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    ただお

    kan_mi88

    MOURNING一応作品として締めてはいますが、界隈やその常識、空気感に全く明るくないので没になったクロアジです。(一般人×アイドル)
    内容としてはただお話してるだけだけど……。
    お前は完璧で究極の「アイドルだ」
    「……悪い、なんだって?」
    「今はアイドルをやっているって言ったんだ」

    男が2人、喫茶店の日当たりの悪い席で密かに会合を果たしていた。漂う空気は楽しいものとは言えず、かと言って重苦しいというほどでもなかった。それぞれ手元にはコーヒーのマグと紅茶のカップがある。
    コーヒーに口をつけたのは、座面にだらしなく腰掛けている男だった。男は綺麗な赤髪を整髪料でつるりと撫で付けていて、なぜか室内にもかかわらずサングラスをかけている。黒いジャケットとパンツは彼の体躯のスラリとした印象を強めていた。
    それに対し、紅茶を飲んでいるもう一方は黒い男とは対極にある男だった。全体的に白っぽく、服は不潔というわけではないが大事に着古されたのが分かる程度にくたびれていた。金髪はクリーム色のキャップに押し込まれ、ライトグレーの上着に包まれた体は少々ふくよかだ。マスクのせいで顔の大部分が隠れているが、唯一見えている目元からは柔和そうな人柄が伝わってくる。そして彼は、紅茶を啜る度にマスクをずらしてまた戻すという面倒な作業を行っていた。
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    Yomomonika.

    DOODLE不寝番してる管理人とクレイがただお話するだけ
    夢を"見る"「ねぇ管理人さん。僕ね、夢を見たんだ」

    《夢?》

    普段賑やかなバスも深夜を迎え、不気味な静けさに包まれていた中突拍子もなく振られる話。不寝番をしていた管理人の横に「眠れないから隣に座ってもいい?」とやってきた寝巻き姿の囚人、クレイがゆらゆらと閉じつつある目蓋と髪を眠たそうに身体ごと揺らしていた。

    「どんな夢だったと思う?」

    《えー......それを訊かれてもなぁ...》

    「正解を求めてるわけじゃないんだ、眠くなるまでの暇つぶしが欲しくって...ただ夢の内容を考えるだけの遊びだと思って。ほらほら、気楽に答えてよぉ」

    まさしく子供のようにねだる囚人は揺れる勢いのまま管理人の方へもたれかかってくる。もちろん、そのまま倒してしまわないように加減はしているのだろうが、非戦闘員の管理人にとっていつも重たい武器を持ち戦っている囚人の身体は想像以上にずっしりと重く感じられる。このような雑な接触でも健康的な体つきだと分かるほどには。そして囚人の身体は程よい具合に暖かくて安心出来るものだった。やましい意味など無しにそれらに興味と意識を向けていた管理人だったが、ふと夢の内容が頭に浮かぶ。遊びと言っていたし軽い気持ちでコレを言っても大丈夫だろう、と管理人は針を鳴らした。
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