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    nekononora

    94とFGO。書くのも読むのも雑食でいきます。逆、リバ、R、G、などなど書きたいように書き散らかします。
    設定がわからーん!

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    nekononora

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    パー←バソ
    オメガバースです。
    ベータだと思っていたバソがオメガだと知って、はっちゃけます。

    #パーバソ

    海は空に手を伸ばす ドバイの夏を経て、バーソロミュー、パーシヴァル、カルナの三人は仲を深めていた。
     始めはベータのバーソロミューがアルファの二人に対し壁を勝手に感じているようだったが、今では第二の性の垣根を越えて友となっている。
     一週間に一度定期的に集まって近状を報告したり食事をしたり、シミュレーターに行ったり手合わせしたりと友好を育んでいたが、最近、スケジュールが合わず、三週間は集まっていなかった。
     パーシヴァルが声をかけ、この日、昼の二時間なら三人の予定があった。
     パーシヴァルの部屋に各々紅茶や菓子を持ち寄り、久々の集まりに話に花が咲き、盛り上がった。
     二時間はあっという間に過ぎ、バーソロミューが「ではそろそろ私はお暇するよ」と立ち上がる。
    「茶葉は置いていくので、好きに飲んでくれ」
    「あぁもうそんな時間か。ありがとう、美味しくいただくよ」
    「用事があると言っていたな、会食より優先するとはさぞ重要な用事なのだろう」
     カルナの言葉にバーソロミューは少し目線を逸らしてから、口元に手をやる。隠れた唇の口角が上がるのが頬の形から二人には分かり、何か悪戯を思いついたなと察する。
    「まだ十分に時間に余裕があるからカルナは心配ありがとう。それはもう重要な用事でね」
     バーソロミューは右手を胸元にやり、左腕は外にそらし、舞台役者のような大振りで言葉を紡ぐ。
    「オメガ性ってあるだろう? カルデアでもってしてもまだ解明されてない所がある第二の性」
     服の揺れまで計算したかのような優雅さでドアまで歩き、バーソロミューはクルリと振り返る。
    「実はこの度——」
     バーソロミューはハイネックの襟元に指を入れれば、グイッと下ろしてみせた。
     そこには首輪が。
    「——オメガになってね、これからアルファと見合いなんだ」
     驚きに声をなくすパーシヴァルと、目を細めたカルナにしてやったりと笑うと、ハイネックを戻してオメガ専用の護身用の首輪を隠す。
    「じゃ、上手くいく事を祈っておいてくれ」
     ハハハハと笑うと、バーソロミューは部屋を出て行った。


