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    ヒモ×配信者パロ、最終話。
    たぶん。その後のコラボの様子とかも書きたくなりそう。
    でも自分で妄想書くようになってから、他の人たちの神作品が読めなくなってしまって非常に痛い。書くか読むか。どっちかしか出来ないのか。読みたい。でもすごすぎて読めない。

    #sonnyban
    inSonny

    ヒモと配信者③翌日、眠い目を擦りながらのカフェ出勤日。
    そんなに混んでいなかったので、ぼーっとしながら昨日のことを思い出す。夢って叶うんだなぁとか。おにぃ狂ってたなぁとか。だけどいつか、今度はぼくのチャンネルに呼びたい!とか。

    今日空いてるし店長ぼーっとしてるし、裏でゆっくりしてていいですよ、なんて言われてしまった。そうは言っても、裏でのデスク仕事は溜まってないし、外回りの掃除でもしようかと裏口から外へ出る。裏を掃除してから、店の表にもまわって掃除を続けた。
     
    ふと、斜め前のカフェに目を向ける。あちらも今日はそんなに混んでいないんだな、とさりげなくチェックしてしまう。そんなにジロジロ見るつもりじゃなかったけど、ふと気になる人物が目に入り、思わず目を細めてじっとみつめる。
    あれ、サニーじゃない?あのキレイな金髪は、黒いキャップを被っても完全には隠せない。それに、遠くから見ても目を惹くほどのイケメンぶり。窓際からひとつ奥のテーブルで、ノートパソコンを開いてる。
    どうしてこんなところに…と思う暇もなく、サニーの目の前に女性がやって来て座った。サニーは少し顔をあげて挨拶をしたようだ。それからしばらくすると、サニーはノートパソコンを閉じて女性と喋り始めた。なんか楽しそうだ。それに仲良さそうだな。あれ、なんかサニーかわいい顔してる。ん?照れてる?何それ。そんなかわいい顔、ぼく見たことない!!
    え……うそ、手…手首を…がっしりと…握ってる?あれ、え、そう言うこと?
    ただの知り合いにそんなかわいい顔見せないし、手も握らない…よね?つまり……え……?
     
    「……テンチョー、店長!!ねぇ、聞こえてます?」
    気づけば真横にアルバイトの女の子が来て、ぼくの顔を訝しげに覗きこんでいた。
    「あ?あ、ごめん、なに?」
    「いや、なんか店の前で突っ立って怖い顔してたから……掃除変わりましょうか?」
    「ごめんごめん、大丈夫。もうほとんど終わったしぼちぼち戻るね」
    笑顔が引き攣ってるのが自分でもわかる。
    サニー、こんな近くに帰って来てるのにぼくの家に来てくれなかったの?とか、その女の人誰?とか、なんでそんなに楽しそうなの?とか、暗い気持ちに引っ張られて足元から崩れ落ちそうだ。何よりも気になるのは、ぼくの家にいない時はいつもその人と過ごしてた?もしかして恋人?ってこと。
    あぁ、いやだ。何も考えたくない。
    足早に裏口から店に戻る。
    アルバイトの子たちが、さっきまでぼーっとしつつも幸せそうだったのに急に地獄みたいな顔をしてるぼくを見て驚いている。そのうちの1人、オカンキャラの女の子に「店長、顔色悪すぎ。今すぐ帰ってください」と、店を追い出されてしまった。
    あぁ、今はひとりになりたくないのにな……

    家に帰っても、当然サニーはいない。大きなため息をついて、ソファーに身を沈める。
    暗い気持ちなのは変わらないけど、今は眠気が勝りそうだ。昨日は遅くまでコラボ配信してたし、少し横になろう。寝たら気分もマシになるかもしれない。
    ソファーに横たわると、すぐに強烈な眠気に襲われて、もう暗いことを考えている余裕もなくなった。うん、寝てしまおう。寝たら元気が出て、今夜もきっと配信ができるはずだ。

    夢を見た。サニーが帰って来る夢。
    ソファーまで来てぼくを見下ろすサニー。でもサニーだったはずの顔はいつの間にかボヤけて、オニオンが使っている玉ねぎを頭に乗せたキャラクターに変わっていた。オニオンは、本当の名前を知らないはずなのにぼくのことを「あるばん」と呼ぶ。
    「あるばん、昨日のコラボのお礼……」
    と言いながら、ぼくの手を取り左手の薬指に指輪をはめる。
    「受け取ってくれる?」
    と問われても、ぼくはソファーの上で体も動かせなければ声も出せない。
    夢の中ながら、ぼくはとても複雑な気持ちになった。大好きなオニオンに指輪をもらう喜びと、大好きなサニーに恋人がいるかもしれないと言う悲しみを同時に感じている。
    嬉しいことも、悲しいことも、全部夢ならいいのに。そう思うと、涙が流れて来る。
    こんなに嬉しいはずの夢の中でも忘れられないほど、ぼくはサニーのことが好きなんだ。

