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    りぐ

    imo_blgr

    DONE喧嘩したビリグレが深夜ドライブする話
    (ビリグレワンライ【ドライブ】)
    naked くぐもった音を合図に前方の景色が開かれたのを見て、ビリーは雨が降り出したのだと悟った。車窓に流れゆく景色は変わらず、等間隔で背の高い街灯をうつし出している。きれいに舗装された広い道には人はおろか他の車だって見当たらない。眠らない街・ニューミリオンでもさすがに深夜のハイウェイは閑散としていた。
    「もうそろそろブルーノースに入るヨ。サービスエリアがあるけど寄る?」
    「……まだいいかな」
     ビリーは僅かに眉を上げ、スマートフォンの灯りを消した。それならばしばらくナビゲーションの必要は無い。出る幕なしだ。口を閉ざしてしまえば、そこに残ったのは息が詰まるほどの静寂だった。タイヤがアスファルトを削る低音を背後に、フロントガラスに降り注ぐ霧雨を拭うワイパーの間抜けな音だけが続く。彼の実家の車とは違ってエリオス社貸し出しの車のシートは硬く、けれどそれよりも遥かにぶっきらぼうな返事の方が固かった。ビリーくんは大丈夫? トイレとか平気? 普段ならかけられるであろう言葉もかけられないほど、今のふたりの間には薄く張り詰めた氷のようななにかがあった。
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    tooko1050

    DONE御礼として書き始めたらえらく長くなってしまいまして💦やっと出来ました!
    というわけで、その後のあの本丸より、楽しい日のお話です☺️

    診断メーカーより
    『本のタイトルは「リグレットの雨に濡れながら」で、帯のフレーズは【 誰に蔑まれてもかまわない。僕は君が好きだ。 】です。』ネタ

    ■通常男士むつと保護刀な兼 設定
    『訣れの歌が終わる前に』番外編
    「大好きとおくりもの」
    「大好きとおくりもの」「う……?」
     気持ち良く目覚めた部屋の中はまだまだ布団の中のぬくぬく感が愛おしい、そんな季節だ。
     良い天気らしく、陽の光で障子が光っているように見える。
    「お目覚めですか?」
    「んー」
    「おはようございます、和泉様」
     くろのすけが柔らかな声で挨拶してくれるのにおはよう、と返して和泉の一日が始まった。

     いつも通り綿入を羽織ってもふもふと心地良い布団をしまったりしていると、隣の部屋の方から小さな音がした。
    「あ!」
     間もなくキシキシと軽く床板の音がして障子には人影。するりと開いた向こうには大好きな「いずみ」こと和泉守がいた。
    「おはようさん。よく眠れたか?」
    「あー!」
     着替えを済ませている和泉守がさっと中に入って障子を閉めてくれた。ひや、と滑り込んでくる冷気にちょっと首を竦めていると、風邪引かねえうちに着替えような、と優しい声がする。
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