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    リョ三WEBオンリーの展示です。試合の解説をする宮城とその試合に出てる三井。二人ともプロ選手です。

    #リョ三
    lyoto-3

    早くそっちに立たせてよ『本日はゲストに宮城選手に来て頂いております』
    『よろしくお願いしますー……なんか、あんまこういうのやったことないんで……』
    『緊張しますか?』
    『……ちょっと』
     控えめな笑い声が響く。てっきり宮城はもっとスカした態度で臨むかと思っていたが、照れくさそうに頑張って返事をしているところを見ると少し印象が変わった。
     今日は日本代表の国際強化試合だ。一カ月後に開催される世界大会を見据えた練習試合ではあるが、その現地に赴く代表選手を選出するための過酷なレースという位置づけでもある。
     どうせなら俺も現地で観戦したかったが、平日の十九時からティップオフという予定を見て諦めた。しかも場所は臨海副都心だ。定時に上がれたとしても俺の職場からは間に合わない。
     仕方なく、そそくさと職場を後にして酒とつまみを買い込み、家のテレビに配信サイトを繋いだ。このためにデカい画面のテレビを買ったようなものだ。ティップオフまであともう少しあるが、既に中継が繋がれている会場は熱が上がっている。
    『宮城選手はこの後代表チームに合流予定なんですよね』
    『そうです。ほんとは僕もこの試合から出たかったんスけど、どうしても契約の都合上次の試合からしか出られなくて……』
    『折角ならということで、今日は色々と宮城選手にも解説を伺っていきたいと思います』
     映像はコート上と放送席とを行き来している。実況者とアナウンサーに挟まれて放送席中央に座る宮城は、小柄ながらもパンパンに張った筋肉を携えているせいでやたらとデカく見えた。
     いつもの試合映像ではデカいのに囲まれているから小さく見えるが、こう見るとさすがプロスポーツ選手といった具合だ。三人で揃いの日本代表応援Tシャツを着ているが、宮城だけ袖が雑に切り落とされていた。筋肉のせいで肩がキツかったのかもしれない。
    『まずはロスターの紹介をお願いしましょうか』
    『そうですね。えーっと……』
    『宮城選手と縁の深い選手も多いですよね』
    『ハイ、そうスね、花道……桜木選手はやっぱり爆発力がありますし、流川選手との連携も決まり始めたら気持ちいいぐらい決まり続けるので、今日はその日であって欲しいですね。多分二人は嫌がりますけど』
    『嫌がるんですか?』
    『仲悪いんで。高校ん時からずーっと仲悪いんすよ。もう、どっかで大人になるのかと思ったら全然、ずっと仲悪い。でもハマったら誰も止められないです』
    『いやー、脅威ですね』
     宮城はこういった場での喋りはうまくないようだが、アナウンサーのフォローでどうにか緊張も解けてきたようだ。映像では正に、二人でストレッチをしながら何か言い合っている桜木と流川が映っている。今にも喧嘩が始まりそうな剣幕ではあるが、しっかり身体はお互いの身体を伸ばしているのだから面白い。宮城は呆れとハラハラが混じったような声で喧嘩すんなよ、と呟いた。
    『沢北選手は何回も対戦してますけど、本当に強い選手っすね。大型PGって今の日本だとあんまりいないですけど、やっぱりサイズ差あるとキツいんで。あのデカさでPGも出来るっていうのは凄い強みだなと思います』
    『今回沢北選手はSFとPGで登録されていますね』
    『多分、場面によっては僕とのダブルガードにもなるんじゃないかなと思ってます。そういう時に、手の内をある程度知り尽くしている相手なのはありがたいですね。敵だと本当に厄介ですけど。味方だと心強いです』
     相変わらず綺麗な坊主頭をキープした沢北が画面に映る。変則的なシュートは健在だ。分かっていても止められないというのが売り文句になっているようで、連続でシュートを決めると会場から歓声が上がっている。まだアップの時間だが、観客席は十分に盛り上がっているようだ。