    ◆◆◆


     一週間ほど前。

    「オメガになってるね」

    「……ミスダ・ヴィンチ。貴殿の見解を疑うわけではないのだが、検査薬の誤判定というのは……」
     バーソロミューは誤判定であって欲しいという希望を込めて尋ねる。
     ちょっと熱っぽいな。サーヴァントが風邪? ひょっとしてシュメル熱のような攻撃を? あ、でも他のサーヴァントは無事だな。よし、ダ・ヴィンチに報告に行こう。
     そうして訪れたダ・ヴィンチの工房。
     おやまぁこれはと、スン、と少女は何かを嗅ぐ仕草をすると、
    「ちょっと血を抜くね〜、そのまま十五分まってね〜」
     というスピーディさでオメガ判定がでた。
     ダ・ヴィンチは眉を八の字にして少し困り顔を作ると、「もっかい血を抜く?」と手にした注射を振る。
     バーソロミューは片手を軽く挙げて断ると、まじかぁ〜、と天井を仰いだ。
    「えーと、この熱っぽいのはヒートの前兆で、運命の番がいるとかなんとか?」
     同人誌で読んだなぁ。漫画も小説も。
     あ、映画とかドラマでも観たっけと思っていれば、ダ・ヴィンチは、うーん、と唸った。
    「昨今のエンターティメントでオメガ性を取り扱ったのは多いよね。マスターの国だけでなく、世界中でオメガ性のエンタメが大ヒットしてる」
     それだけ魅力的で、悲劇にも喜劇にもなれる題材。
     現実にあるけれど、早々身近にはおらず、一歩引いて楽しむには最高の材料だ。
     バーソロミューは視線を天井からダ・ヴィンチにうつす。
    「あれだけ世にオメガを取りあつかった作品が溢れていると勘違いしそうなんだが、マスターの時代はそんなに多いのかい? オメガ」
    「君の時代より総人口は増えているからね、その視点から見れば増えているがって感じかなぁ」
    「……なるほど」
     バーソロミューの時代、人は今ほど移動をせず、生まれた町から出ないなんていう者もざらにいた。教育環境も整っておらず、勉強する機会も場所すらなく、オメガ性について知らず、またオメガにもアルファにも合わず天寿を全うするベータもいただろう。
     そんな時代、バーソロミューはそれなりに知見を広めている方ではあったが、オメガに会った事はなく、オメガについて書かれた書物を一、二冊入手した程度だ。
     オメガは本当にいるかどうか分からない眉唾ものの存在。
     それほどオメガは少なかった。
     対してアルファは貴族や商人の中にちらほらおり、珍しいといえば珍しいが、というぐらいだった。
     カルデアに来て、やっぱり英霊にらアルファ多いなぁ、え、本当にいるんだオメガ、と感想を抱いたのを覚えている。
    「ダ・ヴィンチ嬢、実際のところ、オメガ性についてはどれだけ解明されているんだい?」
     オメガが少ないというのはサンプルが少なくデータがとれないという事。
     エンターティメントとしての設定が先行しているが、アレはあくまでエンターティメントの設定だ。
    「ベータ、アルファ、オメガがおり、オメガは希少で、定期的にアルファを誘惑するフェロモンをだし、頸を噛まれると番関係となり、フェロモンを番にしか発っしなくなる。以上」
    「うん? 以上? 運命の番は? ラットは? 番解消の負担は?」
    「後付け設定だねぇ。あ、番解消に関してだけは精神が一時的に不安定になるのはなるけどって感じ」
    「運命の番を取り扱った作品で良いメカクレがでていたのに……地味にショック、でもないか」
     フィクションはフィクションだ。
     あの良いメカクレがいる世界では運命の番がある、それでいい。
    「それでヒートを抑える薬とかもない感じかな?」
    「それはあるよ。カルデアには生まれついてのオメガのサーヴァントもいるからね。元々ヒートに効くとされる薬はあって、私がさらに開発した」
    「ありがたい。そういえば一応きくけど、カルデアのオメガに対するスタイルは、神かい? それとも蔑みの対象かい?」
     人は異質なモノに対して無視できない。
     優秀とされ見目麗しく人の上に立ちがちなアルファが誘惑されるフェロモンを発する存在など、神と崇めたてまつるか、悪魔と蔑むかだ。
     事実、聖杯から得られる知識でも国や地域によって取り扱いが違うと回答された。
    「蔑みは論外、神は本物がいるからねぇ、必要以上に持ち上げはしないさ。それは現代の常識で生きるマスターも同じだ。マスターがそう思うなら、本心では神と思おうが、悪魔と思おうが、表立って何かするサーヴァントはいないはずだよ」
    「よかった。あ、そうそう、“オメガ”である私は何か被験者になった方がいいかい? オメガのサーヴァントといえば名だたる者が多いのでろくに研究できなかっただろ? オメガのサーヴァントの利となれば巡り巡ってマスターの利となる。しがない海賊だ。この身体、好きに使ってくれてかまわない」
     バーソロミューがニコニコと聞けば、ダ・ヴィンチもニコニコと返答してくれる。
    「間に合ってるし、マスターに怒られるから二度とその質問はしないで欲しいな」
    「半分は冗談さ」
     バーソロミューは肩をすくめると、「じゃあ私は好きに過ごしてかまわないという事だね?」と質問をする。
    「フェロモンで悪さをしなければいいよ」
     ダ・ヴィンチの言葉をバーソロミューは笑って誤魔化す。
     ヒートについて注意事項と薬をもらって工房を後にした。


     そしてその足でカルナの部屋に向かう。
     内心、歌って踊りだしたい気分だった。
     パーシヴァルはアルファ。
     自分はオメガ。

     つまり! フェロモン事故が!! 起こせる!!!!
     
