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    まっこ

    EAst3368

    MOURNINGまっこみささ→ろ、🎋に悪いことさせすぎかな〜って思ってたけど今日のマガポケ見たら普通にお縄になってた (全然進まないので供養)※モブも出る!/(追加)後日最後まで書きました。文字数あふれたのでこちらからどうぞ→ 鷲と矢 /ささろ https://privatter.net/p/7324099



    俺は地獄に落ちるだろう。
     閻魔様に舌を抜かれそうになったら、商売道具だから堪忍してください、と頼もうか。ボクに任せてもらえばこの地獄を笑顔溢れる空間に変えてみせますよ、と言って。まあ地獄に笑顔が溢れたら本末転倒だから早急に舌を抜かれるだろうが。この池袋の薄汚れた路地裏の世界はほとんど地獄も同然だった。まだ舌を引っこ抜かれていないだけマシだ。それどころか、簓はまだ爪の一枚も失っていなかった。

    「さむ」
     後部座席から届いた簓の尖った声に、運転席の男は無言でエアコンの温度を上げた。ゴウ、という低音とともに温風が吹き出す。体温を逃さないようにと、簓は黒いロングコートの襟を立てた。烏のような漆黒に染め上げられたカシミヤは、大阪にいた頃には選びそうにもない代物だった。
     窓の外には雪がちらついている。戦前は東京に雪なんて降らなかったのに、ここ最近になって地球は急に機嫌を損ねたらしい。我が国の首相を務める男は、異常気象の原因は世界大戦で敵国だった某の化学兵器のせいだと毎日のようにニュースで息巻いていた。東京だって一歩郊外に出れば雑多な工場が鈍色の煙を吐き出しているにもかかわらず、だ。彼らは喧嘩 5576