     次々に選手が映り、その度に宮城が解説を加えていく。段々宮城の口も滑らかになっていき、戦術面から私生活まで、色んな話を交えて放送席を盛り上げていた。
    『会場の方も盛り上がってますね。ちょっとコート付近の様子を聞いてみましょうか。筒井アナ~! そっちの様子はどうでしょうか?』
    『はーい! こちらは凄い熱気に包まれています! 試合開始も近くなり、観客席も満席に近くなってきました!』
    『いいですね~』
    『そしてアップの最中だった三井選手が来てくれています!』
    『……あ、よろしくお願いしますー……』
     ニコニコと会場を紹介するアナウンサーの隣りに、大柄な男が並ぶ。日本代表メンバーの一人である三井だ。こちらも緊張しているようで、目はうろうろとあっちこっちを向いていた。二人とも試合ではあれだけ堂々しているくせに、宮城同様こういったインタビューは苦手らしい。
    『三井サンめっちゃ緊張してるじゃん、ウケる』
    『……あ!? 宮城か!?』
    『はい、今回は解説のゲストに宮城選手に来て頂いてます』
     インカムを付けた三井が聞き慣れた声に相好を崩す。どうやら、宮城が放送席にいることは知らなかったらしい。
    『言えよ! なんでキャプテンでもねーのにオレが呼ばれてんだよとか考えちまったじゃねぇか!』
    『すみません、宮城選手のご指名で呼ばせて頂きました』
    『なんだよ~、あっち? あそこだよな? 宮城~』
     頭上を指差した三井がブンブンと大きく腕を振る。カメラが切り替わり、コートの近くから放送席を見上げる画面になった。ガラス越しに、宮城が小さく手を振っている様子がわかる。ついでに観客席や通路の様子も映り、やっぱり現地で見たかったと奥歯を噛み締めた。俺だって、課長が急に定時ギリギリの会議を入れなければチケットをリセールに出さずに済んだのに。
     幸いそのチケットはすぐに売れたので、きっと今頃俺が座るはずだった席では誰かが試合を楽しみにしていることだろう。俺の分まで日本を応援しろよ、なんて勝手なことを思った。
    『まぁ今日は三井選手がスリー10本ぐらい打ってくれると思うんで? 期待したいっスね』
    『あぁやって好き勝手言うんですよ、いっつも。自分がパス出してない時に決めすぎると拗ねるくせに』
    『スリーポイント成功率60%切ったらちょっと使いづらいかな~』
    『おい、結構なこと言うじゃねぇか……』
     朗らかな笑いと共に中継が終わる。
     この二人はいつもこんな調子だ。お互いに軽口を叩き合い、時にこっちがヒヤヒヤするほど後輩であるはずの宮城が生意気な態度をとったりする。その一方で、アメリカの大学に所属しているせいで代表の取材などを欠席しがちな宮城に代わり、三井はよく宮城の背番号をつけてインタビューを受けたり、宮城のパネルを持ってテレビ番組に出たりと何かと気にかけていることが多い。
     なんだかんだ言っても、世話焼きで良い先輩なのだろう。インカムを戻して走ってコートに戻った三井は、そのまま桜木に体当たりをされていた。
    『三井選手と宮城選手も同じ湘北高校出身なんですよね』
    『そうですね。桜木と流川が一年の時に僕が二年で、三井サンが三年でした』
    『当時から仲は良かったんですか?』
    『そうですねぇ……散々喧嘩もしたし、でもまぁ、仲良かったのかな? 仲良かったんですかね。よくメシ奢って貰ったりはしてました』
     宮城の声が一段階ふにゃりと柔らかくなる。試合中に怒鳴っている姿はよく見るが、普通に話していると少し幼い印象を受ける。先輩である三井の話をしているから、後輩の顔が見えているのかもしれない。
    『喧嘩もしたんですか!』
    『あんまガラ良い高校じゃなかったんで……だから、気抜くと口悪いとこバレるんすよ。三井サンも僕もインタビューがいつもテンプレとか言われますけど、チームの印象悪くしないために必死なだけなんで。なんでか花道はインタビューうまいんですけどね』
    『今日は宮城選手に沢山話して頂く予定ですが』