     その為の布石としてカルナの部屋に駆け出しそうになる足を必死に普通より少し早いぐらいの歩調に留めていた。
     カルナの部屋の前で見慣れた彼を見つける。横にはドゥリーヨダナとアシュヴァッターマンがいる。今日はシュミレーターで懐かしいインド観光のはず。知っていた。
     バーソロミューは嬉しさに笑いそうになる表情をおさえて、「おや残念」などと発言する。
    「最近、会えてなかったから、食事にでもと思ったのだが、先約のようだね」
    「……バーソロミュー」
     カルナの全て見透かすような鋭い瞳が向けられるが、上機嫌のバーソロミューは気づかなかった。それより早いパーシヴァルの所にとばかり気が焦る。
    「また誘うよ。では」
     くるりと背を向けて今度こそパーシヴァルの所に。
    『最近会えてなかっただろう? ゆっくり話せればと思ったのだが、カルナにはふられてね。パーシヴァルはどうだい? この後、お暇かな?』
     すでに台詞は決まっている。
     フェロモン事故など起こす気はなかったですよ〜という布石だ。
     ふふふふ。
     と自然に緩む頬を歩きながらムニムニ揉む。
     これからの事を考えれば上機嫌で浮かれてしまう。どうしても足取りが軽くなる。だって、だってだ。

     一度はふられたが、パーシヴァルと恋仲になれるのだから!


     バーソロミューはパーシヴァルに惚れていた。
     そりゃもうベタ惚れだった。
     ドバイの前から見かける度にいいなと思っており、ドバイ中に恋に落ち、そしてドバイから帰還後に猛アタック。
     見事に玉砕したが、繋がりが切れるのが嫌すぎて友として隣に立つのは許されないだろうか? という往生際の悪さを発揮し、友の座を獲得した。
     友としての限度を超えぬように気をつけた。
     二人っきりで会わないようにしたし、視線一つにしても熱を込めないように、必要以上に見つめないようにした。パーシヴァルの活躍を賞賛する時も必要以上には褒めず、騒がず、マナーを守ったし、彼の好きそうな本や物を先回りして取り寄せるのもやめた。
     彼のスケジュールは把握しているが、偶然を装って会いに行ったりはしなくなった。
     海賊どもと一緒に飲んだ時だって、見事に振られたよもう秋波は送ってませんよと笑い飛ばしたし、必要以上にパーシヴァルのかっこよさや可愛さを力説しなくなった。

     全ては訪れるかもしれない彼と恋人になれる機会の為に。

     レイシフト先での事故で魔力供給からとかも実は狙っていたのだが、まさかフェロモン事故とは。人生、いやサーヴァント生、何が起きるかわからないものである。
     既成事実さえ作ってしまえば、真面目な彼の事だ。責任をとりますとなるし、番を言い出してくれるはずだし、ひょっとしたらだが、フェロモン事故中に噛んでもらえるかもしれない。
     この時間なら自室で読書だな、と彼の部屋の前に立ち、軽く髪型や服装をなおすと、コンコンとノックする。
    「はい」
     という愛しい彼の声に、それだけで高鳴った心臓を深呼吸一回で落ち着かせてから、返事をする。
    「バーソロミューだが、今、いいかい?」
    「バーソロミュー? もちろん」
     ドアが開くと、いつもよりさらにラフな姿のパーシヴァルが姿を現す。
     思わぬ部屋着に、んんっ、と声を詰まらせてから、用意していた台詞を述べる。
    「最近会えてなかっただろう? ゆっくり話せればと思ったのだが、カルナにはふられてね。パーシヴァルはどうだい? この後、お暇かな?」
     暇なのは知っている。
     たとえ気が乗らなかったとしても、彼は用事があるんだとかその手の嘘はつけない事も。
     パーシヴァルはすぐに顔を綻ばし、「そういえば会えてなかったね。紅茶をいれよう」バーソロミューを部屋に招き入れてくれた。


