行方不明 @0where0書き途中ばっかり投稿して、完成品を投稿するのをすぐ忘れます。 ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji Tap the Emoji to send POIPOI 10
ALL 千至 行方不明DOODLE千景さんへの気持ちを消すために寮を出た至さんの話 エピローグ「…………で、なんで先輩と一緒に布団に入ってるんでしょうか」 「恋人同士だから、じゃだめかな」 「だめかな……じゃないんですよ…………」 至の借りているマンションの寝室で、千景と至は同じ布団にくるまっていた。至を抱きしめるように回された千景の手に、ぎゅっと力が入った。 「せっかく恋人になれたんだし、いいだろ? ……俺も少し、浮かれてるってことで」 「…………は!?」 「はは」 なんて恥ずかしいことを簡単に言ってしまうのだろうかと至の方が羞恥を感じていたが、楽しそうに笑う千景の顔を見ていたら、なんだかそんなことはどうでもよくなってきてしまった。 そっと至も手を伸ばし、千景の背中に回した。布団に温められたせいかもしれないが、あたたかい。そのままそっと千景の胸に擦り寄った。 1091 行方不明DOODLE千景さんへの気持ちを消すために寮を出た至さんの話 ㊦「お疲れ様です、お先に失礼します」 千景が酔った至を部屋に送り届けたあの日以降、至は千景の顔を見ていない。正確には、姿が見えそうになったら全力で顔を背けていた。そんな至の態度にも、千景が何かを言ってくることは無かった。今週末には春組の稽古がある。平日の稽古は申し訳ないが仕事が忙しいなどと言い訳をして参加を極力減らしていたが、週末となれば話は別だった。それにできる限り稽古には参加したい、一人だけ置いていかれる訳にはいかないというプライドもある。 食事だってあの日千景に言われたことを気にしてもっと体に良さそうなものも選ぶようにした。そのせいで増した食費のためにゲームに費やす金額を減らしているので、日々ストレスが溜まっていく。しかしどんなにイラついても当たる先はゲームしかない。 8118 行方不明DOODLE千景さんへの気持ちを消すために寮を出た至さんの話 ㊤「いろいろ考えたんだけどさ……俺、寮を出るよ」 とは言え、察しが良くて、頭の切れる、家族に激甘なおじいちゃんに本心を隠し通せる気がしないからさ……協力してくれないかな、監督さん。 心残りが無いわけではなかったが、後悔もなかった。そうしなければ、大切なものを壊してしまうから。この場所が大切で、この家族が大好きだから。それらを守りたいと思うから。 至は、寮を出ることを、決意した。 「よし、これで荷物は全部か?」 「あーうん、めっちゃ運ばせてごめん。助かったよ、ありがとう」 「別にそれくらい気にするな。それにしてもまさか──────ゲーム配信にもっと力を入れたいから一人暮らしするなんて言うなんて驚いたぞ」 「そ? 俺はいつだってゲーム最優先だけど」 3668 行方不明DOODLE主従千至執事と主人的な「至様、おはようございます…………おい、もう昼だぞいい加減起きろ」 「いった……寝起きに頭叩かないでください……寝不足も相まってくらくらする……」 「さっさと寝ろといつも言ってるのに聞かないお前が悪い」 「はぁ……今日も俺の執事の口が悪い……」 「何か言ったか?」 「……寝言じゃないですか?」 「いいから起きろ」 「うぁっ、」 潜っていた掛け布団を剥がされたので、渋々身体を起こした。朝日がだいぶ登ってから布団に入ったせいで、まだもう数時間は寝たいところだが、それをこの人が許してくれるわけもない。 卯木千景、この屋敷で唯一の俺専属の執事は、主人であるはずの俺に優しくすることも、甘やかすこともない。二人きりの空間になれば敬語は使わないし、口は悪い。そして身体に触れるどころか軽く叩いたり抓ったりといった暴力は振るうのだった。しかし、そんな千景さんは一歩外へ出れば誰よりも優秀な執事の皮を被る。俺以外の誰も、この二面性を知らなかった。 750 行方不明CAN’T MAKEえちの練習……初めて書いたので良ければ感想とかアドバイスください……マシュマロとか、もし規制されそうだったらお題箱(プロフ▶︎ツイフィから飛べます)にでも送ってください🥲 2248 行方不明TRAINING短いの書こうと思った +別れましょうから始まる話を書きたくなった +メンタルよわよわじゃない千景さんが書きたかった Ⅱ至さんのメンタルがよわよわになった結局別れない「先輩。やっぱり俺たち、別れませんか」 それを告げた時の先輩は、珍しく驚いた顔をしていた。 華の金曜日。プレミアムフライデー。色んな呼び方があるけれど、とりあえず明日が土曜日で、仕事が休みなことは変わりない。先輩に誘われるがままにやってきたいつものホテル。先日からどうしても頭の中でぐるぐる渦巻いているモヤモヤしたものがあって、とうとうそれが抑えきれそうになかった。だから先輩がシャワーを浴びている間に、別れを告げる決心をした。 「……こんなところに来てまで、どういうこと?」 「それは……その、すみません。ここは俺が払います」 「そうじゃなくて。嫌なら来る前に言えばよかっただろ?」 「気持ちが、整理できてなかったので……」 2599 行方不明DONE前にべったーにアップしたやつに加筆しました真夜中、眠りを妨げる声。「ねぇ、茅ヶ崎。お前、夜中にゲームをやるのはいいけど、もう少し静かに出来ないの?」 会社に遅刻するぞと頭をパシリと叩かれて起こされて朝食を無理矢理口に突っ込んでコーヒで流して眠気を覚ました至は、忙しなく動くワイパーの向こうの赤信号を見つめているときに助手席から苦情を頂いた。 ちらりと視線を向けると、怒っているわけではないが些か不機嫌な表情の千景の鋭い眼光が至を捉えていた。 「あ〜……すみません、ちょっと熱が入っちゃって。静かに叫んだと思ったんですけどね、当社比」 「そんな会社辞めた方がいいよ」 「あは、これからはもう少し厳しく審査します」 はぁ、とわざとらしいため息が車内に広がる。雨が車体を叩く音、アスファルトを叩く音、雨に濡れた道路を車が走り去る音だけをしばらく聞いたあと、信号が変わった。 5810 行方不明PROGRESSアイスバースちかいた完成まで行きたい〜……この気持ちは溶かせない(仮タイトル)「好きだよ、茅ヶ崎」 優しい声色で、柔らかな表情で、穏やかな雰囲気で紡がれるその言葉は、俺の人生にとって一番甘美なもので、一番の凶器だった。 ❀ 「茅ヶ崎、そろそろ起きないと遅刻するぞ」 パシンと頭を叩かれて、そろそろタイムリミットが近いことを知る。もっと惰眠を貪りたい気持ちはあるのだが、それで会社に遅刻しては元も子もない。 「……まだ眠い」 「早く起きないと、その鳥の巣みたいな頭で出勤することになるよ」 「鳥の巣って……失礼すぎでは?」 ボソボソと文句を言いながら起き上がれば、やれやれと言いたげな表情をして俺を見上げる千景さんの姿が目に入る。既に支度を終えているようで、きっちり着込んだスーツに整えられた髪は今の俺とは正反対だった。 3742 1