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    なると

    m__oji_

    DOODLE読み直してたらやっぱ自分的に一番すごかったんだよな、になったので……今更の六巻のあと。原作ベース。全然名夏になってない暗い話です。この六巻から今後こんなに名夏になるとは思わないじゃん?!
    夕影のいない森(名夏)「先生、蝶が」
     タキが手を伸ばすと猫に止まっていた蝶は驚ろいて素早く飛び去った。
     鱗粉がわずかに舞っている。いくつもの光の粒が輝きながら空から土に落ちて行った。
    「あっ、ごめんね……」
     慌てて手を引いたタキを見上げて猫がため息をつく。それから夏目を見て、もう一度ため息をついた。
     呆れたような猫の態度に何も言えなかった。だって、猫の言うことは全部正しい。彼の言葉と同じように。
     飛び去る蝶を見送るタキと猫が視界の端に映っているのに何も見えていない。夏目からも全てが飛び去った気がして、何も見たくない。
     ただ深く深く息を吐き出す。
    「タキ、ごめん」
    「なにが……あ、これ」
     そっとクッキーの袋を差し出すと、タキはそれだけで全部を理解したように表情を引き攣らせた。受け取ろうと一度手を伸ばそうとして、でもためらってまた下げてしまうタキと夏目の間で、受け取ってもらえない袋が宙に浮いている。
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    ka_shion_wr

    DONE清麿が舌ピしてたらいいなっていう完全なる癖のお話。舌ピはいいぞ。
    私は舌ピ開けたとき3日目には普通にご飯食べてましたが麿水ちゃんには2週間ほど我慢して頂きました。我慢してすれ違っちゃう麿水ちゃんは可愛いですね、ワハハ(?)

    ※シリアスになると見せ掛けて、ちょっとだけいかがわしいので注意。
    「……無理だ…」
    自室の机に突っ伏して魂が抜けたようにぼそりと水心子は呟く。
    何が無理かと言えば、ここ二週間ほど清麿からキスをされていない。いや、正確にいえばキスどころか手も繋いでいないし触れられてもいないし、もちろんセックスだってしていない。
    普段であれば清麿から手を繋いできたり、抱き締めてきたり。あるいは自ら甘えるように抱き着いたりキスをしたり。そして夜になれば一緒の布団に入り、そういう雰囲気になれば甘い夜を過ごす。けれどこの二週間はそういったことが全くと言っていいほどにない。出陣や非番だって被っているし、共に過ごす時間だってある。それなのに、だ。
    一週間程前に手を繋ごうとすれば慌てたように手を離され、三日程前には、痺れを切らしてキスがしたいと強請ったところ、「ごめんね」と一言やんわりと断られてしまう始末。
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