    『もう、めっちゃ頑張って猫被ってます』
     照れくさそうな宮城のコメントを最後に映像はコートへと切り替わる。
     時刻はそろそろティップオフだ。ロスター選手の紹介も終わり、今後の代表の動きについて解説が流れる。ついに選手の入場が始まり、派手な演出に会場が沸いた。
    『あー……』
    『出たいですか』
    『出たい……っすね、もうこれは契約上のことなんで仕方ないスけど……次の強化試合から出られるっつっても、その間に多分、今のこのチームから二人ぐらいは落ちるんじゃないかなと思ってて。そしたら次の試合はその選手はロスター外になるじゃないですか。でも今コート上にいる皆と一緒に戦いたい気持ちはあるんで、惜しいなって』
    『特に宮城選手はこのタイミングでないとリーグ所属の選手とは同じコートに立てませんからね』
     やはり選手にとっては、強化試合とは言えコートに立てないことはストレスらしい。とは言え、アメリカから帰国して合流予定の宮城はまず間違いなく代表メンバーとして選ばれるだろう。それこそ、さっき出た三井なんかはこの後の試合次第でメンバーから外れる可能性は十分ある。今正に少ないメンバー枠を争っている選手たちにとっては、宮城の悩みは贅沢なものだ。
     いよいよ、試合が始まる。ジャンプボールの体制に入った選手を見て、グッと息を飲んだ。
     
    『あーっと三井選手こちらもリングから嫌われていますね』
    『今日は調子が悪いか、なかなか得点に繋がりません』
    『あの人は本番で頑張ってくれりゃそれでいいんで。ま、頑張ってくださーい』
    『心強い言葉ですね。きっと本番ではアクセルを入れてくれるでしょう』
    「おめーなぁ……つーかオレはこん時だってアクセル入ってるっつーの……」
    「仕方ないじゃん? 落としてるし」
     無言で抵抗するように、後ろから回された腕がポコポコとオレの腹を殴る。くすぐったくなってその手首を掴んだ。
     試合には出場していないが、オレも明日から練習に合流する予定だ。今日はメンバーと同じホテルに泊まり、こうしてコソコソと三井サンの部屋にお邪魔している。
     今日の試合の振り返りなんて終わった後にもやっただろうが、どうも三井サンはオレの解説を聞きたかったらしい。ホテルに備え付けのテレビで真剣に自分たちの試合を見ているので、ならオレも横で見ていようかとソファに座れば無言で抱き寄せられた。
     さすがに膝の上に乗せられるのは拒否し、結局後ろから抱えられて一緒に画面を見ている。珍しく真面目なことをしているなと思ったのに、結局オレの解説もイチャつきの口実にしかなっていない。
    「まだコミュニケーションミスが目立つ感じだったね」
    「おー、まぁな。でも中に入ってると悪くねぇ感触はある……段々メンバーも噛み合ってきてるし、お前が入る頃にはもう枠は残ってねぇかもな」
    「その言葉、覚えとけよ。絶対撤回させてあげるから」
     後ろからヒュゥと口笛が吹かれる。メンバーが強いに越したことはない。でも、最後の枠に残るのはオレだ。
     世間的にはオレはほぼ代表選手に確定しているという認識なのだろう。恐らくそれは正解だ。ただ、代表選手に選出されたからと言って試合にも出させて貰えるとは限らない。ヘッドコーチの采配次第で、まったく試合に出られない可能性だってある。
     ここから先は、一秒たりとも油断はできない。
    『沢北三井ライン通った! 本日二回目です』
    『沢北選手調子良いですね』
    『あいつはかなり昔とスタイルが変わりましたね。超攻撃型のPGというか、僕みたいなオールドスタイルのPGと比べるとかなりトリッキーな選手だと思います』
    『……宮城選手も、かなりトリッキーなイメージですが、僕らからしたら』
    『あは、そうスかね』
    「なぁに可愛く笑ってんだ」
    「可愛くねーし」
    「オレと沢北の連携が良くて嫉妬してんだろ嫉妬」
    「違いますー」
     オレは普通に笑っただけだ。これを可愛いなんて言うのは、オレのブースターと三井サンくらいしかいない。
