それは鳥だけが知っている*Information
・現代パロ
・セイバーが鳥
・伊織が恋愛事に対して鈍感
・伊織←モブ描写が少し有ります
ご了承の上お読みください
踏む度にたん、たん、と音が響かせる階段を伊織は無表情で登っていく。慣れたルーティーンではあるが今日は少し足取りが重い。
(些か買いすぎたか?)
足の動きに合わせて、途中で立ち寄ったスーパーのビニール袋ががさりと大きな音を立てた。いつもならここまでに満杯にはならないが、特売で安くなっていたので買いすぎてしまった。店売りの呼び込みに反応してしまったのは安易だったなと反省しながら、過去の記憶を辿る。まだ冷蔵庫には余裕があった筈だ、恐らく入り切るだろう。そうして買った食材をどうするか考えていると学生寮にある自分の部屋の前まで辿り着いた。後は実際に見てから決めるかと一旦考えをやめると、背負っていたリュックのポケットから梅結びの飾りの付いた鍵を取り出した。
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