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    ゆえ

    スズ🍠

    DONE★水都史実二次。人を選ぶ要素含むので前書き確認PLZ
    ☆ENJ度5/5

    本作はこの場面のための作品なんだけど、それゆえに大っぴらに公開できないという…。うーんこれどういうカテゴリに入るんだろ、恋愛感情ではないと思うんだよな
    引用文は聖書です。文語訳から、文脈に合わせてちょっと手を加えました。
    文末の光は崇禎帝の治世の暗示。
    崇禎朝で徐光啓は活躍したけど袁可立は二度と出仕しなかったんですよね
    橄欖之苑 第十四幕その知らせを聞いたのは、日が落ちかかった頃だった。急ぎ馬を出し、灰色の街を駆けていく。瑠璃瓦を葺いた牌坊をくぐり、仕事を終えた振り売りたちが炭火を囲んで路地でたむろしている横を通り過ぎ、住宅街に面した通りに出る。
    夕暮れ時の大気は残酷なほどに冷たい。向かい風を浴び続け、頬はすでに感覚を失いかけていた。
    手綱を引いて馬を止める。邸宅の様子をうかがうと、ひと気を感じず、がらんと静まっている。しかし彼の家にはもともと人が少ない。それはいつものことだ。来訪を告げると馴染みの老僕が取り次いでくれ、中に入ることを許された。

    「君もおせっかいだな」
    相変わらず手狭な部屋で、苦笑交じりの声が出迎えた。
    「聞いての通りだ。天津に移るよ」
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    スズ🍠

    DONE★水都史実二次。人を選ぶ要素含むので前書き確認PLZ
    ☆この回は要素なし

    袁氏vs魏忠賢回。回数的にはここで折り返しです。
    こういう探り合いみたいなシーンって頭いい人が書けば本当にカッコよくなるんだろうけど自分には無理でした。
    魏忠賢が袁氏に目をつけて利用しようとしてたのは史実。わざわざ出向いてこないだろと思うけど、創作ゆえの単純化ということで。
    橄欖之苑 第七幕ある日のことだった。
    「万花楼で焦竑殿がお待ちになっている」。
    帰宅するなり、家人がそんなことを告げてきた。急な誘いに駆り出されるのは我々の間ではままあることだ。もっとも、それはどちらかといえば焦竑殿というより董其昌殿の得意技であったのだが。
    自分たちのことにはてっきりもう構わないのかと思っていたが、存外あの人もお節介なものだ。そんなことを考えながら官服を着替えると、馬を出し、指定された店へと向かった。

    万花楼は初めて訪れる酒店だった。繁華街の一角にあり、三階建ての立派な店構えをしている。
    馬を預けて足を踏み入れると、出迎えたのは音の洪水だった。広間は三階まで吹き抜けになっており、そのために宴席から聞こえる音曲や、酔客と妓女の交わすさざめきで常に騒がしい。中央の大階段や各階の欄干は灯篭や彩絹で飾られ、店名の通りいかにも華やかな趣だ。
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