子羊の日クリックとテメノスが隣同士寄り添いながら酒場で楽しく時間を過ごしていると、ふとテメノスが何かを思いついたように話しかけた。
「そういえば、クリックくん。今日は何の日か分かりますか?」
何だか楽しそうな笑顔で僕の恋人はこちらを見ている。こういう時は決まって禄でもないことを考えている。
「…誰かの誕生日でしょうか?」
「いいえ、今日は羊の日らしいですよ」
「だ、だからってなんで僕を見るんですか!僕は子羊じゃありません!」
「おや?まだ何も言ってませんが、子羊くん?」
「う…。ぼ、僕は貴方の…騎士…がいいです…」
クリックの言葉尻がややすぼまり小さくなる。大型犬が寂しそうに拗ねたような姿をニヤニヤとテメノスは笑いながら楽しそうにしている。何だかんだでいつもこの人のペースに乗せられてしまう自分が歯痒い。
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