未来「ああ、ユーリ？　こんな時間に一人で歩き回っているなんて呑気なものだね。君、いつ監禁されてもおかしくないんだってことくらい自覚しておきなよ」

　……何やら物騒な言葉をかけられたが……。

「物騒、ねぇ。はッ、君の前でレムナンがどれだけ取り繕っているのかは知らないけど。相談と称して、散々愚痴に付き合わされた僕の身になってほしいものだよ」

　ラキオは不満気に……まあ、いつも通りといえばそうなのだが、そんな言葉を漏らした。
　……愚痴？　初めて聞く話だ。そう聞くとなんとなく不安がよぎってくる。
　他にもなにか、レムナンに不満を抱かせてしまっているのだろうか……。
　二人はどんな話をしているのか、と尋ねた。
　予想外の返答だったのか、ラキオは表情を落ち着かせ、値踏みするようにこちらを眺めた。

カーテンコールの先で　特殊な方法とはいえ干渉できたのだ。こちらから通信を送ることだって無理ではないはず。
　そしていつの日か、再びセツと言葉を交わす。それが何もなかった自分に生まれた夢だ。
　そのためには知識をつけなければ……。

「あ……あの、ユーリさん」



「僕、お茶を淹れたので……よかったら」



「……あまり、根を詰めすぎないでくださいね。ユーリさん、無理をしたばかりなんですから」



「無事に帰ってきてくれて、本当に良かった……です。これからは、自分の身体を第一にしてください」



「それはっ……！　……ユーリさんの意志を、尊重できないのは、嫌……でしたから」

　ありがとう、と感謝を伝えた。
　技術的にも、それ以外でも、レムナンには助けられてばかりだ。

例外処理　ループを抜け出したあの日から数日が経つ。空間転移をしても誰も消えることのない、穏やかな日常にも多少慣れてきた。ただ一つ──セツがいないことを除けば。

『……そんな顔、しないで。ユーリが本当に会いたい人なら……きっとまた、会えるから』
『カーテンコールは、あるのかしらね』

　あの別れは堪えたが、ジナと夕里子の言葉が前を向かせてくれた。
　そうだ、絶対に会いに行く。この宇宙で自分しか覚えていなくても、確かにセツはいたのだから。会って、言いそびれていたことを全部伝えなければ気が済まない。
　そのために、自分がすべきことは……。

***

「帰りなよ」

　ラキオがちらりとも目を向けず言い放った。
　……予想通りの反応だ。いつかのループでもこんなことがあった、とつい苦笑した。

キズナボイス感想｢人それぞれの幸福がある｣｢人は誰だって幸福も不幸も抱えてる｣というものをすごく大切にするようになった凪くんが言う｢幸せにできるかな｣は意味が違ってきません？
それは｢オレが主任を幸せにしたい｣という凪くんの気持ちなのではないでしょうか
ちょっと流石に凪椛かも　凪椛じゃないですか？　私は凪椛だと思いました(自己完結)
王子ボイスの踏襲というか正統進化要素もあってめちゃくちゃ良いよ……好きだ、凪椛……共に生きろ……

お前と往くVoyage感想　※ネタバレあり糖衣くんが物語の中でも乙女ゲームや恋愛ドラマを好んでいるのは甘い台詞やときめく展開を求めてのことだと思っていたけれど、あの監修後台詞を見て、それだけじゃなくて本当に｢人から人に向ける愛情が好き｣なのかもな……と思いました
乙女ゲーム風とは言っていたけど、直球に好意を仄めかすわけではなくあくまで再現度の高さを優先しているのがすごく印象的でした
ファンからの反応にも擬似恋愛的なときめきは感じなかったので、今回はあくまで『優しく見守るという形の愛情』を表現したのかな〜と
乙女ゲーム風に監修しました！　であの台詞群を提出できる糖衣くん、めちゃくちゃ信頼できる　推しライターです
糖衣くん自身が誰かをときめかせたい時にどういう言葉を選ぶのかも教えてください　待ってます

2024/6/25※現時点で｢恋愛感情｣または｢今後もずっと一緒に生きていきたい｣という感情が描写された人には☆をつけています
※弊社では椛主任なのでCP表記を使う場合は○椛で統一しております
※恋愛感情に限らず特別な感情を感じ取った時に｢アリ！！｣｢あるぞ！！！！｣と騒いでいます

・練牙
ノベル:4話まで
SSR:済

○個人的にはかなりアリだな〜！と思っている
○(まだ？)恋愛感情ではないだろうけど、深い信頼と親愛を感じる
○エピローグ好き　練牙くんが自分で気付いて、自分の手で渡したプレゼントってところに主任への理解度と愛情を感じます
○メインストの範囲でも十分すぎるくらいにあるなと思っているので、看病ボイスが楽しみです　すごく良いらしい