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    門キラ手紙本没ネタ、これで最後。ここから完成稿へ繋げるつもりでした。

    Dear Deer, From Moyuk -4-【街中】
    ・前ほどキラウㇱと目が合わないが、それでいい
    ・独りで出かけていた門倉、先に宿を出ていたキラウㇱを見かける
    ・声をかけようとしたら同じアイヌらしき見知らぬ男と連れ立っている。同族ということもあり、仲は悪くなさそうだった。、打ち解けた様子で笑っていた
    ・ついつい後を追えば、そういう「蕎麦屋」に入っていく
    ・はあ? 喉まで出かかった
    ・ただの飯屋と勘違いしてる可能性もある
    ・止めようとしたら、キラウㇱは誰かと階段を登っていく
    ・視界がふらつく
    「ちょっと、あんた」
    ・店の主人に止められながらも階段を登る
    ・部屋から聞こえる会話はアイヌ語でわからない、が
    ・『エラマス(好き)』密やかな笑い声
    ・接吻らしき水音、衣擦れ、か細い喘ぎ
    ・頭が真っ白になったところで、ぐいと後ろへ引っ張られた。用心棒らしき屈強な男が、尻餅をついた門倉を睨んでいた
    ・どうやって宿へ戻ったか覚えていない。ただ、暖簾をかけようとしていた店員を押し除けるように居酒屋へ入って安酒を煽りに煽った、その結果は。

    【宿】
    「……痛ってえ……」
    ・案の定、酷い頭痛に苛まれる
    「起きたな、酔っ払い」
    ・宿の座敷で寝ている門倉のそばで胡座をかくキラウㇱ
    「玄関で倒れていたお前をマンスールが連れてきてくれたんだぞ」
    「そりゃどうも……」
    「限度くらい弁えておけ。次は凍え死ぬぞ」
    ・キラウㇱの正論にカチン
    「見せつけてきたのはお前じゃねえかよ」
    「何を言ってるんだ?」
    「とぼけやがって。お仲間と仲睦まじく蕎麦屋の二階へ上がっていったくせに」
    ・キラウㇱ、目を見開く
    「俺が誰とオチウしようが、門倉には関係ないだろ」
    「あるに決まってんだろ! ……えっと、その、ほら、あれだよ……性病もらってきたら医者に連れてかなきゃいけねえし……」
    ・キラウㇱの目が冷え込む。自分でも最悪の言い訳だと反省するうち、
    「門倉」
    ・顔を覗き込まれた
    「お前は俺とオチウできるのか?」
    「オチウって何だよ」
    「目合い」
    ・今度は門倉が目を剥いた
    「俺で勃つのか? 口を吸えるのか? 尻の穴をほじって、挿れて、射精できるのか?」
    ・答えられない門倉に、無言で手を差し伸べられた
     据え膳だ。それくらい察せないで、内通者を気取っていたわけではない。
     だが、握って、口を吸って、服を脱がせて、抱いて、その先はどうなる。
    ・キラウㇱを幸せにできる確証を持てず、結局手を取れない門倉をキラウㇱは責めるように睨み、
    トゥラムコロ クル臆病者
     意味は問わなかった。どうせ罵倒だろうから。
    「早く食え、いつまで経っても片付かない」
     鮭と青物の汁物が盆に乗って置かれていた。
     木製の匙で掬って、ずず、と啜る。
    「……冷めてんじゃねえか」
     ぼそりと呟いて、もう一口。旨いは旨いが、少しばかり塩辛い気もする。後で文句をつけてやろうと腹づもりしながら、キラウㇱが拵えてくれた糧を食う。
     綺麗さっぱり空になった木椀を、盆へ置く。
    「……はぁ……」
     溜息が漏れ出る。相変わらず酷い頭痛がする。
     抱いたのか、抱かれたのか。口振りから察するに、後者だろう。
     あの朴念仁は、白昼の座敷でいかなる痴態を晒したのだろうか。
    『……ッ……』
     押し寄せる快楽に耐えるように固く唇を噛むのだろうか。あるいは、
    『あッ、あ、ん、あ、きもちい、もっと欲し、あ、あんッ、あぁああッ‼︎』
     薄い布団の上でしどけなく乱れながら、己を肉棒で貫く相手を無我夢中で掻き抱くのだろうか。
     身震いがした。股座が熱を帯びていく。
    「ッ、ぐ、ぅ、う゛、う゛う゛ッ……!」
     止められない。否応なき衝動に流されるまま自らを扱き立て。
     掌に、虚しい濁りを放った。
     
     
     
     
     その後海を渡った。『朋友』達と映画を撮った。凶運の星の下に生まれた男の人生は、波乱万丈のうちに幕を閉じる。
     
     
     
     はずだった。
     
     
    【アメリカ、アパート】
    「なんだ、これ?」
     荷物整理の手が止まる。古ぼけたトランクの奥底から門倉が引っ張り出したのは、幾重にも折りたたまれたり古い紙切れだった。
    ・妙に皺が寄っているそれは、昔パクったまま返せなかったアイヌ語で書かれた手紙
    「取っとくなよ、こんなもん」
    ・苦笑する門倉の脳裏によぎり出す
    『カドクラ』
    ・包み隠さず侮りをぶつけるキラウㇱ
    『カドクラ〜』
    ・無邪気に笑うキラウㇱ
    『門倉‼︎』
    ・凶運に巻き込まれた門倉を案じるキラウㇱ
    『……門倉』
    ・思い詰めた表情で何かを告げようとしていたキラウㇱ
    『門倉』
    ・穏やかな笑顔のキラウㇱ
    ・手紙を持つ手が震える
    ・階段を駆け降り、ぜえはあと雑貨店へ駆け込む
    「び、便箋と封筒……あいむ るっきんぐ ふぉわーど れたー らぃてぃんぐせっと、……ぷりーず……‼︎」
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