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    にーと

    きたまお

    TRAININGワンライ「優しさ」没ネタ、ニト保、ニートが相当おばか一回量は二錠とのことだった。エルヴィンは銀のシートから二錠押し出した。ころころと転がっていきそうな錠剤を、チラシの上に置く。でも、二錠ってなんだか少なくないか。どうせならまとめて処理しておきたい気もする。結局、シートから全錠取り出した。
     なにか押しつぶすものが必要だ。すりこぎみたいなものがいい。が、キッチンにいってもすりこぎはなかった。固くて重ささえあればいいわけだ。棚の隅にあったウィスキーのボトルを取り出した。これは、リヴァイがもらったと言って持ち帰ってきたものだ。保育士がどうしてウィスキーをと思うが、どうやら職場の父兄からの横流しらしい。詳しく突っ込んで聞いてはいない。
     こたつに戻って、白い錠剤にウィスキーボトルの底をあてる。力をこめると錠剤は簡単に割れた。ごりごりと茶色いボトルを転がして錠剤をただの粉にしていく。
     ——あ、なんか、悪いことやってる気分だ。
     労働もせずに昼間から家に閉じこもって、錠剤から白い粉をつくっているって、言葉だけ聞けば背徳的だ。だが、エルヴィンは悪いことをやっているわけではない。うん、悪いことでは、……ないはずだ。
     時間を見てお湯を沸かし始める。あ 2345