     画面の中では、豪快なダンクを決めた花道が吼えている。共鳴するように放送席のオレも吼えていて、我ながら笑ってしまった。このあたりはもう興奮しすぎていたのであまり記憶にない。
    「これサイコーだったよなぁ、流川すらちょっとガッツポーズしてなかった?」
    「オレの位置からは見えなかったな。これ……ギリ拳握ってるか……?」
    「ヘッドコーチチャレンジ!」
     指先で四角を描くと、わざわざ三井サンがシークバーを少し前に戻し、スロー再生で流川の部分を流してくれる。食い入るように見ると、確かに流川がぎゅっと拳を握っていた。
    「し……てるな! お前あんな上から見てたのによく分かったな」
    「なんか肘の動きが違和感あって、直感的にガッツポーズした! って思ったんだよね」
    「さすがPGよく見てんな~」
     わしゃわしゃと褒めるように頭を撫でられる。後ろを見ると目が合ったので、そのままキスをした。戯れのつもりだったのに、前を向こうとした顔を掴まれてもう一度三井サンからキスをされる。
    「ねー、どうせ出来ないんだからやめて」
    「キスぐらいさせろって」
    「ほらぁ、あんた試合後性欲増すんだからこんな近づいちゃダメなんだって」
    「うるせー……」
     二人の間の空気が湿ったものに変わる。伏せられた目は色っぽくて、ついオレの方からも顔を近づけてしまった。いつものように舌を出すように促して、力の抜けた三井サンの身体をソファに押し付けそうになる。
     ヤバい、流されそうと思ったところで、ワッと画面から歓声が上がった。
    『沢北選手のパスからのアリウープ! 流川選手かなり乗っていますね!』
    『第三クォーター開始二分で三本のシュートを決めています』
     シュートを決めた流川が、ぎろりとこちらを睨んでくる。別にそんな意図はないはずだが、何となく浮かれてんじゃねーと叱られたような気持ちになった。三井サンもそれは同じなのか、オレの腕を掴んでいた手がソロソロと離れていく。
    『あ、花道が』
    『桜木選手……何か流川選手に話しかけてますね』
    『調子乗んなとかマグレだろとか言ってんのかな、多分。あ、沢北にも噛みついてる』
    『流川選手は鬱陶しそうにしてますが……でも桜木選手がこういう態度をとると、こっちとしても大喜びしすぎずに済むというか、すぐ切り替えられる気がしますね』
     タイミングが良いんだか悪いんだか後輩の顔ばかりが画面に映り、そそくさと三井サンの隣りに座り直す。明日からまたハードな練習が始まるというのに、身体に負荷をかけるようなことをする訳にはいかない。
    『アイツはただ自分が決められなくて悔しいだけだと思いますけどね。まぁでも確かに、残り三十秒で五点差とかついててもあんまり花道は油断しないというか、ほんとに勝つまではずっと同じテンションですね。それは流川もですけど……』
    『宮城選手もポーカーフェイスというか、動じないイメージですが』
    『いやー、僕は結構内心は喜んじゃってることも多いです。油断って訳じゃないですけど……自分のパスが繋がって最後綺麗にシュートが決まると、それ眺めてボケッとしちゃって慌てて戻ったりとか』
     なんというか、これを三井サンと一緒に聞いているのは恥ずかしい。流川や花道の豪快なダンクも勿論好きだが、リングを掠らずにネットの中に沈んでいくスリーポイントこそが、試合中せわしなく動くオレの脳を唯一停止させるものだから。
     三井サンにその自覚はないようで、「お前が試合中ボケッとしてる時なんてあるかぁ?」なんて間抜けな声を出している。
    「そういう時、あんたはリングしか見てないから気付いてないだけでしょ」
    「あぁ……あ?」
    「……そろそろオレ、部屋戻ります。これ最後まで見てたら遅くなっちゃうし」
    「おぉ、そうだな、オレも続きは明日見るわ……」
     見逃し配信の停止ボタンが押され、急に部屋が静寂に包まれる。何か考えている様子の三井サンから逃げ出したくて、もぞもぞと立ち上がると三井サンも付いてきた。
