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    ゆりかご

    oishi_mattya

    MOURNING幸司君と光理ちゃん
    ゆりかご電車の後あたり
    「中屋敷君って、頭の中ぶっ飛んでるのに、案外人を放っておけないタイプだよねー」
     仲良しの刑事さん――唯崎姐さん――は俺にお茶を差し出して、疲れた顔で笑った。
    「え~、そうですか? 俺はまっとうな大学生男子ですよ~!」
    「いや、まっとうな大学生男子は心霊写真撮りに来て、不良と絡んで、警察に捕まったりしないから」
     まったく……。と溜め息を吐く唯崎姐さんにまあまあと言って、貰ったお茶を飲む。口の中を切ったからしみて痛い。
    「い……っ! ……でも、ほっとけないじゃないですか。アイツら祠壊して遊んでたんですよ? 怪奇現象に対する冒涜です。……それに、後からあの人達に天罰とかあっても怖いし」
     唯崎姐さん知ってます? 怪奇現象って魅力的ですけど、遊び半分で首突っ込むと怖い目に遭うんですよ。だから、ちゃんと敬意を持って接しなきゃいけないし、首をつっ込むならそれ相応の覚悟を持ってやらないと。
     一息にそんなことを言うと、唯崎姐さんは目を真ん丸にして、「へぇ」と呟いた。
    「いつも遊んでるだけかなーって思ってたよ。結構真面目なこと考えてたんだ」
    「うーん、最初は遊び半分だったんですけど、一回痛い目見た 981