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    きまぐれ

    yo_lu26

    MENU2022年05月05日 10:00〜22:00
    フロ受けWebオンリー「きまぐれウツボは愛されたい!」みに!
     イベント展示です。観用少女パロディネタとなっております。ジェイフロです。
    ラッキードールは貧乏青年の夢を見る甘々らぶらぶいちゃいちゃ全年齢の観用少女パロ。人間🐬×観用少女🦈。店主は🐙です。

    「前代未聞のことです。まさか、観用少女が自分で目覚めて、お客様を追いかけていってしまうだなんて」
     通りがかっただけの🐬に反応して目覚めてしまった観用少女🦈と貧乏青年🐬とのハートフル同居生活のお話。お話は一区切りですが、今後続く予定です。


    ※※※


    「ラッキードールは貧乏青年の夢をみる」 

     ああ、お腹が空きました、とジェイドは初夏の夕暮れの生ぬるい風に乗って漂ってきた、どこかの家の美味しそうな夕餉の匂いにため息を吐いた。最近のジェイドは空腹でいるのが常となっていた。まさか、新卒で入った会社が数ヶ月で不祥事が露見し倒産するなんてさすがに予想できなかった。とりあえず生活を繋ぐために惣菜屋で働いているが生活は厳しい。頼りたくても両親は海の向こうで、帰るためのお金にすら事欠くありさまだ。そもそも渋る両親を説得してようやくこの街にやってきたので、親には頼りづらい。生活は苦しいけれど、ジェイドはまだまだ帰るつもりはなかった。昔から故郷ではないどこかで、自分の好きな場所で暮らしてみたかった。それがやっと叶った今、多少不自由でもここでの生活を続けていきたい。惣菜屋での仕事終わり、廃棄予定のおかずを片手にもう大分暗くなりかけている道を歩く。このおかずも、今日と明日と二日に分けて食べなければならない。もらってきたおかずは、成人男性でなおかつ燃費の悪い彼にとっては本来一食でぺろりと平らげられてしまう程度の量だったが、それほど食費を切り詰めなければ、生活が回っていかなかった。
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