☆ユズ☆ @c_love_r123 出来上がったもの、ざっくり書いたもの、書きかけのものなど、好きなものを好きな時に好きなだけ。閲覧やスタンプいつもありがとうございます。 ☆quiet follow Yell with Emoji POIPOI 22
ALL ディアシト シルイン オリジナル スタラピ ☆ユズ☆DONEいただいたお題③シルイン『終盤近くの戦いの後、シルヴァンの頬にできた傷を応急処置するイングリット』「重なる願い」 あがった勝鬨からしばらく後の事だった。 自陣に戻り勝利を喜ぶ兵たちを見回したイングリットはようやく探していた相手の姿を見つけた。 束の間の歓喜であっても士気に繋がるのなら良い事だと、そう思いながらも彼女が気になっているのは探し人の事だったのだ。 「ジルヴァン、ちょっときて」 足早に近づいた彼女が共にくるように赤髪の幼馴染の腕を引くと、どうした?と驚きの声を上げながらも導かれるままついてくる。 その場にいたもう一人の幼馴染がまたかとばかりに呆れを含んだ溜息を吐いたのがわかったが、それをも無視してイングリットは腕を引き続けた。 彼女は勝利の後の喧騒から少し離れたところまでやってくると、ちょうど良い高さの場所を見つけシルヴァンに座るように促した。 1632 ☆ユズ☆DONEいただいたお題①シルイン『目が離せない口元』「恋する彼女は目を離せずに」 ただ見つめる。 その行為を自身がされたならば「そんなにじっと見ないで」と頬を染め瞳を逸らすに違いない。 そう思うのに、久しぶりに一緒に過ごせる──その事に浮かれてそんな簡単な事に思い至れなかったイングリットは食後の菓子と紅茶を待つ間、目の前の恋人に碧色が生むまなざしをただ注いでいた。 見つめる先はどちらかと言えば薄い唇のあたり。 かつては軽薄な甘い言葉で多くの女性を口説き、そうかと思えば落ち込んだ時には励ましてくれ、今ではあれだけ一人に定めずに放っていた言葉たちを愛を込めて自分にだけ告げてくれる。さらに言えばくちづけまで。 こうしてほんの束の間過去を振り返るだけで彼の変化には驚かされ、それは今日とて例外ではなく、だがその一方で考えもしなかった相手と恋に落ちた自分も随分と変わったものだとイングリットは自覚させられるのだ。 1167 ☆ユズ☆MAIKINGシルインですがタイトルどおりの話です。書きかけ、かつ人を選びます。とある女性視点。女性に対して不誠実だった頃のシルヴァンの描写がありますので、解釈不一致の方や抵抗がある方は閲覧をご遠慮ください。 1344 ☆ユズ☆PAST以前お題リクエストを募った時に書いたシルインお題:木漏れ日、木陰 碧色の瞳を瞼で隠し、ひと時の間イングリットは夢の中にいた。 頬を陽気が良い日の風に撫でられていたせいなのかその夢は暖かくて優しいもので、覚醒が訪れてゆるゆると持ち上げた時の彼女の胸は酷く幸せな気持ちで溢れていた。 木陰に座っていた事もあり日が高くとも眩しさは感じず、だがその代わりに違和感に気づく。 預けている幹の固さだけではなく、肩に触れるものがあったのだ。 視線を動かし左側へ向けると気配があった。そのまま少し上に目を向けると、知りすぎている横顔が映る。 「どうしてここに?」 部屋で本を読んでいたはずでしょう、とイングリットが続けると、赤い髪が揺れると共に手元へと向いていた瞳が彼女の方を見て細められた。 1078 ☆ユズ☆PAST円舞曲を踊っているだけのシルイン。正しくは円舞曲を踊る話その2。会話文なしで書く遊びをした過去作です。「ひととき、あなたと円舞曲を」 音楽家が奏でる円舞曲は自然とふたりの動きを軽やかにし、それに合わせて赤と金の髪も揺れ、イングリットが纏うドレスの裾はふわりとなった。 内心ではあまり気のすすまぬ集まりであったが、こうして自然に息が合うのを感じながら踊っていると調子が良い事にそう悪くはない夜だと思えてきてしまう。 視線を交わしゆったりと動いていると、鳶色の瞳に優しく微笑まれイングリットの顔にもまた柔らかな笑みが浮かんだ。 出立前に支度を急いでとせかした時の表情とは全く違う事を思えば少しだけ可笑しくなる。ああいったやりとりは変わらず自分たちらしいと感じるが、この瞬間ふたりの間にある愛情深い微笑みもまた数年前まではなかった『らしさ』なのだと今では彼女も素直に思う事ができた。 983 1