選定理由 作業がひと段落ついたところで塩野は大きく伸びをした。更に手の指を組んで腕をぐっと上に伸ばすと、無意識に丸めていた肩と背中の筋肉も一緒に伸ばされていく。全身に血が巡っていく心地よさにあくびが出て、ふぁぁぁと声を上げながら体を反らした。降ろした右手で首筋に触れる。傷口に貼られたガーゼのせいで、つい首をさする癖がついてしまった。
一休みしましょうと言うコンサルの声に振り向こうとしたその時、目の前のモニタからピコンというメッセージ着信音。モニタに映る猫の目。猫からの通知。
「猫から?何だろ。こないだ見たオリジナルについてかな?」
「…………」
コンサルが読み上げようとしないので塩野はメッセージに目を向けた。
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