惚気を聞くなら 居酒屋で個室の座敷に案内され、メニューを手に取ったところで向かいに座った伊吹が話しかけてきた。予定がなかなか合わず、ようやく会えた今日は偶然週末で、店内はざわざわと騒がしい。話を聞こうと顔を上げれば、居酒屋の天井の明かりが映りこんだ伊吹の目は、きらきらと輝いて、明るい表情と相まって、今夜を楽しく思ってくれていることが伝わってくるようだった。
「九ちゃん、元気してた?ちょっと聞いてほしいんだけど、志摩の話、この前、めっちゃ報告書書かなくちゃいけない日があったの、俺、報告書書くの苦手じゃん?でも負けてらんねーなって頑張ったわけ、で全部書いて、たいちょーんとこ持ってって一発オッケーもらって、一緒に帰ろつって待っててくれた志摩にお待たせって、やり直しなしだったーってピースしたらさ、何て言ったと思う?今の可愛かった、伊吹の可愛さは5,000点だなって言うわけ、えー志摩ってばちょーきゅるきゅるーつて思いながら、俺も乗って、何点満点中?なんて聞いてみたわけ、そしたら、ふふっ、なんと、100点満点中の5,000点だけどって…もーさぁ、俺さぁ、志摩の方こそ可愛過ぎのきゅるきゅる魔人でまじで分駐所でどーにかなっちゃうかと思った」
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