     久々のパーシヴァルはそりゃもうカッコよかった。
     いれてくれた紅茶は絶品で持ち帰って冷凍して少しずつ飲みたいほどだったし、子供達と作ったというクッキーも美味で持って帰って真空パックで保存したいぐらいだった。
     会ってなかった二週間の事を話し、会話は盛り上がり、バーソロミューは風邪にも似た火照りに、きたきたと内心ほくそ笑む。
     とうしよう。お約束のこの部屋、暑くない? とか言うべきだろうか。
     そうしたらパーシヴァルは空調を下げるだろうし、体調を心配して解散になりかねないのでやめておく。
     ふと、パーシヴァルがすんっと鼻をひくつかせた。
    「……何か、香りがしませんか?」
    「香り?」
     首を傾げて、戸惑ったように問えば、パーシヴァルは「えぇ」と頷いた。
    「柑橘系の、爽やかでとても良い香りが」
    「う〜ん、香水を変えたつもりはないんだが……朝食にみかんがついたからそれかな?」
     パーシヴァルは納得できないようにすんすん香をかぎ、ふとバーソロミューを見る。
    「バーソロミュー、熱でもあるか? 顔色が……」
     パーシヴァルの手が伸びてきて、額に触れる。
     とたん、ぶあっと身体の芯から熱が広がる。
    「平熱より少し高めというぐらいか? 念の為、医務室に……バーソロミュー?」
     額にあるパーシヴァルの手に、自分の手を重ねる。
     このまま頬に移動させ、手のひらに口付けて、フェロモンを撒き散らして乗っかれば、イケる。
     だって彼も熱がある。こちらの熱にあてられている。まだその熱は私より少し低いぐらいだから、私の熱に気づかない。
     奪えばいいと、彼の罪悪感に付け込めばいい、そうすればこの清き愚か者は海賊の手に落ちる。
     手に力を込めた所で、「バーソロミュー?」と戸惑った声が耳朶を打つ。
    「……」
     そうなった時、彼は今のように笑いかけてくれるのだろうか?
     笑顔に影がおちないだろうか?
     かけてくれる言葉に罪悪感からくる気遣いが滲みでないだろうか?
     彼の優しさが罪悪感からくるものにならないだろうか?

     それは私が恋して愛したパーシヴァルだろうか?

    「…………」
     私は彼が好きだ。
     狂おしいほど。
     健やかで真っ直ぐで融通が効かなくて、必死で、なのに頭は悪くなくて、気がきいて。
     そのままの彼で愛して欲しかった。愛してくれないから、だから——

