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    美晴🌸

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    美晴🌸

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    本丸に顕現してから全然話ができていないふたりの話

    ##本丸軸なふたりの話
    ##くりつる

    春を待つ かぁーん、かぁーん。
     ふたつ、高く鐘が鳴る。その音に、はっと顔を上げて鶴丸は胸を撫で下ろした。ふたつの鐘は、負傷なしの無事帰還。これが重傷者がいようものなら、激しく鐘は鳴らされる。
     それでも念のため確認をと、部屋から身を乗り出して門の方を見た。鶴丸の部屋からは、小さくではあったが門の方を見ることができる。遠く、笑い声が聞こえるくらいだったから、本当に怪我はないのだろう。ようやく鶴丸は安心して部屋の中へと戻った。
    「出迎えに行けばいいじゃん」
     と、呆れた様子で太鼓鐘が言うので、できるかよと鶴丸は返した。鶴丸がそわそわと帰還の鐘を待ちわびていたのを、同室である太鼓鐘はずっと見てきたのだ。ずっと、というのは今日に限ったことではない。数日どころでもない。何年も、何年もだ。
    「もうとっくに愛想を尽かされてるかもしれないし……」
    「そんなはずないだろお」
     弱気な鶴丸と、呆れながらも励ます太鼓鐘。こんなやりとりも、太鼓鐘が顕現してから数年、続けられている。それでも付き合ってくれるのだから、いいやつだなと鶴丸は思っている。太鼓鐘にこそ、愛想を尽かされてもおかしくない。
    「それよりも鶴さん、今日飯番だろ。忘れてたらみっちゃんに怒られるぜ」
    「そうだった!」
     飛び上がって、急いで部屋を飛び出す。この間の当番の日はすっかり忘れて昼寝をしていたら、わざわざ燭台切が迎えに来たのだ。あのときの顔ときたら。思い出すだけで恐ろしい。少し足早に厨へと向かっていたせいで、廊下の角を曲がってきた影に全く気づかずにぶつかってしまった。いや、向こうからすれば飛びだしてきたのは鶴丸の方なのだろう。たたらを踏んで、すまない、と謝る。
    「怪我、は……」
     そこまで言ったところで、目を見開く。目の前にいたのは、帰還したばかりの大倶利伽羅だった。出陣による怪我も今ぶつかったことによる怪我もない様子だったが、出陣先で雨に降られたのだろう。髪がしっとりと濡れている。いつもは帰還すればまず先に自室へと向かうことを知っていたから、完全に油断してしまった。
    「怪我はない」
     短く、大倶利伽羅が言う。それは怒っているようにも不機嫌なようにも感じるし、特に気にしていないようにも感じる。もともと言葉も多くなく、無表情なことのほうが多いから、感情が読みにくいのだ。昔は、それでも手に取るように彼がなにを考えているかわかったのに。
    「その、えっと、おかえり! 怪我はないようでよかった! ゆっくり休めよ!」
     噛まないでよかった。大倶利伽羅が口を挟む余裕がないくらいに早口で告げ、背を向けて全力で走る。わかりやすく、避けている。こんなやりとりも、これで何度目になるやら。
     久しぶりに話せた喜びと、それなのにまともに会話ができなかった悲しみと。心の中で混ざり合って、厨に着いたときには半泣きになっていた。情けない。これが平安刀の姿か。
    「うわ。鶴さん、どうしちゃったの。酷い顔だけど」
    「なんでもない」
    「なんでもなくはないでしょ。もう」
