitotte_kazu

    自機ルガオスとエタバン相手のヴィエラとかよそよその話とかNPCよその話とか置いとく場所。
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    mitotte_kazu

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    おだまりインタージェクト(物理)を教えるアルバートと若葉戦士の🐇さんのお話

    #アルしる

    戦士「……始めたのか」
     見てみて!と嬉しそうに斧を構えるヴィエラにアルバートは溜息混じりに呟いた。弾むように頷いた彼女のレベルを確認し、結構頑張ってきたな、と感心する。
    「慣れてきたか?」
    「全然!」
     間髪入れず無邪気な笑顔と共に返された彼女の言葉に頭を押さえた。察しが良いとは言い難いアルバートでも、彼女が次に放つ言葉の予想はついた。

    「教えるっつってもなぁ……」
     広大なノルブラントの一角で斧を振るうヴィエラを見守りながらアルバートが呟いた。
    「敵が出たらぐわっと殴って敵視を取って、死なないように味方を守るだけだぞ?」
    「簡単に言う……」
     敵の向きとか難しいじゃん、と唇を尖らせた彼女によくそこまでレベルを上げられたな、と揶揄うような口調で彼が笑う。
    「まぁ、信頼できる回復役が居てこそ為せるものではあるがな」
    「それはわかる」
     即答した彼女に苦笑する。
    「敵に殴られ続けて死にそうになってると不安になってくるもん」

     慣れてる友人が回復役の時の安心感ったらないよね、と腕を組んで呟いたヴィエラに深く頷いて同意する。と、先ほどの彼女の発言を受けたアルバートが口を開く。
    「詠唱を止めたりしてるんだろうな?」
     一度瞬きしてから首を振った彼女に、再度苦笑してそうかと彼が呟く。
    「インタージェクトって、使ったことあるか?」
     ぶんぶんと激しく首を振って答えた彼女にだろうな、と笑いかけた。
    「敵の攻撃を中断できる技なんだが、わりと便利だぞ」
     敵の技にもよるが、と添えられた一言に、彼女があからさまに唇を尖らせる。

    「そんなのわかんないじゃん」
     不満げに呟いたヴィエラに俺も説明が得意な方ではないんだがな、とアルバートが苦笑する。
    「その辺の見極めはまぁ……戦っていく内にわかるようになるだろ」
     習うより慣れろだ、と拳を握るアルバートに脳筋、と彼女が笑う。 
     しばらく戦士の立ち回りなどを練習している内に彼女がふと思い出したように、さっきのだけど、と尋ねてくる。
    「スタンさせればいいんじゃないの?」
    「あー……」
     それなぁ、と彼は後頭部を掻いた。聞かれると思った、と言わんばかりの表情を浮かべ腕を組む。

    「確かに阻止できるっちゃできるが……スタンは耐性がつくんだよな」
     その辺の使い分けが大変なんだよなぁとぼやきながらもアルバートが説明してくれる。が、専門外のヴィエラは腑に落ちないように首を傾げつつ頷くしかできなかった。わかったか?と確認してきた彼に答えようと彼女が口を開く。と、その瞬間彼が唇を重ねてきた。完全に不意打ちだったため困惑しながら押し返そうとする彼女の腕を掴み、アルバートは彼女を木に押し付けるように彼女を堪能する。彼と木に挟まれる形で逃げることも出来ない彼女が酸素を求める瞬間を逃さず、更に深く口付けた。

    「……こんな風に相手の動きを予想してそれを阻止する感じだ」
     満足したのか離れたアルバートにもたれかかるヴィエラの顔を覗き込み、わかったか?と再度確認を取る。涙目で呻いていた彼女は小さく馬鹿、と返すしかできなかった。
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    mitotte_kazu

    PASTナマコちゃんさん(@namakomesi )『うちよその片割れを「パートナーに愛されてる自信があるほど早く開く部屋」につっこんでどのくらいで部屋から出られるか聞きたい』やつの🦍の短いお話し
    解錠 重怠い頭を押さえて、ルガディンはゆっくり身体を起こす。無機質かつ生活感のない室内の床に転がされていたようだった。どことない既視感を覚える部屋の壁には「パートナーに愛されてる自信があるほど早く開く部屋」と書かれていた。無害そうな部屋で何よりだと思い、周囲を見渡す。当然ながら窓は見当たらず、厳重に鍵がかけられた扉のみが佇んでいた。念の為ドアノブに手をかけてみるも、扉は開かない。そうだろうなと苦笑して室内にぽつりと置かれた椅子に腰を下ろした。
     さて現実逃避はここまでにしておこう。自身を愛しているとされるパートナー、と言われれば、当然彼女のことになるだろう。世間一般的にはエターナルバンドもしており、周囲もそう認識してくれている人も少なくはない。しかし情はなくとも教会の門は広く開かれ、エターナルバンドは誰かれ問わずできるものではある。そう形容すると語弊が生じるが、彼女に情がないわけではない。というかむしろ自身が思っている以上に彼女には大きな感情を抱いている恐れがある。あれほど魅力的かつ素敵な女性が自分を選んだ、などというのは正直尊大すぎる。思い上がりも甚だしい。
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    mitotte_kazu

    PASTアルバートと🐇さんの香水ネタ
    無粋と香水 部屋に戻ってきたヴィエラが疲れたようにベッドに倒れこんだ。お疲れさん、と姿を現したアルバートに疲れたぁ、と布団に顔を埋めたままくぐもった声で返す。
    「罪食い多すぎ……」
    「仕方ないだろう」
     ぼやいた彼女に彼が短く返すとうー、と何かを訴えるように呻いた。ベッドに歩み寄り、腕を組んで彼女を見下ろす。
    「ほら、飯でも食え。腹が減ってはなんとやらだ」
     わかってるぅ、と呟いた彼女がのろのろと起き上がる。と、その首元にアルバートが顔を埋めた。形容し難い声を漏らして後ずさった彼女に彼は無邪気に尋ねる。
    「香水か?」
     花の匂いがする、と首を傾げたアルバートに一瞬の間を置いてヴィエラは頷く。
    「花だけじゃないけど……」
     指を折りながら彼女が香水に含まれている植物の名を挙げていくが、幾つかピンとこないようで彼は更に首を傾げた。その様子を見てゆっくりと立ち上がった彼女が室内のドレッサーに近付く。しばらくそこを探っていた彼女がこれこれ、と綺麗な小瓶を手に彼の元へ向かって歩み寄った。ゆらゆらと彼女の手の中で揺れる瓶をなるほど、と眺めていた彼の前で、彼女は自身の手首に数回香水を吹き付ける。強く広がった香りに一瞬顔をしかめた彼があぁ、と小さく呟いた。
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    「香水か?」
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    「花だけじゃないけど……」
     指を折りながら彼女が香水に含まれている植物の名を挙げていくが、幾つかピンとこないようで彼は更に首を傾げた。その様子を見てゆっくりと立ち上がった彼女が室内のドレッサーに近付く。しばらくそこを探っていた彼女がこれこれ、と綺麗な小瓶を手に彼の元へ向かって歩み寄った。ゆらゆらと彼女の手の中で揺れる瓶をなるほど、と眺めていた彼の前で、彼女は自身の手首に数回香水を吹き付ける。強く広がった香りに一瞬顔をしかめた彼があぁ、と小さく呟いた。
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