神官と副長、あるいは飼い主と番犬「オルトと籍をいれました」
「…聞いてないんだけど?」
「今、いいましたからね」
しれっと神官は大事なことをかつての仲間、ソローネへと報告した。テメノスの左手にはキラリとシンプルな指輪がはまっている。
「珍しく指輪なんてしてると思ったらそういうこと」
「おや、流石ソローネくん。目敏いですね〜」
「よく見てるでしょ?」
ざわざわと賑やかなストームヘイルの酒場でテメノスとソローネは情報交換と互いの近況報告を兼ねて酒を呑み交わしていた。淡々とお互い冗談を交えながらの酒の席だったのだがテメノスからの爆弾発言に流石のソローネも呆れていた。
「籍入れたって…テメノス結婚式とかはしてないの?他のみんなからそんなんあった、なんて聞いてないし…」
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