Destructive Circuits 10旅程は天候に恵まれ順調だった。その間彼らは時間をかけて少しずつ、色々な話をしたりまた話し合いをした。
彼はダウドにスパイマスターとしての側面の仕事を手伝って欲しいようだった。疫病の収束が優先だったため復興は軌道に乗り出したばかりで、腐敗や陰謀がなくなる事はないし政治犯罪や内乱の種がなくなる事もない。主に国内の調査や情報収集を任されているトーマスは寝る暇もないほど忙しい事もあるようで、ダウドがいてくれたら、自分の手にマークがあればと嘆くこともあるようだった。
だが、女王もそれを望んでいると彼に聞かされた時にはダウドも驚いた。
“エミリーも人は変われるという事を学んだんだ。何よりも、彼女自身が大きく変わった。” コルヴォはそう言った。
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