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    かまぼこ

    おもも いもこ

    DOODLEぜんねずでもなく、かまぼこでもない話。主役はじいちゃん。⚡は最後に出てくる。捏造と妄想を蟲毒にかけた結果、こうなりました。年も合わなそうだし、何人も死んでるし、ぐろいと思う人もいそうで、非難轟轟間違いなし。書いた自分もよくわからない。もし、お優しい方が、情けをかけてくださるなら、最後の一行だけ読んでください<(_ _)>
    鼈甲の忘れ形見 御伽おとぎに参りました。
     障子の向こうから聞こえてきた声に、桑島慈悟郎は布団から身を起こした。歳の割に落ち着いた声は、この屋敷で一番世話になっている女のものだ。いつもなら寝るまでに一度は見かけるのに、今日は一度も会わずじまいであったと思っていたところだった。
     桑島は、女に何と返そうか言葉を探していた。
     「御伽おとぎ」を他意なく受け取るなら看病のことだろう。容体を診ながら夜通し傍にいるのも「御伽」だ。
     けれども、桑島は怪我一つしていない。今夜の任務は夜が訪れて早々に終わった。街に夜の帳が下りるのと、桑島の刃で鬼の頸が落ちるのはほぼ同時であり、今宵の悪鬼はこの一体のみであった。
     刀を収めて、そこからこの藤の花の家紋の家まで来た。市井の人々よりやや遅い夕飯を食い、風呂をもらい、さて寝るか、と布団を被ったところで女が訪れたのだ。
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