どんな形でもヒーロー「楓ー、終わった?」
「うん、今行くー」
荷物の整理をして、鞄を抱えた。廊下に向かって友達と合流。こっちに来てから仲良くなったメンバーで今日の放課後の予定を立てた。
「今日は新しくできたカフェ行ってみない?」
「あ、ブロンズエリアに出来たって言ってたっけ?気になってたんだよねー」
「行こ行こ!」
ワイワイ話をしながら学校の廊下を進む。2階の廊下からはグラウンドがよく見えた。
「あ、あれ、先生じゃない?」
友達の一人が、そのグラウンドに向けて指を刺した。その先には、緑のジャージを着た先生と呼ばれる人物が、生徒たちと一緒になって校庭を走り回っている。
「楓、挨拶してから帰ろーよ」
「ええーいいよ、わざわざ」
「おんなじ学校でも、あんまり授業とか一緒にならないんだもん。挨拶くらいしていきなよ」
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