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    Amane__0661

    @Amane__0661

    小説基本,イラストもあげたり。

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    Amane__0661

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    #ロク熱

    虹の雲に乗せて「…ふぅ、」
    一息をついて、椅子にそっと腰をかける。
    ボクは今,コピーロイドでママのお手伝いをしていた。

    お洗濯物を畳んで、お客さんの来てる間お茶を出したり、お掃除をしたり、

    今はそれが終わり、少し空いた時間でPETに戻ろうかな、と思っていたところ。

    扉ががちゃりと開き、とてとて、と走る足音が聞こえる。
    徐々に迫ってくる足音。走る方向に目線を逸らせば「どーん!」と言いながらその男の子はボクに抱きついてくる。

    「うわっ、?!もう…危ないよ、熱斗くん。」
    「えへへっ…」

    にこにこ、とボクの膝で笑う小さな少年。
    この子は熱斗くん。
    ボクの大事なオペレーター。

    まだ5歳の彼は毎日こうやってボクに甘えてくる。
    「危ないよ」なんて口を出しちゃうけど、ほんとは嬉しい、ってのが本音で。

    「ただいま!ろっくまん!」
    「うん、おかえり、熱斗くん!今日もがんばったね、偉いよ!」

    よしよし、と撫でてあげれば目を細めて彼は笑う。
    つい笑みが溢れれば彼はボクの膝からちょこんと降り,「ん!」と小さな手をあげた。

    「…?どうしたの、熱斗くん、」
    「ろっくまんも、まいにちがんばっててえらい!えらいえらい!」
    「…!」

    小さな手のひらが、ボクの頭をそっと撫でる。

    身長が足りなくて背伸びをしているところがまた可愛い。

    「ありがと、熱斗くん!元気でたよっ!」
    「えへへ…あ、そうだ!」

    彼は手提げかばんの大きな袋からがさごそ、と何かを探している。

    「…?」
    「あった!」

    少し待てば「じゃーん!」と彼は白い紙を掲げた。その中には「ぼくとろっくまん」とかかれた絵が描かれている。

    2人はにこにこと笑っており、手を繋いでいる。

    「ぼくとろっくまんが、ずっといっしょでありますように」という文字を添えて。

    主に使う色が青色、というとこが彼らしい。

    「あげる!」
    「え…ボクに?」
    「うん!あのね、これをまくらの下にひいてねると、これとおなじゆめがみれるんだよー」 

    彼はきらきらした目をし、ボクに説明をする。
    そのために描いてくれたのかな、と思うと無いはずの胸の奥がぎゅっとなる気がした。

    「ふわあ…」
    「おねむの時間だね。」

    軽く目を擦りながらボクの胸に頭を預ける。
    彼の瞼は段々と閉じ、軽く頭を撫でて「おやすみ」と伝える。

    次見た時には彼の幸せそうな寝顔が見れて思わず微笑みが溢れる。

    寝室に移動しようと立ち上がり、ゆっくりと彼をベッドに置く。

    「また少しおっきくなったんだね。」

    すうすうと眠る彼に伝わるはずのない言葉をぽつり、と呟く。
    コピーロイドの残りの充電音が鳴り、充電の為にPETに戻る。

    1人になった途端、思わずさっき熱斗くんが渡してくれた絵のことを思い出す。

    本来、「光彩斗」が見れない光景をボクが見ていて。
    ボクは弟である熱斗くんと毎日を過ごす。

    光彩斗にとってボクはなんてずるいやつなんだろう。

    おまけに、絵なんかプレゼントされちゃってさ。

    「…あ、」
    そういえば、と彼の言っていたことを思い出す。


    「これをまくらの下にひいてねると、これとおなじゆめがみれるんだよー」

    「…これと同じ夢、かあ。」


    この絵と同じ内容の夢、なんて見れたらどれだけ素敵なんだろう。
    もしかしたら、という期待が胸を踊らす。

    「ふふ…っ、ずっといっしょに、ね。」
    ボクは枕の代わりに絵をぎゅーっと抱きしめ、スリープモードに入った。


    これが正夢になりますように、と願いながら。
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