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    ige543kan

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    ige543kan

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    1/26 2冊目進捗④
    仔ゲゲにおいしもの食べさせたいだけ

    #水父
    #仔ゲゲ

    分け合う一口(たい焼き)夕飯の買い出しを終えた帰り道、どこかから漂ってきた香ばしい匂いが鼻をくすぐった。
    「いい匂いがするのう」
    「あ、あれじゃないか、たい焼き屋」
    「ほんとじゃ!」
     指さした方に赤い暖簾を見つけると嬉しそうな声をあげるゲゲ郎。買って帰るか、と屋台の方に足を向けた。
     店頭に示されている味は2つ。
    「どっちにする?」
    「今日はかすたぁどの気分じゃ」
    「ん、じゃあ俺はつぶにするか」
     店主に注文を伝えると、気のいい返事とともに型に生地が流し込まれていく。火が通るとふんわりと膨らんできて、それぞれの具が乗せられていく様を興味深そうにゲゲ郎が見ていた。たしかに、こうやって目の前で作られていく工程を見るのは面白い。
     お待ちどお! とまた気のいい声とともたい焼きが紙に包まれて渡された。二人でお礼を言って、味が分かるようにと白いシールが貼らている方をゲゲ郎に渡す。
     熱々のそれを臆することなく口に入れて「うまい!」 と声を上げるゲゲ郎。それに倣って俺もかぶりついた。お、端まであんこぎっしり詰まってる。うまいな、と少し味わったところでゲゲ郎の顔の前に差し出す。
    「ほら、一口やるよ」
    「ん! ありがとうなのじゃ!」
     嬉しそうにそう言ってはぐっとかぶりつく。少し咀嚼してまた「うまい!」と声を上げた。
    「わしも! わしのも一口やる!」
     俺の口に届くように腕をぐっと伸ばして自分のを差し出してくれる姿がなんだか健気で、ありがとな、と言ってちょっとだけ高さの足りないそれに首曲げてあぐっとかぶりついた。口の中にクリームの甘さが広がる。うまいな、と言えばまるで自分が褒められたかの様に嬉しそうな顔をした。
     こうやって味を分け合えるのも二人でいるからこそで、良いもんだよな。そう思いながら夕暮れの帰り道を歩いた。
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    お惣菜

    DONE目岩夫婦がただイチャイチャするお話です。
    映画のネタバレガッツリ含みますのでご注意下さい。
    かくれんぼ酒の勢いで思い出した、遠く儚いあの頃の記憶。儂の妻・岩子は幽霊族でありながら人間を深く愛しておった。人間は恐ろしい。自分達の命、そしてご先祖の命までも奪おうとする傲慢で強欲な生き物。なのに岩子はそれをまるで道端に生えている花や草のように優しく優しく愛でていた。儂には到底分からないこと。夫と妻という関係になってからもそれは変わらなかった。

    「ねぇ あなた
     今日は雨だそうですよ」
    「むう そのようじゃのう」
    「ふふ 猫ちゃんが来てくれないのはそんなに寂しい?」
    「ふむ ちぃとな」

    とつまらなそうに猫じゃらしをヒラヒラさせるゲゲ郎。親指と人差し指で挟めてしまいそうな薄い唇を突き出してシトシト振る雨を見つめ、ついには肘枕をついて完全に暇をもて余していた。大きな体をしているのにどうしてこうも子供らしさが抜けないのだろう、この人は。そんな事を考えながらちゃぶ台にあるせんべいにかぶりつく岩子。するとその音に釣られてゲゲ郎が這いつくばりながら此方へ向かってきて、一体何を食べているのかを問う。おせんべいというのよあなた、と教えてあげると目をくりくりさせて赤い瞳がキラキラ輝いた。岩子はもう一口せんべいを口にして、これかもしれないと確信した。
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