    「夕飯食ったとこで朝も集合だよね?」
    「おー……」
    「じゃ、お邪魔しました。また明日」
    「ン」
     三井サンが両手を広げる。ハグしろ、という可愛いんだか図々しいんだかよく分からないサイン。オレから行くのは恥ずかしいんだけど。
     勝手に抱き寄せてくれりゃいいのに、と顔を伺ったが、そこから動く気はないらしい。渋々腕の中に収まりにいくと、ぎゅっと長い腕で抱きしめられた。
    「なに、苦し……」
    「素直にオレのスリーが好きって言や良いのによ」
    「……うるせ」
    「ま、お前がボケッとしてらんねーくらい決めてやるからよ、安心してボール運んどけ」
     乱雑にバンバンと背中を叩かれる。そんなこと言って、あんた今日何本シュート落としたんだよ。調子悪い時はほんとに悪いんだから。
     それでも、いざという時に欲しい場所にいて決め切ってくれるのが三井サンだ。その安心感があるから、オレは無茶なパスも回すことができる。
     お礼を言うのはなんだか癪で、オレからもぎゅっと腰を抱きしめた。ぐぇ、と大袈裟に呻いてみせた三井サンが面白そうに笑う。既に纏まりつつあるチームに、今から合流しなければならないとナーバスになっているオレに気付いていたのだろう。三井サンは特に人の機微に敏感という訳でもないのに、なぜだかこういうことには毎回気付いてくれる。
     本当は、代表入りがほぼ確定しているオレより、今正に残りの枠をかけてしのぎを削っている三井サンの方が心理的な負荷はデカいはずなのに。
    「この強化試合終わったら、さっきの続きさせてください」
    「……んだよ、改まって」
    「別に、抱きてぇなって思っただけ……」
     わさわさと雑にオレの背中を撫でていた手が止まる。顔を上げろと言われて、頭突きでもされるのかと思えば可愛がるように下ろした前髪にキスをされた。
    「かわいーこと言うのやめろって、オレの方が我慢できなくなる」
    「あー、もー、帰る、三井サンに襲われるから!」
    「人聞き悪いこと言うんじゃねぇよ! おやすみ!」
    「おやすみなさい!」
     最後は怒鳴り合うように挨拶をして、その勢いで部屋を出た。
     解説の仕事が今日でよかった。明日だったら、今日のことを思い出してろくに三井サンと絡めなかっただろう。


     SNSでは「ミッチーに塩対応の宮城選手可愛い」「対応雑なの逆に懐きまくってる空気ある」「本番の話するってもう三井が選ばれること疑ってないじゃん」などと好き勝手言われていたが、それは見なかったことにした。
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    DONE飲み会でチャラい後輩に説教してたら黒ギャルの彼氏が迎えに来て説得力皆無になる赤木の赤リョ
    「でも正直、正直っすよ!? 特定の彼女作るより遊べる時に遊んどいた方が良いって思いません!?」
    「思わん。そもそもそんな暇はないはずだ」
    「いやいや、息抜きも大事ですってぇ」
     酒が入っていることもあるだろうが、へらへらと軽薄な笑みを浮かべる後輩に、また怖いもの知らずな男が入ってきたなと内心舌を巻いた。
     ここはチームの拠点に近い焼き肉屋だ。それなりに良い値段がするが、今日はチーム最年長のキャプテンが奢ってくれるらしいので、若者組にまとめられた俺たちは言葉に甘えて好き勝手に飲み食いをしている。
     個室だから他の客を気にする必要がないのはありがたいが、先程から騒いでいるのは今年大学を中退してプロに転向してきたチーム最年少の後輩だ。つい運動部のサガで先輩たちが機嫌を損ねていないか気になってしまうが、絡まれた相手が堅物である赤木だったことが先輩の興味をそそったらしい。新参者の暴挙を止めるものは誰もおらず、かく言う俺もつい同い年にしては老成している赤木の下世話な事情が気になってしまい、まぁまぁと口では止めながらも話の続きを促してしまった。
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