アレクセイ・コノエの誕生日「おめでとう!」
グラスのぶつかる軽薄な音と、楽し気な笑い声。
「お前たち、彼女はどうした?」
答えのわかり切った問いをかけるコノエはからかいが強く楽しそうだった。
この小さなパーティーに同席する友人たちとて少し拗ねたように唇を尖らせたが、ただそれだけだ。
「彼女よりお前を優先してやってるんだろ、友達だからさ」
「よく言うよ、今年もチョコゼロだっただろ」
「そういうお前だって」
「残念、一個は貰ってるぞ!」
「家族はカウントしないんだからな?!」
ワイワイガヤガヤ、集まった名目など忘れて盛り上がる。もう何度も開催されている恒例行事だ。それに、ここにいるのは結局恋に無縁な男ばかり。
C.E.69年2月14日、この日はアレクセイ・コノエの36歳の誕生日だった。
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