     これでも飲んで落ち着いて、とコップに水を入れて持たせてくれる。冷たい。酒でもないのにやけになって一気に飲むと、確かに燭台切の望み通り、少しは落ち着いたようだった。
    「まだ仲直りできないのかい」
     燭台切は、鶴丸と大倶利伽羅が喧嘩をしていると思っている。何年もに渡る喧嘩だ。ほかの本丸のふたりはここまで拗らせていないから、気にはしているのだろう。
     伊達ゆかりの刀のうち、真っ先にこの本丸に顕現したのは鶴丸で、次いで大倶利伽羅、それから間を置いて燭台切、さらに数年経ち太鼓鐘が顕現した。太鼓鐘がある程度事情を知っているのが、そもそもの発端があの地に共に在ったときに始まっていることをわかっているからだ。
     喧嘩、ではない。喧嘩と呼べるようなものだったらどれほどよかっただろう。
     そしてすべては鶴丸だけが悪い以上、大倶利伽羅に謝ってもらうことなどできるはずもないし、かといって鶴丸が謝るには、あまりにも初動が悪すぎた。
     大倶利伽羅が怒ってくれているのであれば、まだ救いはあった。もう鶴丸についてなにも感じないというのであれば、それは絶望だ。それが怖くて、結局、未だに大倶利伽羅に触れることができない。

    「すごかったんだよな。昔の伽羅と鶴さんがさあ」
     流石に隠し通せないと諦めたのだろう。夕餉を終え、太鼓鐘は燭台切を連れて部屋へと戻ってきた。できれば隠しておきたかったが、鶴丸や太鼓鐘が語らないのであれば燭台切は大倶利伽羅を追求するだろう。そちらの方が避けたい。あんまりにも、大倶利伽羅が可哀想だ。
    「すごいって。そのときから喧嘩していたのかい」
    「そうじゃなくって」
     ちら、と太鼓鐘は鶴丸を見る。逃げたい。今すぐにここから逃げたい。しかしそれを察しているのか、部屋の入り口付近に座っているのは太鼓鐘で、あの速さには間違いなく逃げ切れない。
    「――毎日毎日毎日、飽きもせずにいちゃついてて」
     逃げ切れないけれど、逃げたい。
     顔に熱が灯って、耐えきれずに鶴丸は顔を両手で覆った。燭台切が見ているのがはっきりとわかるが、顔を上げる勇気などない。
     部屋に、沈黙が降りた。
     太鼓鐘の言葉の意味をようやく理解したのか、燭台切が口を開く。
    「え、その。ふたりって付き合ってたの」
    「そうだよ」と太鼓鐘は肯定し、鶴丸も小さく頷いた。
     あれは、まさしく春だった。
     長く彷徨い続け凍てつききった鶴丸の心を溶かしたのは、北の地にいた小さな龍だった。雪解けのあとに花が咲くように、当然のように、鶴丸は大倶利伽羅に恋をしたし、大倶利伽羅もそんな鶴丸に応えてくれたのだった。約二百年、鶴丸と大倶利伽羅は人目を憚ることもなく、それはもういちゃいちゃしまくっていたのである。人間には鶴丸たちの姿は見えないから、文字通りであった。もちろん太鼓鐘のように人間以外の存在には見えていたので、それはもう弄られまくったが、それすら気にならないくらいに、いちゃいちゃしていたのだ。
    「振り返ってみれば、鶴さん、めちゃくちゃチョロかったなあ」
     付喪神感覚でいえば、鶴丸の雪解けなど秒に近いのかもしれない。確かに、チョロかった。あっという間に大倶利伽羅に陥落した。だって、あまりにも可愛く、格好良かったんだもの。仕方がない。
    「それがなんで今、まともに会話すらできてないんだい」
     直球すぎる。うう、と鶴丸は呻く。
     燭台切の疑問は当然のものである。溜め息を吐きながらも代わりに答えてくれたのは太鼓鐘だった。
    「ようするに、反動が酷かったんだよなあ」