    「うぅぅぅ、うぇっ…うぇーーー」
    自分の唸るような泣き声でパッと目が覚める。夢の中の気持ちも、眠る前の暗い気持ちも全部混ぜこぜになって、涙が止まらない。
    「ぅわーーーーーん、ぐすっぐすっ、うぇっっ」
    「あぅばん!?どうしたの?何があったの?」
    サニーがソファーの前に腰を下ろして、ぼくの顔を覗き込んでいる。
    「ぅえ?あぅーーーなんでぇ、さにぃがいるのぉーうぇーーー」
    まだ半分夢の中のような気持ちで、泣き叫ぶように聞く。
    「なんでって、帰って来たらあぅばん寝てて、しかも泣き始めたからびっくりしたよ。怖い夢でもみたの?」
    サニーは優しくぼくの目元の涙を拭ってくれている。
    「こわいよぉーうぇーーーさにーに、恋人、いるのーーー」
    起きたてで頭が回らず、馬鹿正直に答えてしまう。
    「は?何言ってんの?いるわけないでしょ?」
    涙を拭ってくれていたサニーの手が、ぼくの頬をそっと撫でる。
    「俺が好きなのはあぅばんだけだよ?ね?だから泣かないで」
    好き……?
    これは、まだ夢の中なのか?混乱してきた。
    「うそだ、そんなの」
    「ほんとだよ」
    「さっきの女の人が好きなんでしょ」
    「さっき?はぁ?だから、あぅばんだよ、俺が好きなのは」
    「信じないもんっ。だって手握ってたじゃん!」
    「手?はぁぁ?んー……ねぇ、あぅばん、左手見てみて」
    言われるままに左手を少し持ち上げて見てみる。左手の薬指に指輪が……ない。うん、だから、夢だったんだよね、やっぱり。
    でも何かいつもと違う。あ、ブレスレットだ……左手首に身につけた覚えのないブレスレットがはまっている。
    「あぅばん、昨日言ってたプレゼント…」
    「きのう?プレゼント??へ???」
    よく見ると、いつもサニーがつけているブレスレットによく似ている。これを、さにーが、ぼくに?でも昨日言ってたってなに?どう言うこと?
    「はぁ……あぅばん、あれだけ喋っても俺の声わかんないんだね」
    「?」
    よくわからないけど、とにかく体をゆっくり起こす。本格的に目は覚めて来たけど、まだサニーの言ってる意味はわからない。
    「ねぇあるばん、オニオンのこと好き?」
    サニーがぼくの横に座りながら聞く。
    「うん、すき…」
    「じゃあ俺のことは?」
    「……大好き……」
    「うん、俺も」
    「え……」
    「オニオンもサニーも、あぅばんのこと大好きだよ」
    「?????」
    頭をわしゃわしゃと撫でられる。
    「だからもう泣かないでね」
    おでこに優しくキスされた。

    パニックだ。顔もカーッと熱くなるのを感じる。
    「なに?え?まさか…え?」
    「はは、あぅばんかわいい。鈍感でかわいい。昨日の配信、楽しかったね?」
    「……!!うそでしょ、なんでぇ、さにぃ……なんで、どう言うことぉ?ぼくのことだましてたのぉ?」
    相変わらずの涙声でサニーに詰め寄る。
    「だっっっ騙してたって言うか…黙ってたのは悪かったけど……あれだけ話せばすぐバレると思ってたから……ごめん、あぅばん、泣かないでよ」
    サニーはぎゅっとぼくの肩を抱き寄せた。
    「でも何も気づかずに俺のこと色々しゃべってくれたからラッキーだったな」
    「うぅぅぅぅぅぅ、さにーのばかぁ!ぅえーーー!」
    恥ずかしさを誤魔化すために大袈裟なくらいの声を出して、抗議する。
    「ごめーん、あぅばん。でも俺うれしかったんだもん。あぅばん、いつも俺の前では本音言ってくれてない気がして」
    「うわーーーーーん」
    「ごめんね、あぅばん、許して?どうしたら許してくれる?」
    「うーーー」
    「何して欲しい?何か欲しいものある?」
    「うぅぅーーーー」
    「なんでも言って?俺あぅばんのためなら何でもするよ?」
    「……ゆびわ……」
    咄嗟に、さっきの夢に引っ張られて変なことを口走ってしまう。
    「え…指輪?受け取ってくれるの?本当は今日指輪用意したかったけど、サイズわかんないし断念したんだよね。すぐ買ってくる!!」
    「さに!こら、待って!」
    腰を上げかけたサニーの服の裾を引っ張って引き留める。
    「……1人で行ってもぼくの指のサイズわかんないままでしょ、ばか……」
    頬をぷくっと膨らませる。
    「ゔ……あぅばん、かわいい……」
    「もぉ、さに、おにぃみたいなこと言わないでよ…」
    「だってずっと言わずに我慢してたから…オニオンなら顔も見えないし言ってもいいかなって…」
    「なにそれぇ…もう…何がどうなってるのぉ、ぼくまだ夢の中にいるのかなぁ」
    「夢じゃないよ、あぅばん。あぅばんの大好きなオニオンは、あぅばんの大好きなサニーだったんだよ」
    「うぅぅぅぅぅ同一人物ぅぅぅぅぅ…さにぃのばかぁーーー」
    「にゃははーごめんねあぅばーーん」
    「うぇーん、ぜんぜん反省してないでしょぉーー、ゆるさないもん、全部説明してくれなきゃ…」
    「わかったわかった、全部話すね」

