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    9s0z9

    @9s0z9

    ちょそ推し五悠狂い

    ついったしたごゆの壁打ち置き場にしたくて。

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    7/23(文月ふみ)の日!
    そして23、にーさんの日!

    CPなし九相図ファイヤー!です。何
    現世パロ。弟たちからもらった手紙を大事にとってあるちょそが書きたかった。
    ちなみにちょそはサラリーマンしてて、壊相とけっちーは花屋で働いてる。いつか自分の店を持ちたい。まだ雇われの身。ゆじは高校生。

    #九相図兄弟
    ninePhaseFigureBrothers

     週初め、まだ残り三日も続く仕事を控え、世のサラリーマン達が明日の糧にと酒をあおる夜。
     会話を邪魔しない程度の音量で流れる軽快なジャズに、落ち着いたオレンジの照明。大通りから少し外れた雑居ビルの地下に、そのバーはあった。
     入口に一番近いカウンターの端。見ない日がないくらいの確率で金髪の女がそこを陣取る。そしてその横に、時たまふらりと座るのが脹相だった。
    「なんだお兄ちゃん、今日はやけに洒落たネクタイじゃないか」
    「そうだろう?」
     お兄ちゃんと呼ばれた男——脹相は嬉しそうに口元を綻ばせながらグラスに入った黄金色のビールに口付ける。実際に女の兄と言う訳ではない。昔からの名残で、女——九十九由基は、脹相の事を『お兄ちゃん』と呼ぶのだ。
     事実、脹相は四人兄弟の兄だった。そして言わずもがな、九十九に褒められたソレは弟からのプレゼントだった。
     つい先日、誕生日でもクリスマスでもない、何でもない日。強いて言うなら、一番下の弟が初めてバイトで稼いだ給料日。四男坊の悠仁が、兄達それぞれに『いつも世話になっているから』とプレゼントしてくれたのだ。まだ学生の身分であり齢十五の弟が、自分の欲しいものではなく、こんな金の使い方が出来るなどどうして思おうか。活発でヤンチャすることも屡々あるが、思いやりのある優しい子に育ったものだと、脹相は感慨深くネクタイを見つめているとポケットが震えた。
    「そろそろ壊相も着くそうだ」
    「それじゃあ何か食事でも頼んでおこうか」

     ◇

     壊相が合流して一時間。脹相はすっかり出来上がり、弟が居る所為か、普段に増して饒舌に弟たちの自慢話に花を咲かせる。常人なら照れて言えないような台詞も、普段から面と向かって言う脹相を兄に持つ壊相は手慣れたもので、そんな兄の様子に始終にこにこと相槌を打ちながらウイスキーを嗜んでいた。
    「そうだお兄ちゃん、いつものとっておきのやつ、壊相くんにも見せてあげなよ」
     同じく酔っぱらいの九十九が、脹相の肩を抱きながら高らかにグラスを持ち上げ絡むと、思い出したかのように脹相はスーツの胸ポケットへ手を滑らせる。暫くもたつき、しまいには九十九にジャケットの左半分を広げ持って貰いながら、おぼつかない手つきの中取り出されたのは、数枚の紙。見るからにヨレヨレで、幾度となく繰り返された折り目には亀裂が走り、今にも破けてしまいそうだった。
     壊相は訝しげに脹相の手元へじっと目を凝らす。へらへらと笑いながら、でもとても大事そうに丁寧に広げると、三枚の手紙が姿を現し、壊相の前にズイと差し出された。
    「いいだろ壊相。これは悠仁から。これは血塗から。そしてこれはお前から貰った手紙だ」
     目の前にチラつく手紙とやらに壊相が手を伸ばすも、脹相の手から離れる事はなく、壊相は仕方なく頬杖をついてその手紙を見つめる。どの手紙の字も幼子の書くソレで、何て書いてあるかはパッと見分からない。とは言え壊相は、自分で書いた手紙に見覚えがない事もなかった。
    「兄さん、もしかしてそれ、私が幼稚園の頃に書いたやつ?」
    「そうだ壊相! お前たちが幼稚園の時に『大好きな人へ』と書いてくれたものだ。三人とも俺にくれたんだ。羨ましいだろう? 絵も描いてあって可愛いんだ。ほら、血塗が描いた唐揚げ。壊相のは星の絵で装飾して、とてもオシャレな手紙なんだ。悠仁のは凄いぞ? 俺達が団子のように串に刺さってる。皆俺の自慢の弟たちだ……」
     満面の笑みを浮かべたまま、その視線は壊相から手紙達へと移り、愛おしそうに文字をなぞる。急に大きく感じたBGMは、サックスの渋いテノールが耳を擽り、そんな脹相を脇で優しく見つめる九十九と、珍しく赤面した壊相が、年代物のアードベックスーパーノヴァが入ったグラスを彩った。
     まだてっぺんには及ばない針と共に。
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