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    お兄さん

    kishi_mino

    DOODLE田舎の夏の話が書きたくなって導入だけ書いた。このあと豊前はお兄さんの家に通いまくって友達になるし、お兄さんに初恋する
    【ぶぜまつ】小六の夏休みに出会ったお兄さんの話 隣の家に、若いお兄さんが住みだしたらしい。
     らしい、と曖昧なのは、隣の家はなにせ百メートルは離れていたし、本当ならば高齢のおばあちゃんが一人で暮らしていたはずだし、こんな田舎には若いお兄さんなんているわけがないからだ。
     実際、豊前が両親に聞いてもそんな若い男は知らないと言っていた。もし村の人なら大人が知っているはずだから、豊前はその噂は誰かの嘘が面白半分に広まっているんだろうと結論付けて、しばらくそんな話を忘れていた。
     しかし、豊前は見てしまった。
     それは学校からの帰り道。夏休みに入るから、と学校の荷物を持って帰るように言われていた。習字セットや絵の具セットの袋を抱え、体育着の入った袋や上履きの袋がランドセルに揺られて暴れるのを邪魔に思いながら、うんしょうんしょと休み休み運びながら家へと向かう途中。もうすぐ家だ、と安堵を覚え、荷物を一旦置いて、ふう、と汗をぬぐった時だった。その時豊前が立ち止まったのが、その家の前だった。
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    amn128xxx

    DONE【大和誕2024/やまみつ】
    大和主演の三日月狼を見に行く三月の話。
    お兄さんはちゃんとすごいしかっこいい。
    スターライト  ○月×日『三日月狼』 スクリーン7番 二十一時三十分〜

    よかった、間に合った。
    三月はチケットに印字された座席を確認すると、腰を下ろして帽子を脱いだ。座席数は約二百。主要駅からは少し外れているため、キャパシティは都市部のシネコンに比べて控えめなものの、人目につきにくいことはかえって良かったかもしれない。近くのスタジオでの撮影終わりにギリギリで入場したため、すでに照明は落とされ近日公開作の予告映像が流れ始めている。
    最後列を選んでいるから、客席の様子はよく見渡せた。決してアクセスがいいとは言えない劇場にも関わらず、レイトショーにしては多い観客が上映開始を今か今かと待っている、独特の空気が劇場全体に漂っている。客層は様々だ。カップルもいれば、同じように仕事帰りに駆け込んだらしいスーツ姿の人、自分たちのファンのメイン層である若い女性客の他、年配の男性も多い。彼らはきっと、リメイク前の初演作を公開時に見てきた人々だろう。未だ根強い人気のある名作という、タイトルの大きさを改めて実感する。
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