    サニーはゆっくり話してくれた。
    数年前、ぼくとカフェで出会った頃、配信上のトラブルなどで心底疲れ果てて活動を一時休止していて、カフェでぼくと会うのが癒しになったので通い詰めてくれたこと。家に転がり込んだのはいいけど、なんかぼくがサニーは無職のヒモと思い込んで接して来るから本当は配信者だって言えなくなったこと。家賃も生活費も払わせてくれないから、機材などを貢いで配信者に育て上げ、さらにスパチャでも貢ぐのが楽しみだったこと。
    「ちょ、待って…貢ぐ…?」
    「はは、あぅばんの機材のために数百万支払った時は、少しスッキリしたよ」
    「はぁ?!数百万?!貰い物だとかお下がりだとか言ってたの、嘘だったの?!」
    「へへ、だって本当のこと言ったらあぅばん遠慮しちゃうでしょ。それに、あぅばんの配信を最強の音質やクオリティで聞きたかったんだもん。あぅばんの楽しそうな声も怖がる声も笑い声も、全部最高品質で保存したいじゃん」
    「……」
     
    とにかく、普段はヒモに徹していたが、ぼくと暮らして段々心が落ち着くにつれて配信を再開したくなって、時々自宅に戻っては配信や歌収録をまとめて頑張っていたそうだ。
    「家……あったんだ」
    「うん、ごめんね。遠く行ってるフリして、実はここから電車で10分の距離なんだよね。でも1週間もあぅばんに会えないとつらくなって、時々あぅばんのカフェの向かいのカフェで仕事しながらあぅばんの様子見てたの」
    「!!もぉ、そんなのストーカーじゃん!!あれ、待って、向かいのカフェって……ねぇ、今日もいたよね?」
    「あはは、バレてた?うん、今日も行ったよ」
    「あの…女の人と…いっしょに…」
    「あぁ、あれね、友達。アクセサリー屋さんで働いててね、俺のこのブレスレット買ったところで。指輪が無理でもせめて俺と同じブレスレットあぅばんにつけて欲しいなって思って。連絡したら、届けるよって言ってくれて。あの子あぅばんと同じくらいの手首のサイズだから、代わりに試着して写真送ってくれたから助かったよ。そのかわりあぅばんとのこと根掘り葉掘り聞かれてまいったけどね、にゃはは」
    この顔!あの時カフェでしてた照れ顔だ!かわいい!
    「そ、そうだったんだ…ははは、ぼくてっきり…」
    「ん?もしかして、何か勘違いしてた?ごめんね、不安にさせて」
    「んーん、だいじょうぶ…今のかわいい顔でゆるした…」
    「ん?かわいい?なにそれ?」
    サニーは目をぱちくりさせてる。この人、自分のかわいさもかっこよさも、イマイチわかってないもんな…

    前回帰ってきた時、ぼくのオススメ動画が自分のチャンネルだらけになってて結構動揺したらしい。でもぼくがその正体に気づいてる様子はなかったので、色々仕掛けてみたそうだ。オニオンとしてコメントしたり、DMしたり。それでもまったく気づく気配がなかったから、ついにはコラボを持ち掛けて通話まで試みる。
    「直接しゃべっても気づかないんだもん、驚いちゃった」
    「だって!通話越しだとちょっと声変わるし。それにオニオンモードの時は雰囲気違うじゃん!」
    「それはそうだけど」
    「でも似てるなぁとは思ってたよ。そもそもぼくがオニオンを好きになったのだって……ん、あーー、ゴホン」
    恥ずかしくなって途中で誤魔化す。
    「ん?なんだって?」
    サニーはぼくの頬を両手で包み込んで、ぐいっと顔を近づけてきた。笑顔だ。悪い笑顔だ。
    「どうしてオニオンを好きになったって?」
    ほっぺをムニムニ弄ばれる。
    「うーーーー、あの、さにーの声に似てたから、さにー、うちにいない時電話もしてくれないし、さみしかったから…」
    「あぅばーーーん!」
    ちゅっちゅっちゅっと、何回も優しいキスをされる。
    「さみしくさせてごめんね?それで俺の声に似てるオニオンの配信みてたんだ?」
    満足そうな笑顔だ。
    ついでだから全部言ってしまおう。
    「それにさ、歌もさ、なんかぼくの大好きな歌ばっかりで…」
    「そんなのあぅばんのために歌ってたに決まってるじゃん。まぁあの頃は俺のチャンネル観てもらえるとは思ってなかったけど」
    「ふぁっっっ、推しのファンサービス…最高だ…」
    「ファンサービスじゃなくて、あぅばんだけの為だよ、あれは」
    「う……」
    なんか…優しいサニーと激甘オニオンが合体して、完全体みたいになったサニーは本当に最強かもしれない。心臓いくつあっても足りないよ……

