【エー監】初めてなので広々とした談話室の灯りを全て消して。テレビの光に照らされた、座り心地がイマイチなソファへと腰を下ろす。
すると先に座っていたお隣さんが、カランと音を立てキラキラと青い光を反射させているグラスを、私の目の前に差し出してきた。
「ありがとう」
ひんやり冷たいグラスを受け取ると、エースは「んっ」満足気に笑うと、自分のグラスへと手を伸ばした。
水滴が僅かに生み出しているグラスを傾け一口飲むと、口の中でシュワっと弾ける炭酸。それに特徴的な甘い香り。なるほど、コーラをチョイスしたのか。いいね、最高。
「今日はミステリー?」
「恋愛もの。 ほら、前にユウが『面白かった!』って言ってた監督のやつ」
「……あぁ! あの伏線が凄かった映画!」
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