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    ige543kan

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    ige543kan

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    1/26 2冊目進捗③
    仔ゲゲにおいしもの食べさせたいだけ

    #水父
    #仔ゲゲ

    かがやきを閉じ込めて  (金平糖)いつもよりも軽い足取りで退社して家を目指す。
     ちらりと仕事鞄の中を覗けば、かわいらしい桃色の巾着が目に入った。自分には似つかわしくないそれは、留守番してるいい子へのお土産だ。早く、早く帰って食べさせてやりたい。どんな反応をしてくれるだろうか。喜んでくれるだろうか。期待に胸を膨らませながら帰り道を急いだ。

    「ただいま」と玄関の扉を開ければ、居間から「おかえり」とゲゲ郎が顔だけ出して迎えてくれる。靴を脱いで自分も居間へと入ると、鞄の中からずっと出番を待っていた桃色の巾着を取り出した。
    「ほら、今日は土産があるぞ」
     そう言って目の前にぶら下げれば、興味津々な視線が巾着へと注がれる。「手を出して」と言えばすぐ両手で皿を作ってくれた。本当に素直でいい子だな、と少し笑ってその上にぽんっと巾着を乗せてやる。
     大事そうに、胸の位置までそれを下ろして眺めるゲゲ郎。
    「開けてみろよ」
     促せば、赤色の紐がゆっくりと解かれ、袋の口が開く。中には白や黄、緑、橙、青などの色とりどりの粒が入っていた。
    「なんじゃこれは!」
    「金平糖っていう砂糖菓子だ」
    「こんぺいとう…!」
     初めて出会ったものへの興味を隠さずに俺の言葉を繰り返す。袋の中から一粒つまみ出すと、くるくると手首を回しながらそのデコボコとした不思議な形を観察した。
    「おもしろい形をしておるのう」
    「だよな、俺もどうやって作ってるのかは知らないが」
    「それに、きらきらしてて、まるで宝石みたいじゃ……」
     うっとりとした表情で部屋の照明にかざしながらそう呟くゲゲ郎に、なるほどその発想は無かったな、と子どもらしい視点に関心する。
    「食べてみろよ」
    「ああ!」
     ぱくっと先ほどまで観察していた一粒を口に含んで舌で少し転がした後、
    「甘い!」
     とその丸い瞳をきらきらと輝かせてそう言った。
     そりゃ良かった、と帰り道で想像していた以上の反応をしてくれて俺も満足する。
    「甘い!こんなに甘い宝石もあるとは……!」
     目をぱちぱちさせながら嬉しそうにそう言って次の一粒へ手を伸ばすゲゲ郎。
     瞼が開かれる度にきらきらと除く赤がまるでルビーみたいで、その瞳こそ宝石箱に閉じ込めておけたらいいのになと思った。
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    AKtyan5560

    DONE某殺人鬼の子孫のパロなんですが本編を知らなくても読めます。
    水木の家系には殺人鬼がいた。史上最悪の一人に数えられるその人物は水木を呪い人を殺せと囁く。村へ行く中で水木の中に湧き上がる殺人衝動が限界になり、ゲゲ郎へと話してしまう。ゲゲ郎はその殺人の真似事の行為を受け止めると言と水木に言った。
    ※水木の先祖に殺人鬼がいる
    ※水木に呪いがある
    ※水木が望んでない殺人衝があり
    ※父の首を水が絞める
    のろいあいむかしむかしある国で、四百人を殺した快楽殺人鬼がいた。その殺人鬼は二本の鎖を使い、長い鎖で吊し上げ動けなくし、もう一本の鎖で喉元をゆるりと絞めながら段々と強くしていき、最後には息が止まり死ぬ程の苦しみ藻掻く様を楽しんでいた。男は後の未来で映画にもなる程の最悪の殺人鬼の一人に数えられ、現代に語り継がれている。
    時は昭和三十一年血液銀行に勤める男がいた。
    男は兵隊上がりで祖国に帰ると国に絶望し、成り上がろうと野心を持ち今迄やって来た。そしてそれは彼の中に眠る"ある衝動"も強めて行った。
    世の中にはある能力を受け継いだ殺人鬼の子孫達が存在する。世間の人達は知らず、醜聞と言う組織に管理されたその子孫達にはある共通点があり、過去に名のある殺人鬼が居た事だ。
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