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    sazanka_1031

    @sazanka_1031

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    sazanka_1031

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    前唐突に晒したSS。シルデュがお互い運命じゃないけどそれでもお互いがいいって思う話。

    #シルデュ
    sirdu
    #SS

    【SS】お前の運命は俺じゃない【シルデュ】「……すいません、愚痴ばかり言って。ちょっと、不安になっちゃってたみたいです。やっぱり、僕は先輩とは釣り合わないっていうか、運命……とか、お似合いじゃない、って、どうにも悪い方にばっかり考えてしまって……」
     ダメですよね、と誤魔化すように笑うと、シルバー先輩の手に、強く腕を掴まれた。その表情を見た瞬間、僕は驚いた。だって、その目には、見たことのないもの……涙が浮かんでいたから。
    「お前は、……お前は、いつもそうだ」
    「……え?」
    「きっと自分は運命の相手じゃないと悩んでいるのも、もっと傍にいたいと願ってしまうのも、いつか離れる日を考えて、それに涙しているのも、お前は、自分だけだ、自分ばかりだと思っているだろう……っ!!」
    「……先輩」
     僕は、思わず息を呑む。だってそれは、いつも冷静で穏やかなシルバー先輩の口から、初めて僕に向けられた、激情とも呼べる、激しい濁流のような、心の中からそのまま真っ直ぐ刺してくるような、熱い感情。
    「俺にも、お前にも! もう運命の相手と呼べるような人は、他にいるのかもしれない! だけど、それでも、今ここにいる俺は、お前の手を取りたいんだ!!」
     シルバー先輩は、僕を抱きしめる。強く、強く。どこにも行かないように、離れていかないように。
    「どうしようも、ないんだ。この先、たくさん離れることになってしまったとしても、それでも、やはり、お前と……限られた人生の中で、できるだけ多くの時を、過ごしたいと思ってしまうんだ。お前にもやるべきこと、やりたいことがあるのに、お前の生きる中の、その時間を、俺が……俺だけが、少しどころではなく、もらってしまいたいと……そう願ってやまない夜を過ごしたことが、もう何度もある……」
    「シルバー先輩……」
     はあ、と一息つくと、シルバー先輩は目元に滲んだ涙を片腕でぐいと乱暴に拭った。
    「難儀な性格で、すまない。もっと都合がよく、要領よく生きて、そういう性格で、別の形で出会えたら……もっと、お前の傍にいてやれたのかもしれない。お前を、こんなに不安にさせずに済んだのかもしれない。そう思うと、取り乱してしまった」
    「……そう、なのかもしれない。だけど、今、ここに僕が生きて、出会って……好きになったのは、ここにいる、シルバー先輩です。僕の方こそ、不安になってばかりで……すいませんでした。こんなに僕のことを、好きでいてくれるって、分かってなかった。分かってなかったんだ……」
     今度は僕の方が、涙をぐっとこらえながらシルバー先輩を抱きしめる番だった。
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