    「あ〜」

     バーソロミューはパーシヴァルの手を額から離すと、苦笑する。
    「寝不足がきいたかな? アニメで徹夜をしてしまってね。帰って大人しく寝るとするよ。紅茶、ごちそうさま」
     お礼を言いつつ、残った紅茶を飲み干す。
     その際、持ってきた薬をこっそり一緒に飲んだ。
     席を立つと、部屋まで付きそおうとするパーシヴァルの好意を断る。
    「子供じゃないし、君の恋人というわけでもないだろう? 一人で帰れるよ」
     一人でパーシヴァルの部屋を出る。
     何か言いたげなパーシヴァルを残してドアが閉まる。
     自室に向かい歩きだし、廊下にカルナがいた。
     壁に背をついてこちらを見ている。
    「愚者にならずにすんだようだな。薬は飲んだか? 首輪は?」
    「……あ〜、そうか。カルナもアルファか。匂いでかな?」
     心配して見張っててくれたわけか。優しいな。
    「薬は飲んだよ、首輪はまだ」
     答えると、カルナが何かを放り投げてくる。
     受け取ればそれはオメガ用の首輪で、実はダ・ヴィンチからもらってるんだけどな、とは言わずカルナから貰った首輪をつける。
     第三臨の姿がまだ見えにくいかと、服を編み直すと、カルナがすぐ目の前に立っていた。
     彼の腕が伸びてきて、左手で帽子渡ったかと思うと、右手でグシャグシャと乱暴に頭を撫でられる。
    「辛いな」
    「何を言っているんだ? 海賊だよ? フェロモン事故を狙っていた悪党の。辛いとか、そんな事は……」
     ない、と言おうとしてボロリと涙が溢れる。
     ボロボロ滂沱の涙が溢れて、床にシミを作っていく。
     もう伊達男とかプライドとか知った事かとボロボロと「カルナァ」と泣けば、カルナは「よし」と言って、バーソロミューの手を引いて歩きだす。
    「相場は決まっている。旅行とやけ食いだ」
     いつの間にかドゥリーヨダナとアシュヴァッターマンもいた。
     ドゥリーヨダナなどはあまり汚い顔をさらすなと頭から布まで被せてくれる、ってコレ高いだろ? やめてくれ、鼻水つけたくない。
     そんな感じで連れて行かれたシミュレーター先はインドで、バーソロミューは食って飲んで観光してと旅行を楽しんだ。


     同じ相手に二度目となる失恋。
     よしもう諦めよう——とはならなかったが、フェロモンを不特定多数に撒き散らすのは良くないと考えた。風紀もそうだが、アルファのサーヴァントに何かあってはカルデアの戦力に影響がでる。
     なのでバーソロミューはダ・ヴィンチに連絡をした。

    「サクッと頸を噛んで、放置してくれるアルファとか紹介できないかい?」

     まだパーシヴァルを諦めきれない。彼は真面目なので身体関係は倫理的に不味いが、番関係ならフェロモン云々、マスターの為云々で仕方なかったが通りそうだという判断から。
     ダ・ヴィンチの返答は、「じゃあ見合いだね」だった。
    「いやそういう面倒なのでなくて、サクッと噛んでサクッと別れる五秒ぐらいで終わる感じのがいいな」
     とバーソロミューが望むも、「書面で契約しといた方がよくない?」と言われ、そりゃそうだと納得した。
     契約、大事。
     そんな感じで見合いが決まり、相手が決まり、日程が決まった。
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    nekononora

    DONEパーバソ♀→パー+バソ♂(入れ替わり)→パーバソ♀
    お題:君じゃないと嫌、◯◯越し
    時間:1h +2h
    事前作成
    先天的女体化のちの男体化のちの女体化。
    バソ♀の方は終わりで、バソ♂の方は次のワンドロにするか、支部にまとめる時に追加するか悩み中。
    私と貴方と貴方と私⑤ おはようございます、こんにちは、こんばんは。元は女だけれど並行世界の男と精神が入れ替わちゃったバーソロミュー・ロバーツです。
     彼氏である円卓第二席のパーシヴァル・ロバーツに勘違いされてしまい、誤解を解く為に管制室にいた並行世界のパーシヴァル・ロバーツの所に足を運びました。何もなかったと書いてもらう為です。
     泣いてません。
     えぇ、泣いてません。
     そりゃちょっと涙を滲ませていた方が説得力あるかと頑張ってうるうるさせて、まだ手を出してもらえなくて不安でヨヨヨとしたが、そんなものパーシヴァルなら見抜くだろうという前提だ。
     そんな演技しなくとも、まったく仕方ないなぁと折れてくれると考えた上での演技だ。
     そして誤解は解けて元の世界に帰ったら、『正直に話せば、あちらのパーシヴァルと夜をとぐらつきかけたが、やはり君じゃないと嫌だったよ』とかなんとか良い感じに言って、良い雰囲気を作って、じゃあ一発やろうかの流れにもっていくつもりだった。
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