     二百年、いちゃいちゃしまくってたのだ。いろんなところを渡り歩いた鶴丸も、ここが終の棲家であると思っていた。あの土地で過ごした日々はあまりも穏やかで、これが永遠であればと願ったのだ。
     しかし、所詮は刀。鶴丸も大倶利伽羅も太鼓鐘も、結局あの地を離れることとなった。それでも、どうにかして折を見ては、会おうと努力したのだ。ずっと共にいることはできなくとも、彦星と織り姫のように、僅かでもいい、顔を合わせようと。魂だけならば、数十年に一度くらい、数刻だけであっても、会えるかもしれない。
     それが却って、鶴丸には、耐えきれなかった。
     昔は、長く誰かと共にいられないと諦めてしまっていた。さよならに慣れてしまったのだ。あの地の二百年は、今度こそ、という思いがあった。だが、そんな都合のいいことなど、なかったのだ。
     ――きみのせいだ、と鶴丸は大倶利伽羅を責めた。
     きみのことを好きにならなければ、こんな気持ちなどもう持つことはなかった。悲しい思いなどしなくてよかったのに。涙を流し続ける鶴丸には、そのとき、大倶利伽羅がどんな顔をしていたのかわからない。
     別れる。きみとは、離縁する。もう縁がないのであれば、もうなにも期待しなくてもいい。もう一度きみと一緒にいられるかもなんて、夢を持たなくて済むんだから。
     大倶利伽羅がなにかを返す前に、鶴丸は逃げ帰った。そうして今度は、何百年も泣き続けたのだ。
     まさか、こんなふうに再会するとは、鶴丸も大倶利伽羅も、思ってはいなかったのだから。
    「でも今は、一緒にいられるんでしょ」
    「それは、そうなんだが……」
     鶴丸がこの本丸に顕現したのは、本丸が開かれた翌日のこと。なにもかも慌ただしい中、もしかしたら、という期待が数百年ぶりに蘇るのを、鶴丸は確かに感じていた。
     ここでだったら、もう一度大倶利伽羅に逢えるかもしれない。
     今まで何度も胸に抱いた期待は裏切られ続けた。けれど、今度こそ。
     大倶利伽羅に、もう一度逢いたい。名前を呼び、呼ばれ、あの龍に触れたいし、この髪に触れられたい。そんな鶴丸の願いが叶ったのは、鶴丸が顕現してから四日後のことだった。
     新しい刀がきたみたいだよ。
     そう誰かが話しているのを聞くたびに、鍛刀部屋へと走った。開かれたばかりの本丸では数時間ごとに鍛刀を繰り返していて、鶴丸は眠たい目を擦りながらもほとんど寝ないで大倶利伽羅が顕現するのを待っていた。
     来る。
     うとうととしている中、そんな予感で鶴丸は飛び起きた。どうしてか、それは確信だった。その確信の通り、鶴丸が鍛刀部屋へと駆けつけると、そこには懐かしい愛しい刀が立っていたのだ。
     名前を、呼ぼうとした。ずっと、逢いたかった。いまでもきみのことを愛している。どうか、きみが本当にここにいるのか確かめさせてくれ。あのときのように、その龍に触れさせてくれ、と。
     抱きしめて、そう言いたかったのだ。
     ――どんな顔をしてそんなことを言える。
     頭を過ったそんな考えが、足を止めた。あんなに、責めたのに。別れるとまで言ったのに。こんな、寝不足で、きみが綺麗と褒めてくれた顔も髪も、ぼろぼろだ。そんな自分が、どんな顔をして逢いたかったなどと言えるのだ。
     ふと、大倶利伽羅が顔を上げた。
     目が合った瞬間、鶴丸は意識せず泣いていた。わ、と零れる涙に驚いている間に、大倶利伽羅が手を伸ばす。その手がなんだか恐ろしくなって、鶴丸はすぐに背を向けて逃げてしまった。
     そうして、ずっと、逃げ続けている。
     大倶利伽羅が顕現し、燭台切が顕現し、太鼓鐘が顕現し、さらに数年経った今になっても、まだ。

