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    はしか

    phnoch

    DONE鞭打ち少年パロまとめ本「私の少年」より
    はしかにかかった先生に唾をもらいに行く新兵衛の話
    先生のおばあちゃんが出ます
    ▼鞭打ち少年パロの他の話はこちら▼
    https://galleria.emotionflow.com/113773/644613.html
    春にはまだ早いお熱を出すときの先生は、いつもと違う匂いがするのですぐわかる。
    体の中で何かが変わるのだろうか。何とも言えない、少しだけ古い書物にも似た匂いが混じる。その段階ではまだご自身では何も感じないようで、普段通りに元気にされている。けれどすぐにお顔があったかくなって、反対に手足が、指の先からすうっと冷たくなる。そこまでいくと具合が悪くなってくるのか、いつもよりいくらか甘えん坊になって、寒いからそっちのどてらも貸してほしいとか、足が冷えるからさすってほしいとか、お白湯を吹いて冷ましてほしいとか言い始める。
    新兵衛はそれもいやではない。先生の言葉に従って、手足のように動くのが好きなのだ。それに、どうやら自分は鈍くできているのか、熱など出すことがまるでないから、それがどれほどつらいものかわからない。先生が少しでも楽になるなら、自分は裸で過ごしたって構わないし、足も一晩中だってさするし、お白湯が水になるまで吹いたっていいと思っている。
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    a_yousou

    DONE猫はしか アイザックとウィルディアヌ。
    何でも許せる人向け。
    ささごめさんのこちらhttps://poipiku.com/5319537/8356151.html
    とTwitterでのやり取りから書かせていただきました。

    モニカ「アイクをお姫様抱っこするウィルディアヌさん、どこか、誇らしげに見えました!」
    アイザック「…………」
    ……にゃー(鳴き声)「それじゃあモニカ、ちゃんと寝ているんだよ? 暇だからと言ってベッドの中に本や紙は持ち込まないように……ね? ネロ先輩も見張っていておくれ?」
    「はぁい」
    「任せろ」
     空になった食器を乗せた盆を手に部屋を出る前にモニカに釘を刺す。そしてネロにも見張りを頼んだ。
     宿泊している宿の一階が食堂も兼ねており、礼と共に盆を返す。モニカが猫はしかに感染した事を知ると宿の主人が部屋で食べられるようにと準備してくれたのだ。そして抗生物質も分けてくれた。この土地の風土病で、旅人が罹患することもままある為か宿屋にも常備してあるらしい。
     宿を出て、アイザックは旅に必要な不足してきたものを買い足す為に宿の主人に教えてもらった雑貨店へと、いつもより、ややゆったりとした足取りで進めると、ポケットの中で白いトカゲ姿のウィルディアヌがモゾモゾと動くのを察し、アイザックはローブの中に手を入れる。指先に白いトカゲを乗せて肩へと移した。
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