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    ゆえ

    bach_otamama

    らくがきチユエンとカイム。デザイナーたよりでチユエンは最初は黒髪なのを金に染めているイメージだったと聞いて。染める理由などは妄想度高めでお送りします。
    キャラストで、チユエンの容姿に彼の母親が憎んでいた夫の面影を見て辛かったという場面があったので。この話は特にCPを意識していませんが、生産ラインはベルイムでチユヴリ寄りなので腐っています。
    髪の話 継承し、転魔を果たした身に流れる時間は少しゆっくりとなる。それでも元がヴィータの体である以上、髪や爪は伸びる。
    「くそったれ」
    鏡を覗き込んだチユエンは、髪をかきむしった。美猴の魔は金の獣だったからというだけでなく、母の言葉を伸びてきた黒い髪は思い出させる。父親によく似た息子に、かつて奪われた恋と憎しみを重ねてしまうと言っていた母の言葉を。だから、故郷では髪を染めていた。
    「髪が伸びてくるのが嫌?じゃあ剃ればいいんじゃない?」
    「それでも伸びてくるだろ」
    「そうねえ。じゃあ、色を変えてみたら?」
    「できんのか?」
    「アタシに任せなさい。そうねえ、いっそ金なんかいいんじゃない?」
    そう言ったヴリトラは、次の日髪を染めてくれた。なぜ染めたいのかを一切聞かず、むしろ伸びてくると彼の方からそろそろ染めたほうがいいとやってきたものだった。
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    niku9September

    らくがきラギー×レオイデの娘 で何故か突発妄想。本当に何故…。多忙なレオイデの子の子守りにラギー駆り出されてそうだな、とか、手際よく家事をする彼に娘ちゃん憧れちゃいそうだな、とか、将来ラギーのお嫁さんになるとか言い出しそうだな…と思ったらつい…。勢い書きの推敲ナシならくがきゆえふわっとお読みくださいm(_ _)m
    自宅内各所、見守りを兼ね監視カメラ完備です「ラギーのおててはまるで魔法のおててね」
    白い皮で半月型に包まれた餡が次々とトレイに並んで行く様を飽くことなく眺めながら少女が嘆息するようにそうこぼす。見つめるその瞳は蜂蜜を溶かした満月の色だ。
    「まるで……っつーか、これでも正真正銘の魔法士なんスけどね」
    ハハ、とどこか乾いた笑いが浮かんでしまうのは彼女の両親には遠く及ばない自覚故。入学できたという、その事実だけで立派なステータスになってしまう名門校で落第することなく卒業できたことは素直に誇ってよいはずなのだが、世界中から優秀な人材が集まる学園にあって卒業後の今も燦然と輝く成績を残し名を刻んだ彼らとは比較すべくもない。決して凡庸な己を卑下したわけではなく、冷静な分析による評価だ。優秀な彼らは誉れと同じだけ――もしかしたらそれ以上に――悪名を轟かせもしていたので実質プラマイゼロでしょ、などと思っているわけではない。断じて。
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    いさおか

    かきかけ⚠️特殊設定注意⚠️
    ベースは清三ですが、清正と三成の娘(オリキャラ)がメインのお話です。見た目はほぼ三成だと思って下さい。
    宗茂と娘のアカン描写が一瞬出てきます。それゆえ若干、宗茂→三成っぽい感じも。
    清三的にはハッピーエンドではありません。
    ざんか。 慶長十六年夏の朝、男手ひとつで私を育ててくれた父は、肥後の屋敷で静かに息を引き取った。その日は酷く蒸し暑く、自慢の柔らかな栗色の髪はしっとりと汗に濡れ、頬に沿うようにひたりと張り付いていた。それはまだ私が十を数える年の頃の話だ。鮮明に記憶に残っているのは、意識を朦朧とさせながら私の手を取り握り締めた父が、私の顔を見ながら「みつなり」と私の名ではない誰かの名を呼んだことだった。その名を呼んだ後、父は何かを呟くように口を動かしたが、けたたましく鳴き始めた蝉の声に掻き消され、結局父が何を言ったのかは分からなかった。

     母についての記憶はない。
     物心ついた頃から、私に家族と呼べる存在は父しかいなかった。他には、父の幼馴染である正則おじさんが時々家に来たり、絵物語に出てくる美しい帝のような顔をしたお兄さんに遊んでもらった記憶があるだけだ。
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