     鶴丸が最初に主へ頼み込んだので、鶴丸は大倶利伽羅と一度も出陣も内番も一緒になったことはない。
     なので当然のように、ふたりが会話する機会はほとんどないに等しかった。
     鶴丸がこっそりと大倶利伽羅が出陣するのを見送るのも、出迎えるのも、自己満足によるものだ。出迎えるといってもその正面に立つ勇気まではないので、せいぜい帰還してすぐに湯浴みができるように浴場を掃除して湯を張り替えたり、ふかふかのタオルを用意したりする程度になるけれど。
     一度も、一緒の戦場に立ったことはない。大倶利伽羅が誉を取るたびに誇らしく思うが、彼の戦う姿を見たことはないのが、残念に思う。
     今はこうして再び同じ場所にいられても、折れる可能性だってある。大倶利伽羅が自分の目の届かないところで折れてしまったらどうしよう。そう考えて眠れない日もあった。恋とは恐ろしいものだ。こんなことを考えてしまうから、部隊が分かれているのはよかったのかもしれない。
     ああ、恋しい。愛しい。きみに触れたい。
     けれどきみは、どう思っているのだろう。
     ほかの本丸の鶴丸国永は、大倶利伽羅とどういう仲になっているのだろうか。怖くて鶴丸は万屋に行ったことも演練に行ったこともない。これでほかの本丸のやつがいちゃいちゃしていてもしていなくても、立ち直れない自信がある。鶴丸が今まで流し続けた涙だけで小さな池が生まれそうなくらいなのに、それが湖くらいにまでなってしまうかも。
     もし、もう、自分のことを好きじゃなくなっていたら。
     そう考えてしまって首を横に振る。
     やめよう。眠れる気分ではなくて、鶴丸は起き上がって部屋を出た。太鼓鐘は気づかずにくぅくぅと眠っている。月明かりも入らないようにと、障子をそっと閉めた。
     燭台切に改めて説明すると今がいかに絶望的状況か思い知り落ち込んでしまう。今度こそ話しかけようという勇気は毎回大倶利伽羅の顔を見るたびに萎んでしまった。最初に再会したとき、いっそ泣きわめきながら謝っていたら、こんなことになってはいなかっただろう。この美しい月夜も、きみと並んで歩きながら過ごしていただろうに。
     どうも涙もろくなってしまって駄目だ。久しぶりに大倶利伽羅と会話ができたからかもしれない。あれは会話と呼んでいいものかは微妙なものであるが。
     ぼんやりと歩いていると、誰かが門の方へと向かっているのが見えた。こんな真夜中に、いったい誰だろう。太刀だからほとんど夜目が利かず、頑張って目を凝らす。
    「伽羅坊」
     思わず声が漏れていた。はっと口元を押さえるが、こんな夜中だ。虫の鳴き声や風で木の葉が揺れる音に負けることなく、まっすぐに大倶利伽羅のもとへと鶴丸の呟きは届いていた。
    「――逃げるな」
     鶴丸の意識外で勝手に足は後ずさっていたが、低い声にその足がぴたりと止まる。いつになく強いその瞳に、鶴丸は動けなくなった。
    「なにも言わなくていいから、黙って聞け」
     瞳に宿る力も、言葉も強いのに、鶴丸の頬に触れるその手ばかりが優しくて、鶴丸はまたしても泣きたい気分になった。
    「今から、修行に行く。主の許可は取ってある。光忠あたりが騒ぎそうだから、誰にも見つからない時間に出るつもりだった。……あんたに会うとは思わなかった」
     そんな、という言葉は喉の奥に消える。ずっと鶴丸は大倶利伽羅の出陣を見送ってきたのに、なにもいわずに出ていこうとするなんて。もちろん、大倶利伽羅は鶴丸がそうしていることなど知らない。見送るのは、鶴丸の自己満足によるものだからだ。それでも、こんな大事なことを告げずに修行へ向かおうとしていたことが、悲しい。その程度の関係になってしまったことが、悲しい。
