Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    sazanka_1031

    @sazanka_1031

    twst⚔♠字書き。

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 21

    sazanka_1031

    ☆quiet follow

    前唐突に晒したSS。シルデュがお互い運命じゃないけどそれでもお互いがいいって思う話。

    #シルデュ
    sirdu
    #SS

    【SS】お前の運命は俺じゃない【シルデュ】「……すいません、愚痴ばかり言って。ちょっと、不安になっちゃってたみたいです。やっぱり、僕は先輩とは釣り合わないっていうか、運命……とか、お似合いじゃない、って、どうにも悪い方にばっかり考えてしまって……」
     ダメですよね、と誤魔化すように笑うと、シルバー先輩の手に、強く腕を掴まれた。その表情を見た瞬間、僕は驚いた。だって、その目には、見たことのないもの……涙が浮かんでいたから。
    「お前は、……お前は、いつもそうだ」
    「……え?」
    「きっと自分は運命の相手じゃないと悩んでいるのも、もっと傍にいたいと願ってしまうのも、いつか離れる日を考えて、それに涙しているのも、お前は、自分だけだ、自分ばかりだと思っているだろう……っ!!」
    「……先輩」
     僕は、思わず息を呑む。だってそれは、いつも冷静で穏やかなシルバー先輩の口から、初めて僕に向けられた、激情とも呼べる、激しい濁流のような、心の中からそのまま真っ直ぐ刺してくるような、熱い感情。
    「俺にも、お前にも! もう運命の相手と呼べるような人は、他にいるのかもしれない! だけど、それでも、今ここにいる俺は、お前の手を取りたいんだ!!」
     シルバー先輩は、僕を抱きしめる。強く、強く。どこにも行かないように、離れていかないように。
    「どうしようも、ないんだ。この先、たくさん離れることになってしまったとしても、それでも、やはり、お前と……限られた人生の中で、できるだけ多くの時を、過ごしたいと思ってしまうんだ。お前にもやるべきこと、やりたいことがあるのに、お前の生きる中の、その時間を、俺が……俺だけが、少しどころではなく、もらってしまいたいと……そう願ってやまない夜を過ごしたことが、もう何度もある……」
    「シルバー先輩……」
     はあ、と一息つくと、シルバー先輩は目元に滲んだ涙を片腕でぐいと乱暴に拭った。
    「難儀な性格で、すまない。もっと都合がよく、要領よく生きて、そういう性格で、別の形で出会えたら……もっと、お前の傍にいてやれたのかもしれない。お前を、こんなに不安にさせずに済んだのかもしれない。そう思うと、取り乱してしまった」
    「……そう、なのかもしれない。だけど、今、ここに僕が生きて、出会って……好きになったのは、ここにいる、シルバー先輩です。僕の方こそ、不安になってばかりで……すいませんでした。こんなに僕のことを、好きでいてくれるって、分かってなかった。分かってなかったんだ……」
     今度は僕の方が、涙をぐっとこらえながらシルバー先輩を抱きしめる番だった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    たまの

    SPOILERここにいるよああ、これが、俗にいう「桜にさらわれる」ってやつかぁ、なんて。あたしは思ってたんだ。

     この冬は色々あって。
     ……ホント、説明が難しいくらい色々あって。
     ケンが、たまに遠い目をするのは、今に始まったことじゃないんだけど。
     その原因を、事件を、あたしと亜己ちゃんは目の当たりにすることになって。
     あたしじゃどうすることも出来ないんだなって。大事な同僚なのに、苦しんでるの分かるのに、ただただ自分が無力で、痛いくらい。
     今でも、思い出すだけで苦味がこみ上げる。でも、ケンにとってはきっとそれ以上の苦しみだったから、あたしはもう、何も言えなかったんだ。
     亜己ちゃんが背中押してくれなかったら。
     あたしは押し黙ったまま、潰れてたかもしれない。ここにいるよって。あたしここにいるよって、やっと言葉に出来て。ゆるやかに、氷が溶けるみたいに、あたしたちは日常へ戻ってこれたけど。
     冬が終わりを告げて、春めいた日が続くようになって。
     それでも思い出したように、ひんやりとした気持ちがよみがえる時がある。
     静かに桜を見上げているケンの背中を目で追いながら、あたしの気持ちどんだけ届いたのかな、自信 1172

    あかぎ(利便事屋のすがた)

    DONE初詣SS3人目はイレイナ√です。このSSはデート気分が味わえるようにあえて舞台背景は現代の初詣の状況に合わせてます。ご了承おば。後はデミア√を残すのみ!突然ですがここで問題です。今、隣にいる灰色の髪を綺麗に結い上げた麗しき和服美人は誰でしょう?
    「そう、私です」
     弾むような声色でこう答えたのは今、一緒に初詣の後のお楽しみ‥屋台巡りを楽しんでいる灰色の魔女イレイナ。
     今日の彼女の装いも新たな年への澄み渡る気持ちに合わせたかのように鮮やかな瑠璃色の振袖で柔らかな色合いの花の模様があちこちにあしらわれている。それに加え、帯飾りの魔女の証、帯揚げの飴色に輝くファイアアゲートのブローチ、袖や襟からちらりと覗かすレースの飾りもこの振袖の魅力を十分に引き出している。
     イレイナ自身も自他共に認める美貌だけでなく、最年少で魔女になる位の才能に溢れた才色兼備という事もあり、すれ違う度に道行く人の視線をも引き付けている。
     まさか新年早々からこんなにも素敵な娘と一緒に初詣ができるとは神様もどでかいお年玉を用意してくれたものである。
     改めて屋台周辺を見渡すと嫌でも飯テロを引き起こす食べ物系、おみくじ同様、運試しの要素もある遊び系、中にはマッチョの奇術師によるパフォーマンスなんてのもあってとてもじゃないけど一日だけじゃ全部を回り切れなさそう。
    「ここの 1264