    まだまだ気になることがたくさんあるので、さらに質問責めにする。

    「オニオンの時はなんであんなにキャラ違うの?」
    「普段の俺はあんなんだよ。あぅばん以外には優しくできないんだよね」
    「声まで違うんだけど?」
    「あぅばん以外に甘い声聞かせる必要ある?」
    「でもこないだのコラボでちょっと披露しちゃったね」
    「あぅばんと話してたら我慢できないもん」
    「……じゃあ今度オフコラボしちゃう?」
    「いいけど……惚気配信みたいになるかもね?」
    ……やめとこっか。

    「なんでオニオンなの?」
    「いや別に、そんなこだわりはなかったんだけど…俺のプライベートの方のアカウント名こないだ教えたでしょ?」
    「ぐりーん?」
    「うん、オニオンと合わせると?」
    「グリーンオニオン!」
    「そう、ネギ。俺があぅばんの次に好きなもの」
    そっか…ぼく、ネギより好かれてるんだ…それってすごいことじゃん……

    「そういえば、ぐりーんって本当に切り抜き動画とか作ってる人だよね。あれ、さにーなの?」
    「そうだよ。あぅばんの配信の素晴らしさを世に広めたくて」
    「……ファンアートも結構作ってるよね?ぼく、よくサムネとかに使ってるよ」
    「俺よりあぅばんの求めるものがわかる人は他にいないからね」
    「……いつもありがとうございます……」
    「あははっ!あぅばんがカフェで働いてる間は大体そんなことばっかしてたよ」
    「そ、そうだったんだ…この人ヒモなのにパチンコとか行かないんだなって思ってたんだよ」
    「ギャンブルしないヒモだっています。ちなみに今は『おにゃんこ』描いてます」
    ………さすが、仕事が早い。

    「しかしぼくの手首のサイズなんてよく知ってたね?」
    「あぁ、あぅばんの手首って俺の手のサイズちょうどなんだよね、握ると。今日確認したら、友達もまったく一緒だったわ。」
    「あぁ、それで……なるほど……ところでこのブレスレット、よく見たらなんかキラキラがついてるよ?」
    「あぁ、うん。あぅばんにはキラキラがよく似合うなって思ったから、なんか宝石いっぱい付いてるやつにしといた」
    「宝石いっぱいって…そんなのコラボのお礼どころの値段じゃないでしょ、さては!」
    「あぁ、まぁ、うん。いいじゃん。似合うんだから。かわいいよ、あぅばん」
    「もぉ、さにぃーー!!」
     
    「あぅばん、今度は一緒に指輪買いに行こうね」
    「……うん……」

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    MOURNING🇯🇵オフでの🟡🟠妄想。当時の🟡のポスト見ないとわかりにくいです。
    🐹式の並びだといつも🟡🟠が離れちゃう悲しみと、🟡のぱへ°の並べ方から見えた💞からできたもの。らくがきみたいなものなので誤字脱字あったらすみません
    きみのとなり(僕もサニーの隣に行きたいなあ。この並び会社から決められてるから仕方ないんだろうけど)

    収録中、楽しく会話をしていてもちらちらと気にして見てしまう眩しい金髪にまた目を向ける。
    自分との間にいる浮奇に近寄ったりすりすりしたりと楽しそうな姿が視界に入り、誰にも知られないように少し眉を下げた。

    (隣にいれば肩を触れ合わせたり、あんな風にすりすりしたりできるのにな。…でもサニーは何も気にしてないみたいだ。まあ、会話はできるもんね。仕方ない、仕方ない…)

    自分に言い聞かせながら口に含んだ水は先ほどより苦い気がしたが、ふる、と頭を振ってアルバーンは再び会話に参加したのだった。





    冷房が効いた店内は、人が話す声と厨房から聞こえる調理の音で騒がしい。個室にいても声が大きい人間が何人もいるためか小声で何か言っても聞こえなさそうだなとぼんやり考えながらサニーは手元の炭酸水をあおった。
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