     けれどそんな心を察したのか、大倶利伽羅が溜め息を吐いた。
    「誰にも、と言っただろう。あんたがどうでもよくなったわけじゃない」
     はっと顔を上げる。
     それはもしかしたら、鶴丸がずっと待ち望んでいた言葉かもしれなかった。
     大倶利伽羅の目尻が、ほんの少しだけ細められる。大倶利伽羅自身すらも気づいていないかもしれない、笑みに近いものだった。ずっとずっと、見たかったものだった。
    「もういい加減に飽いた」
     言葉だけだったら冷たく感じる。もう呆れられてしまったのだと、勘違いしていたかもしれない。けれどそうではないことは指先から伝わってくる。
    「あんたが勇気を出す機会を待つのは、飽き飽きだ」
    「きみに……きみに、謝らせてくれるかい」
    「なにも言わなくていいと言っただろう」
     いやだ、と首を振る。ごめんとずっと言いたかった。きみを責めてごめん。ただ、悲しかっただけなんだ。もうあのような時は過ごせないとわかってしまって苦しかった。けれど、こうして共にいるのに会話すらままならないなら、それもまた辛い。自分のせいだとわかっていても、耐えられない。本当に、すまなかった。
     けれど、それ以上に、言いたいことがある。
    「あとは、帰ってきてから聞く」
     あ、と思っている間に、大倶利伽羅の指が離れていく。
     せめて、これだけは、と。鶴丸は離れていく背中へ向かって叫んでいた。
    「いってらっしゃい! 絶対、帰ってこいよ!」
     返事はなかった。いまはまだ、それでよかった。
     数百年ぶりに自分の心に温かい風が吹いたように、鶴丸は感じていた。

    「鶴さん、顔に締まりがないぜ」
     太鼓鐘に指摘され、鶴丸は自分の顔を押さえる。そんなにわかりやすいだろうか。どうにも、付き合いが長い分、太鼓鐘には悟られやすい。ということは、結局のところ大倶利伽羅だって、鶴丸がなにを考えているのか丸わかりだったに違いない。
     もっと早く、顔を上げてちゃんと大倶利伽羅のことを見ていればよかった。そうすれば、鶴丸だって大倶利伽羅が本当はなにを思っているか、ちゃんとわかっただろうに。本当に、あの日、大倶利伽羅が顕現したときに逃げてしまった鶴丸が悪い。逃げてしまったのは急に涙が出たからで、そんな泣き虫にしてしまった大倶利伽羅だって、当然に悪いのだと、責任転嫁する。
    「伽羅のやつ、急に修行に行くなんてな。夜中に行くなんて、らしいっちゃらしいけどさ」
    「光坊は怒ってたなあ。でも帰ってきたら、とびきりのご馳走を作ってやるんだってさ。俺も手伝うぜ。もちろん、貞坊もな」
    「勝手に頭数に入れちゃってさ。ま、いいけど」
     どうにも落ち着かなくて、鶴丸は窓を開けた。途端、秋風が部屋へ入り込み、太鼓鐘が小さくくしゃみをする。悪い悪い、と謝るが、換気はした方がいいだろう。最近、季節の変わり目だからか本丸で風邪が流行っているのだ。残念なことに毎年鶴丸は風邪にかかってしまうのだが、今年はなんとしてでも避けたい。やらなければならないことがあるのだ。
    「秋が来て、冬もあっという間だなあ」
     寒いのは嫌だなあ、と太鼓鐘が呟くので、鶴丸は笑った。
    「でもその先に、春が待ってるんだぜ」
     明日、大倶利伽羅が帰ってくる。
     そうしたら、おかえりと、こっそりではなくちゃんと出迎えるつもりだ。
     そして今度こそ、抱きついて、耳元で言ってやるのだ。
     ずっと会いたかった。きみのことが大好きだ、と。




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